厳選企業のみ掲載!
会社を選ぶ求人メディア

沖縄移住応援WEBマガジン「おきなわマグネット」

沖縄仕事応援WEBマガジン

沖縄の果て、離島で暮らす生活とは?「離島×福祉」をゆんたくで知る夜。

鈴木 しの

2019.03.27

みなさま、はいたい!!!

はじめまして。フリーランスのライターとして、日本や海外のあちらこちらを転々としている鈴木しのと申します。沖縄が好きでよく訪れます。今この記事も、沖縄から東京へのフライト中に書いています。

さて、突然ですが、みなさんは「伊平屋島(いへやじま)」という島をご存知でしょうか?(ちなみに、私はまったく知りませんでした)

それでは、質問を変えますね。

石垣島」や「西表島(いりおもてじま)」という島はご存知でしょうか。この質問であれば、名前くらいは知っている、もしくは、比較的有名な島なので行ったことがある、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今名前をご紹介した3つの島、お気づきかもしれませんが、すべて沖縄県の離島なんです。

 

位置関係はこんな感じです。本島からだーーーいぶ南西に渡った場所にあるのが、石垣島と西表島。ちなみに、地図の左端にちらりと写っているのは台湾です。

(余談ですが、石垣島から台湾へは、飛行機に乗って40〜50分ほどで到着するそうです。本島の那覇空港から石垣島までが1時間ほどなのに……!!!)

 

次に、伊平屋島の位置をご紹介です。伊平屋島は、石垣島や西表島とはまた異なった場所にある離島。本島の北部からフェリーで1時間ちょっと。あまり知られていませんが、気軽に行けちゃう離島なのです。

  • 遊び
  • ツアー
  • 伊平屋島
  • 旅行
  • 離島
沖縄県内在住者限定!なんと70%助成で離島旅行へ行ける!?『島あっちぃ』で伊平屋島に行ってきた!

 

「離島×福祉」がキーワードのイベントに参加してきました

前置きが長くなりました。本題に入りますね。

3月9日の夜、これらの島々の住人が、東京で集うイベントが開催されました。題して「Engawa Island〜沖縄の離島から福祉島んちゅが集まる一夜〜」(長い……!)。

 

簡潔にいうと「You、沖縄に来ちゃいなよ!」を伝えるためのイベントです。それも、福祉の観点で。

超高齢化社会となる未来が予想される日本では、介護人材の不足が長らく叫ばれています。沖縄とて、それは例外ではありません。

むしろ、沖縄の離島の介護人材不足は深刻なもの。実情として、介護を受けることが困難なことから、介護施設を求めて、親族の住む地を求めて、住み慣れた地を離れなければならない高齢者も離島には存在します。(沖縄タイムス+プラス「住み慣れた地元離れる高齢者 離島へき地の介護、沖縄の課題」)

今回のイベントでは、伊平屋島、石垣島、西表島の3つの島で暮らす島んちゅのみなさまが、離島暮らしの魅力について解説。また、イベント終盤には「ゆんたく(沖縄の方言で、井戸端会議のようなもの!)」を開催して、居酒屋さんで離島暮らしについての談話を行いました。

都内に住む沖縄生まれの方々や離島暮らしに興味を抱く方々、総勢50名ほどが集まった本イベント。この記事では、イベントの様子を時系列でご紹介していきたいと思います。ご興味のある方は、ゆるりとお付き合いください。それでは、さっそく!

 「僕らの住む島ってこんなところ」島自慢から、はじまりはじまり

東京で開催されるセミナーやイベントの多くは、開始の合図があるまで会話が始まることなんてなかなかありません。だって、いきなり隣の方とお話するとか、緊張してしまうじゃないですか。

ところが、うちなんちゅも多いこのイベントでは、みなさま、まるで緊張知らず。会場に入るやいなや、あちらこちらで団らんする声が聞こえます(念のためお伝えしますが、イベント開始前です。めっちゃすごい)。

 

ドリンクを片手に「どこから来たんですか?」「沖縄お好きなんですか?」と、ゆるゆると盛り上がっている様子。ここが東京だってことを忘れてしまいそうなくらい、のんびりとした沖縄感が溢れまくっています。

さて、イベントの最初のプログラムは、島自慢から。伊平屋島、石垣島、西表島の島んちゅが、自分たちが暮らす島の良いところをプレゼンしてくれます。

島んちゅたちが語る、それぞれの島の魅力

島自慢のトップバッターを飾ったのは、石垣島で暮らすみなさま。島のPR映像と合わせて、島の概要や魅力をたっぷりと語ってくれました。

 

(今回は、プレゼンの内容から一部を抜粋してお届けしていきます)

さまざまなプレゼンの中でもとくに印象的だったのは、石垣島で毎年開催されている「豊年祭」についてのお話。その年の五穀豊穣に感謝するために行うお祭りなのですが、これが2日間に渡って行う超特大イベントなんです。

地域ごとに、装飾した大きな旗を持つ旗頭(はたがしら)が島内を歩き回ったり、大きな綱を編んで綱引きをしたり……。島民みんなで一丸となって、お祭りを盛り上げるのだそう。

ほかにも、旧暦のお盆になると「アンガマ」と呼ばれる伝統行事の解説も。祀られた祖先の霊を供養するためのイベントなのですが、開催時に着用するお面がなんとも不思議な表情で……。

 

会場からは驚きの声があがったり、子どもたちの絶句する顔が見られたり、その反応は実にさまざまでした。同じ日本の中でもまったく知らない文化ばかり。まるで海外の文化を知るような、新鮮で、すごく不思議な気持ちに陥ります。

次に島自慢を行なってくれたのは、西表島のみなさま。イリオモテヤマネコの生息地として知られる西表島は、東洋のガラパゴスと呼ばれるほど、緑の生い茂った島。島の9割がジャングルだというのですから、驚きです……。

 

どこまでも続く広い海も、ゆるやかな気持ちにさせてくれる壮大な緑も、これでもかというほど溢れているのが西表島のなによりの魅力です。

プレゼンテーションの中では一押しの観光スポットもご紹介してくださったのですが、ぐっと心を掴まれたのは「イダの浜」。

日本最後の秘境と呼ばれており、透明感たっぷりの海が目の前に広がるのだそうです。お話を聞いているだけで、今すぐ西表島に飛んで行きたくなりました。

 

最後に島自慢を行なったのは、伊平屋島のみなさま。メンバーみんなで特製のハッピを着て、今回のイベントに参加したのだそう。

3つの島の中で、唯一沖縄北部に位置する有人島である伊平屋島。これまでのふたつの島とは、少しだけ雰囲気も違う模様です。

それをとくに実感したのが「縁側には、おもてなしのためのお茶を置いておく」という島民のマナーのお話。約1,200人と、島民の少ない伊平屋島では、近隣に住むほとんどの方がすぐに知り合いに。

 

そのため、島をお散歩中に一休みできるよう、縁側には一服できるようなお茶のセットを置いておくのだそうです。家の中に誰もいなくても、外からやってきた島民が縁側で一休みしたあと、またお散歩にでかける。そんな生活が、伊平屋島での「当たり前」なのです。驚きと、戸惑いで胸がざわざわしました……。

ほかにも、伊平屋島でよく踊られている琉球舞踊も披露してくださいました。三線の音色が心に優しく響く、優雅な時間です。

 

会場内には、それぞれの島から持ち寄ったお酒やおつまみなどが並びました。島自慢の合間には、お酒を片手に団らんする参加者の姿も。

 

 

ゆんたくで、離島を知る

イベントも終盤にさしかかるタイミング。ここからは、3つの島のうち、参加者の興味のある島についてより深く知る「ゆんたく」タイムに移ります。参加者は、島自慢を聞いて、興味の湧いた島を2つチョイス。

 

その後、イベント会場近くにある商店街、その名も「沖縄タウン」の居酒屋さんに移動して、参加者も島んちゅも、みんなでゆるゆる飲みながら語り合う時間に。ちなみに、ご協力いただいたのは、以下の3つの店舗です。

 

沖縄ダイニング 島のれんさん

 

YANBARU(ヤンバル)さん

 

酒里城さん

 

ゆんたくの様子も少しだけ覗かせていただいたので、読者のみなさまにもおすそわけ。

 

イベント開始前から初対面とは思えないほど打ち解けあっていた参加者のみなさま。お酒が入ると、会話の勢いはとどまることを知りません。乾杯前から会話が始まり、こうしてカメラを向けても気づいていないのか、すごく自然体なんです。控えめにいっても、居心地の良すぎる空間でした。

 

離島暮らしを知る夜を終えて

「離島×福祉」をキーワードに開催された本イベント。正直なところ、福祉の要素を強く実感した、ということはありませんでした。島自慢の中で、ほんの少し話題として触れたかな、くらい。

ただ、とにかく「離島で暮らしたい!」という思いには駆られました。島の暮らし、人、食、景色、なにもかもが魅力的で、いつか住んでみたいと強く強く感じています。

 

離島での暮らしって、都会に住む方が挑戦するには、たくさんのハードルがあるはず。暮らす上で必要な「仕事」は、そのハードルのひとつかもしれません。そんなときに、今回のイベントのように「福祉」の観点が、ちょっとしたアンサーになるのではないかと感じました。

福祉の仕事に携わりながら、離島暮らしを実現する。生き方の選択肢として、とっても素敵な気がします。こんなふうにイベントを通して、離島を知る人々の裾野が、ゆっくりでもいいから、広がっていってほしいです。わたしもまずは、まだ訪れたことのない離島たちに遊びに行こう。そんな気持ちでわくわくしています。

それでは、今回のレポートはここで終わり。最後までお付き合いいただきありがとうございました!!!

All Photo by 横尾涼