share:25
ハイタイ!阿波根あずさです。2018年もあっという間に半分が過ぎ、季節は夏(とは言っても沖縄は一年の半分以上が夏)。海、花火、バーベキュー!楽しいことなかりの季節なのでテンション上がっています♪
さてさて、前回のおきマグの記事では、専門家や起業家の方に相談をさせて頂いた記事を書きましたが覚えていますか?
起業記事を書いて約1ヶ月半後・・・ついに・・・
起業しました!!!
2018年4月27日、28歳の誕生日に個人事務所「あずさプロダクション株式会社」を設立!経営の先輩方に教えていただきながら、ようやく念願の起業!サポートしてくださった周りのみなさまに感謝です。
この記事を読んでいる方の中にも「沖縄に移住して起業をしたいけれど、何からやれば良いか分からない」という方もいらっしゃるかもしれません。ということで今回の【後編】記事では、沖縄における会社設立前の事前準備から設立後の手続きまで、実際に行ったことをご紹介していきます!!
◆目次
1.設立前にやって良かったと思う3つのDO
2.会社設立はfreeeでサクッと!定款も自分で作れます。
3.オフィスの探し方
4.いよいよ起業!登記までの流れを全部お見せします!
5.株式会社設立にかかった金額
6.会社設立後の流れ
まとめ:起業して3ヶ月経って思ったこと
1.設立前にやって良かったと思う3つのDO
まずは、実際に私が会社設立の際に「やって良かった」と思うことを以下にピックアップ。
①起業に関する本を購入して勉強
②那覇商工会議所で相談
③沖縄金融公庫で資金調達
この3つはオススメです。というか、絶対やった方が良い!特に沖縄で起業をする場合は、この3つをおさえておきましょう。一つずつ詳しく紹介していきますね。
①まずは基礎知識が必要!
起業を考えている方の中には「そもそも、どんな流れで起業するの?」「会社設立のメリットって何?」という疑問を抱えている方も多いはず。そんなWHY?を解きほぐすためには、やっぱりまずは本を買って読むことをオススメします。私が実際に起業前に読んだオススメの2冊はこちら。
独立するならどっち!?個人事業主と株式会社のメリット・デメリットがぜんぶわかる本
付箋貼りまくり(笑)この本は、で〜じ分かりやすいです。そもそも私自身、登記までの流れ自体よく分かっていなかったので、この本にはとてもお世話になりました。設立までの流れ以外にも、税金、保険などについての基礎的な知識を学ぶことができます。
次は、タイトルを見て「え?そんなに簡単にできるの?」と思ってビックリした本がこちら。
らくらく資本金1円、3日間1人でできる!株式会社 設立&経営のすべてがわかる本
全部とは言いませんが、起業するタイミングや提出資料の漏れがなければ早めに設立できるノウハウが詰まっています!本の中に登記申請書の記入例なども記載されているので「こんな感じで書類を作るのか」とイメージがしやすい!
私の場合は3日で起業することを考えていたわけではなく、大まかなイメージを掴むためにこちらをチョイスしました(※本当に3日で起業したい場合は、会社設立日よりもだいぶ前にこちらの本を読むことをオススメします)。
②商工会議所を活用しよう!
起業を考えている方全員にオススメしたいのが、商工会議所の活用です。実際に起業について相談するのも勿論なんですが「特定創業支援事業」という制度を活用することで、登記の際に優遇措置を受けることができます。
★特定創業支援事業とは?
創業に必要な以下4つの分野のノウハウが身につく支援を行う事業です。
①経営に関すること
②財務に関すること
③人材育成に関すること
④販路開拓に関すること
特定創業支援事業の支援を受けたことの証明書により、下記の優遇措置が受けられます(ただし、優遇措置の元となる各制度の利用要件等を満たす必要があります)。
【参考】なはし創業・就職サポートセンターHPより抜粋↑
私の場合、那覇市内で開業したかったので、起業する約2ヶ月前に那覇商工会議所に通い、こちらの制度を利用しました。
4回通うと特定創業支援事業の支援を受けた認定を受けることができ、認定書を「なはし創業・就職サポートセンター」に持っていくと正式に証明書を発行することができます。優遇の内容を見ても、通常よりも約2分の1の金額(15万→7.5万円に!)で登記ができるので、で〜じオススメです!
③資金調達
起業する際に1番悩むのが資金調達なのではないでしょうか。
実際、私も悩みました。今、手元にどのくらいの資金があって、会社を立ち上げるのにどのくらい必要で…。
そういったことも先ほど記述した商工会議所で相談をしました。担当してくださったのは、平岡 靖弘(ひらおか・やすひろ)さん!
特定創業支援を受ける際に「資金調達も考えているんですが…」と相談したところ、沖縄金融公庫を勧めてくださいました。とにかく金利が安い!(約1%前後です)
実際に私が資金調達を行なった流れは以下の通りです!
★資金調達のフロー
①事業計画書の作成(書き方等は商工会議所の相談員の方からアドバイスいただけます)
②事業計画書の準備が完了したら、必要書類を持参して沖縄金融公庫で申請書を提出
◆必要書類
・事業計画書
・2年分の確定申告書
・個人の通帳
・別途必要な書類(例:契約するオフィスの資料等)
資料を提出する際に、沖縄金融公庫の方にプレゼンをしました。事業計画書に記載した数字の根拠(売上等の伸び率、創業時に必要な費用等)などを説明できるかどうかで、融資が受けられるor受けられないが決定するので、どこを尋ねられても数字の根拠をしっかりと説明できるようにしましょう(プレゼンの際、かなり突っ込まれます)。
③申請書が通ったら融資申請の本契約へ。必要書類等を沖縄金融公庫からいただき、そちらにサインをしていきます(必要書類は、全て事前に教えていただけます)
④本契約後、約1週間以内に個人の通帳へ申請した額が振り込まれます
《check!》
融資の金額によって、①〜④までの期間が異なります。私の場合は職種が芸能なので、自分自身が商品。在庫を抱えるなどの心配はなく、比較的少額の融資だったため通常よりも早めに本契約まで進むことができました。数千万円単位での融資を考えている方は、少々時間がかかる場合もあるそうです。
2.会社設立はfreeeでサクッと!定款も自分で作れます
起業を考えている方は「定款(ていかん)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。会社を設立する際に必要な書類で、法人の目的、名称、資産、事業内容などを記載する、いわば会社の必要なルールを定めた大事な書類です。
何だか難しそうだし、よく分からないから専門家に全部お願いしよう!というのもOKなのですが、あるクラウドサービスを使えば自分でも簡単に作ることが可能なんです。それがこちらのサービス!
会社設立に必要な定款書類の作成や、設立までの手続きを画面に表示される手順に則って進めていくだけなのでとっても分かりやすい!私もこのfreeeを使って、登記まで進めていきました。
起業の準備は、書類作成や資金調達なども含めて並行して行うので、サイト登録なども早めに済ませておくことをオススメします。ギリギリにやると、あーてぃはーてぃしますからね(笑)。
3.最初のオフィスの探し方
法人化する際は、登記の際に住所が必要になります。
「よし!オフィスを借りるぞ!」と思っても、どこがいいのやら…と悩みますよね。私のように1人法人の場合、そもそもオフィスは必要なのか?自宅兼オフィスで良いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私の意見としては、オフィスは必要だと思います。特に女性の場合、自宅を特定されると事件事故に巻き込まれる可能性もあるので、そこは慎重に考えた方がベストです!
オフィスを探す場合は
・立地・価格
・オフィスの間取り
・オフィスをどう利用するのか
この3点が重要になってくるかと思います。
私の場合、優先順位的には
①那覇で開業する
②ほとんど現場にいるので住所だけ登録できる場所
③できるだけ安く借りたい
という感じだったので、まずはインターネットで上記の条件を満たせる場所がないかどうかを調べました。価格は一旦脇に置いて、那覇で借りれる場所がないかどうかを検索してみると「BAレンタルオフィス」というのを発見。
住所は「那覇市久茂地1−1−1 9階」と一等地!
シェアオフィスになっており、登記だけでも利用できるということでしたので、早速電話してすぐに内覧しました。オフィス内もとても清潔感があり、コンシェルジュが常駐しているので書類等が届いても安心!しかも一等地の割に価格帯もリーズナブルだったので、即決しました!
決めるのめっちゃ早かった…(笑)。
《check!》
沖縄の場合、那覇市と他の市町村でオフィスの価格帯はとても差があります。また、場所によっては駐車場付きでない場合もありますので、その点も含めて考えることをオススメします!
BAレンタルオフィス
電話:098−988−9624
住所:沖縄県那覇市久茂地1丁目1-1 9階
URL:https://www.ba-rentaloffice.com/
4.いよいよ起業!登記までの流れを全部お見せします!
本を読んで基礎知識もバッチリ!
特定創業支援事業の認定証もOK!
資金調達もできた!
さぁいよいよ登記していくぞー!ってことで、ここからは私が実際にやった登記までの流れをご紹介していきます。
3-1.freeeを使って作成した定款を行政書士に依頼して電子署名・認証をしてもらう!
freeeのサイトで定款を作った後、行政書士にその定款をチェックしてもらう必要があります。電子定款の場合、行政書士への代行手数料は5,000円(銀行振込可能)。早ければ営業日3日以内にfreeeと提携している行政書士から連絡が届きます。
電子定款を行政書士に送って見てもらっている間に、定款を受け取る公証役場を決めておきます。ちなみに、沖縄の場合だと「那覇公証センター」「沖縄公証人役場」と選べます。那覇市内に会社を設立したかったので「那覇公証センター」で受け取ることに。
しかーし!ここで事件が…!!
freeeと提携している行政書士から届いた1通のメール。「那覇公証センターが忙しいらしく、早くても5月にしか定款の認証を受けることが出来ません。」
えー!!!!!!!!
今回、自分の誕生日である4月27日に会社設立を予定していたので、ここにきてまさかのダメージ…(ちなみに登記をした日が会社設立日となります)。計画が全てパーだ…と思っていたところ行政書士から一言。
「沖縄公証人役場もあたってみますか?」
そんな優しい行政書士に救われ、運よく4月中に定款の認証を受けられることに!本当に良かった…。感謝です!!!
予定通り進めていても、公証役場の混雑具合によっては希望日に認証が受けられないケースもあります。私のように会社の設立日に拘りのある方は、早めの定款認証をオススメします。
《check!》
年度始めの4月1日に会社設立日を希望する方も多いそうなので、公証役場への予約はお早めに!
3-2.公証役場で認証済みの定款を受け取る
希望日に何とか予約ができたので、定款を受け取りに沖縄公証人役場にGO!
freeeに記載されている持ち物リストをしっかり確認して、忘れ物がないように。ちなみに、公証役場に行く際に発起人の個人実印が必要なので、個人の実印をまだ持っていない場合は早めに作りましょう。
公証役場は事前に予約をして行くので、定款の受取りもスムーズにできました(待ち時間も合わせて、所要時間は約30分でした。)。
3-3.出資金を入金&入金証明をコピー
発起人の個人の銀行口座に出資金(資本金)を入金。何だかドキドキする作業です。入金が完了したら、入金を証明するために通帳のコピーを取ります。通帳の表紙、通帳の裏表紙、振込のページの3つをコピーしましょう。
3-4.法務局に提出する登記書類を用意
登記書類は全部で7種類。
1.登記申請書
2.登録免許税納付用台紙
3.就任承諾書
4.発起人決議書
5.払込を証する書面
6.OCR用紙
7.印鑑届書
全てfreeeから印刷して、必要事項を記入し、会社の実印を押します。書類はしっかりと製本テープでまとめましょう!ちなみに、100円均一に製本テープは販売されているので、そちらを使うと便利ですよ。
3-5.法務局に登記書類を提出
2018年4月27日。いよいよ登記の日が!!!緊張のせいか、朝6時に目が覚めたので、早めに身支度を済ませてfreeeに記載されている持ち物リストをチェック。法務局に持っていくものまで丁寧に書かれているので本当に便利です。
朝8:30に出発し、那覇地方法務局で書類を提出。その際、登録免許税も支払います。私の場合は株式会社なので通常は15万円かかるのですが、特定創業支援事業で認定証を受け取っていたので、登録免許税は半額の7万5千円でした。この金額は会社設立したばかりの身にとっては大きいですよね。
書類の不備などがなければ、登記は完了!
2018年4月27日に「あずさプロダクション株式会社」を設立しました!
5.株式会社設立にかかった金額
私が会社設立にかかった金額はこちら!
・電子定款認証の際の行政書士への代行手数料 5,000円
・公証役場での定款認証代金 51,900円
・登録免許税 75,000円合計 131,900円
特定創業支援事業の認定があったので、通常よりも約75,000円も安く設立することができました。
6.会社設立後の流れ
「やっと登記が完了した〜!」と安心したいところですが、会社設立後もやることはたくさんあります。むしろ、立ち上げた後の方が忙しいかもしれません。「設立後の手続き、忘れてたー!」なんてことがないように、TO DOリストをまとめましたで、ぜひ以下もチェックしてみてください。
年金事務所に行く
年金事務所で、健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出します。法人なので、保険も国民健康保険から社会保険に切り替わるので、こちらも要チェック。年金事務所はとても混雑するので、行く際は午前中の早めの時間帯にしましょう。
沖縄の年金事務所一覧:
http://www.nenkin.go.jp/section/soudan/okinawa/index.html
税務署・都道府県説事務所・市町村役場に行く
それぞれに、法人設立届出書を提出します。(設立後も提出書類がたくさんあるんです…)。ちなみに、税務署と都道府県税事務所は異なりますので、お間違えのないように!
国税税務署:https://www.nta.go.jp/about/organization/okinawa/shokai/annai.htm
都道府県税務署:http://kankatsu.jp/zeimusho/okinawa-pref/
法人用の銀行口座を作る
沖縄の場合だと、沖縄銀行、琉球銀行、海邦銀行のいずれかになるかと思います。私は琉球銀行で口座を開設しました!その際に、併せてクレジットカードも作ることをオススメします。
起業して約3ヶ月経って実感しているのですが、法人用のクレジットカードを作っておくと何かと便利です。例えば、交通費や会食費などもクレジットカードを利用すれば、経理の際も楽チンですよ♪
まとめ:起業して3ヶ月経って思ったこと
起業して良かった!!!と心から思います。
起業をすれば、個人ではなく法人としての立場になるので、企業とのお仕事がスムーズにできるようになりました。もし沖縄に移住をされた際は、あなたもぜひより自由に働ける独立という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。いきなりは難しくても、中期的な選択肢としてとてもオススメかと思います。
まずはこのおきマグを運営するヒューマンサポートさんでお仕事を探しながら、起業のタネを見つけるといいかもしれませんね。沖縄は人口も増えており、観光産業を中心に市場もどんどん大きくなってきています。起業家に優しい環境も整いつつありますので、一歩踏み出すにはオススメの場所ですよ。
もちろん、会社を立ち上げたからには今まで以上に責任も大きいですし、壁にぶち当たることもありますが、それを含めてやっぱり楽しい。個人事業主だった頃は、大きいプロジェクトを動かすこともできず、モヤモヤしていたんです。でも今は、自分がやりたいと思ったことを企業に売り込んで、アイデアが形になっていく毎日がとても充実しています!
私が立ち上げた「あずさプロダクション株式会社」は、個人の芸能事務所で、社員も私一人の小さな会社です。でも、小さな会社だからこそ、めちゃめちゃフットワークが軽い!そこが大きなポイントなので、強みを活かして、これからもどんどん沖縄を盛り上げていきますよ〜!