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沖縄で作り出す持続可能な移住と多拠点居住とは 〜 ジモコロ 徳谷柿次郎氏 & 灯台もと暮らし 伊佐知美氏 & Yahoo! LODGE 植田裕司氏 & 沖縄市観光物産振興協会 山田一誠氏 〜

ナガハマ ヒロキ

2017.08.28

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沖縄から世界を変える」を合言葉に、沖縄市の創業支援施設として誕生した『スタートアップカフェコザ』。アイデアとアイデアが交差し、新たな発想が生まれ、漂う空気は常に前のめり。無料コワーキングスペースやプログラミングスクール、創業支援の相談窓口が設けられた情報発信基地だ。

以前、こちらの「スタートアップカフェコザ」を取り上げた記事はこちら
「コミュニティ文化がイノベーションの起爆剤になる」 スタートアップカフェコザの火付け役が語る、半歩先の未来とは?

 

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去る2017年8月5日に行われた1周年イベントStartUpCafeKOZA 1st Anniversary FESでは、沖縄市内各地を複数会場に、音楽フェスさながらのタイムテーブルで、様々な関連イベントが開催された。

 

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今回は、沖縄移住応援WEBマガジン“おきなわマグネット”との共同企画であるトークセッション「サスティナブル(持続可能)な『多拠点居住』の作り方」というテーマで開催されたイベントのレポートをお届けする。

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モデレーターは「おきなわマグネット」の編集長である相葉 大樹氏。自身も沖縄移住者という立場から、登壇者と共に議論をしつつイベントを進行していく。

徳谷柿次郎氏「今、東京でなく地方であること」

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徳谷 柿次郎氏 / 株式会社Huuuu 代表取締役

株式会社Huuuu 代表取締役。どこでも地元メディア「ジモコロ」、小さな声を届けるWEBマガジン「BAMP」とダブル編集長を兼任。全国47都道府県のローカル領域を編集している。NHK Eテレ「みんなの2020 バンバンジャパーン!!」に出演中。

 

メディア紹介

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ジモコロ

株式会社アイデム」と「株式会社バーグハンバーグバーグ」が共同で運営。「イーアイデム」という求人情報サイトをオウンドメディアとして2015年5月にスタート。「地元」と「仕事」を対象に日常にこだわったコンテンツを発信。文化・歴史など難しいことを分かりやすく伝えることをコンセプトとしている。

 

主な記事紹介

記事をもとに、「ジモコロ」というメディアの魅力を紹介していただいた。

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クワガタとタケノコで大稼ぎ!謎の農家風岡直宏はなぜフェラーリを買えたのか?

柿次郎

クワガタの繁殖と、朝採れのタケノコの2つの商売でフェラーリを買ったという面白いおじさんにフォーカスを当てた記事です。この記事がきっかけでNHKにも取り上げられました。地方に眠っている面白い人を見つけるのが成功体験のひとつです。

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歳の差49歳!若きアメ細工職人と引退を余儀なくされたハサミ職人の物語

柿次郎

こちらは精巧な技術を体現するために伝統の握り鋏を求める若きアメ細工職人のおじさんに密着した記事です。ただ、ハサミ職人の技術継承の難しさ、なぜ食えないのかなどの産業の構造を2年掛けて取材しました。

 

「ジモコロ」はかっこいい部分だけでなく、それぞれの個性や特色を「入り口」に本質に迫る

「ジモコロ」を始めて2年、研究の結果分かったことは、一番面白いのは全国各地で生活をしている『おじさん』ということだという。

柿次郎

全国にはなかなかフォーカスに当たっていない様々な『おじさん』がいて、そんなおじさん達と接することがとても面白いです。僕が『ヨガ木こり』って名付けた木こりをしているおじさんがいます。木こりさんって高い木に登って作業をすることが多いので、高所でパニックになると危険だからという理由で精神を鍛える意味でヨガを始めたそうです。
他にも『マッドサイエンティスト農家』と名付けた、野菜の原種の保存などをしているおじさんがいるんですけど、「足が軽すぎる」という哲学的な理由でずっと足首に重りを巻いているんです。
こういう面白いおじさん達の特色をひとつの「入り口」にしながら、おじさん達が、「どのような背景で、どのような想いで物事に取り組んでいるか」を記事にしています。他のメディアだと、同じおじさんでも、ただかっこいい部分だけを切り取ると思うんですけど、ジモコロの場合は「入り口」として、おじさん達の面白いところも押さえるようにしています。

「ジモコロ」「BAMP」2つの引き出しを持つことで得ることができる多様性

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今年からは小さな声を届けるウェブマガジン「BAMP(バンプ)」の編集長にも就任。

柿次郎

「BAMP」は『CAMPFIRE』というクラウドファンディングのサービスと、『BASE』という誰でもECショップを立ち上げられるサービスが共同運営をしているウェブマガジンです。こちらのメディアでは「ジモコロ」に比べ、シリアスな課題を拾いあげられる設計になっています。「ジモコロ」と「BAMP」の2つのメディアの編集に携わっているので、その2つの引き出しを持っていると、様々な地域に取材に行った際に、「今回はどちらの記事を書くか」「どちらのメディアに合っているか」という自分の中での多様な選択を得ることができています。

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2017年5月から東京と長野の二拠点生活を開始!

柿次郎

5月から長野に家を借り、週の半分ずつ「東京」と「長野」を行き来する二拠点生活を開始しました。取材やイベントで地方に行くことが多いので、365日ずっと東京で仕事している人に比べて、全国を飛び回っているような仕事をしていると東京でずっと働くことに対しての辛さが出てきてしまったんですね。
長野を選んだ理由は東京の上野から片道8000円74分で新幹線でいつでも行けるという点が大きかったです。今後は家族を長野に移して、長野をメインの拠点にしようと思っています。

実際に二拠点生活をしてみると良いことだけでなく、めちゃくちゃツラいこともあります。それはこの場で伝えていかなくてはいけませんね。

僕の場合は「ダブル賃貸」なんです。東京と長野の家がどちらも賃貸だと、単純計算で家賃が2倍になりますし、新しい拠点を持つと家具や車も揃えないといけないですよね。東京では交通手段は電車でも事足りることが多いですが、長野では車があったほうが便利です。あとは家にあんまりいないからゴミの処理をどうするかという問題も実際に暮らしてみると見えてきました。

相葉

それでも拠点を作ろうと思ったのは、どうしてですか?

柿次郎

5年後、10年後を考えると育児など出てくると思うので、メリット大きいなって考えました。長野の家は10分圏内に保育園やスポーツジム、大型ショッピングモールなどもあるので、「Amazon」などの通販に頼らなくても、事足りるんですね。仕事の合間に近所の温泉に行って息抜きとかは長野ならではですよね。
あとは、東京にいた時は週5~6日は飲み会や知人からの誘いでお酒を飲んでましたが、拠点が増えることで、周りからしたら所在がどこにいるか分からなくなるので、お誘いをコントロールできるようになります。そうすると誘われなくなって逆に寂しくなったり・・・・(笑)

 

地方で働くことにはバランスが大事「ローカルの若者搾取問題」

地方での働き方は人間関係が近い分、スタンスをはっきり持っておくことが大事だという。

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地方では人との関係がすごく重要なので、ときには仕事を断れない状況も出てきます。それを二拠点にすることで、単価の高い仕事を東京で受けつつ、地方では面白い仕事をやる。そういう間合いを作ることを意識しておけば辛い状況にはならないと思います。

相葉

僕も地方の仕事を受けすぎて”沖縄で消耗”しています・・・東京にいた時よりも働いているような・・・

柿次郎

若い人が「Webできます」って言ったら、おじさん達から仕事の依頼が増えてくるんですよね。
特別自分じゃなくてもできる内容だけど、他に依頼を受ける人が居ないので、「自分の成長が止まってしまう」のを自覚しながらでもやらないといけなくなってしまう状況。僕はそれを「ローカルの若者搾取問題」と言っています。
何でもできる百姓的な能力が身に付いて、できることが増えていくというメリットはあるんですけどね。

相葉

でも、地方に移住したからこそ「東京とのつながり」も作りやすくなったという感覚もありますよね。

柿次郎

プレイヤーが少ない土壌で仕事をやっていると、勝手に名前が上がってくるんですよね。「あの土地ならあのヒト、あの会社」という風に。そうすると求められてくるレベルも高くなるので、先手で準備をしておかないと辛くなりますよね。地方の面白い仕事をしながら、自分の成長にもなる東京の仕事を受けていくようなバランスをつけていけるようになると、多拠点居住の強みを活かした生活が送れるようになりますよね。

伊佐知美氏「なぜ彼女たちは地方に魅力を感じるのか」

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伊佐 知美氏 / 株式会社Wasei「 灯台もと暮らし」編集長
株式会社Waseiが運営する、これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』編集長・ライター・フォトグラファー。日本全国、世界中を旅しながら取材・執筆活動をしている多拠点居住者。1986年、新潟県生まれ。横浜市立大学国際総合科学部卒。三井住友カード、講談社勤務を経て独立。現在は(株)Waseiに所属。連載「伊佐知美の世界一周さんぽ」(昭文社・ことりっぷ)。著書『移住女子』(新潮社)。はじめての国内片道切符の一人旅は、沖縄県那覇・宮古島でした。

メディア紹介

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灯台もと暮らし

「これからの暮らしを考える。より納得感のある人生を」がコンセプト。日本全国を旅しながら取材をし、その土地の生活実感が湧くヒトや風景を執筆・撮影している。編集部員自身が「少し羨ましいな」と感じるライフスタイルの人を取材していくうちに、移住や自分で生きる場所を探している若い世代を中心にする内容が多くなった。産まれたばっかりの赤ちゃんや90歳のおばあちゃんまで広く取り上げている。

主な記事紹介

[地域特集 郷に入る]

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徳島県神山町
http://motokurashi.com/feature-tokushima/20150101

 

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青森県十和田市
http://motokurashi.com/aomori-towada/20161029

 

[地域に根ざす企業特集]

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島根県・石見銀山の「群言堂」
http://motokurashi.com/shimane-gungendo-about/20160311

 

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愛媛県今治市の「IKEUCHI ORGANIC」
http://motokurashi.com/feature-ehime-ikeuchiorganic/20170804

[新しい働き方]

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男2人、キャンピングカーで野菜を売る。旅する八百屋「青果ミコト屋」のロマン
http://motokurashi.com/our-learning-micotoya/20170710

 

 

伊佐

『灯台もと暮らし』は雑誌が好きなメンバーが多いので、特集を組むスタイルを大事にしています。ひとつの地域あたり特集を15~20本、多い時には40本ほど公開しています。
徳島県神山町は、当時から東京よりも通信網が整っている地域として知られていて、地方創生の代表格みたいな町でした。東京恵比寿の映像制作会社が「サテライトオフィス」を作って、リモートワークを先駆者的にやっているような地域です。当時どのメディアの特集を見ても“川に足を浸してノートパソコンでパチパチ”みたいなものばかりだったのですが、私はそこで暮らしている人もいると思ったんです。それにスポットライトを当てた記事を書いたのが始まりでした。

PVを上げるために派手な話題ばかりを取り上げていては、内容が画一的になってしまう。『灯台もと暮らし』では、背景にある想いを伝える方向を向いている。

伊佐

私も、18歳で東京に出ていって、さようなら田舎!みたいな感じだったんですけど、毎日2時間も電車に乗る生活がこれから何年も続くと考えたら、憧れていた東京ライフがなんかしんどいなと思えてきたんです。
いま求めている幸せは、本当に東京にあるのだろうか。灯台もと暮らしを立ち上げた時にそんな気持ちになっていた。でも答えは分からないままでした。

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東京からUターンして仲間とDIYで古民家を改修、岩手県で馬と暮らして子育てする、震災後に宮城県石巻で漁業に携わる人の背中を見て移住、山村留学のつもりで期間限定で行ったら旦那を見つけて結婚、園を持たない森の幼稚園…
全国各地に移住して行った人たちを取材で訪ねて『どうしてみんな、こんなに楽しそうなんだろう』という思いになったと、伊佐さんは言う。

 

自分の未来と、地域の未来を重ねる生き方、『I』から『We』に変わってゆく生き方

伊佐

移住した人に『これから何したいですか?』という質問をしたら、私的なことではなく「私“たち”はこれをしたい」「この町がどうなっていって欲しいからこうしたい」という答えが返ってきた。自分の未来と、地域の未来を重ねる生き方、『I』から『We』に変わってゆく生き方をしていたんです。これがすごい素敵で豊かだなと思えてきました。
何かを成し遂げようと思って地方に行ったというより、単純に好きを突き詰めただけなんだと思えました。
もっと心地よく生きられる場所はどこだろう、という問いに東京以外の場所を見つけたんだんだと思います。

環境のほかに、移住者たちには共通の考えがあったのではないか、と伊佐さんは続けた。

 

ローカルだからこそ自分の声が届きやすく”関わりしろ”が沢山ある

伊佐

潜在的に都会よりも自分の声が届きやすい、というのをローカルに感じていたんじゃないかなとも思っていました。東京では埋もれてしまう発想も、地方だと目立つ。それに潜在的に気付いてローカルで輝きたかったのではないでしょうか。
”伸びしろ”ではなく、ソトコト編集長の指出さんがよくおっしゃる”関わりしろ“。これは都会よりも大きいと思います。お金で買える楽しさよりも、自分で作り出す楽しみのある生き方を求めている人が移住して来たのだろうと感じます。

もちろん移住して楽しいことばかりではありません。でも実際に移住されている方々を見て感じるのは、何か大きなトラブルが起こっても、「乗り越えるべきチャレンジングな出来事」としてとらえて、後ろ向きではなく前向きに立ち向かっているなということ。それができる強さを、移住する中で培ってきたのではないかと思います。様々な移住者の方々を見てきましたが、「灯台もと暮らし」のテーマで掲げている「これからの暮らしを考えて、より幸せに納得感のある人生を歩む」ということを考えて、「移住」という選択肢があったのかもしれません。

会社員として好きな場所を旅し、好きな場所で仕事を行う

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伊佐

「灯台もと暮らし」の編集長として、ライティング、フォトグラフィックを中心に、去年は世界一周しながら仕事をしていました。日本だけでなくアジアやヨーロッパなど世界の様々な国を旅しながら、記事を書いたり仕事をしていますが、実際にこういう働き方をフリーランスとしてではなく会社に属しながら行っています。

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「灯台もと暮らし」の運営企業であり、伊佐さんが属している「株式会社Wasei」はオフィスを東京の上野に構えているが、メンバーそれぞれがリモートワークを行っているため、全員が集まるのは打ち合わせの時ぐらいだという。

 

植田裕司氏「Yahoo! JAPANが取り組む時間と場所からの開放

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植田 裕司氏 / スマートデバイス推進本部コワーク推進部部長 兼 LODGEサービスマネージャー

ヤフー株式会社2007年新卒入社。デジタルホーム事業本部にて、テレビにヤフーのサービスを出す開発業務全般を担当。その後、自身で立ち上げたサービスのマネージャーを経験後、Yahoo!JAPANアプリの開発、マネジメントを担当し現職に至る。スマートデバイス推進本部コワーク推進部部長 兼 LODGEサービスマネージャー。「LODGE」の立ち上げに参画、現在は運営にも携わっている。

東京永田町にある無料で開放しているオープンコラボレーションスペース「LODGE」。ここが社内外にもたらす役割、そしてヤフーが実践している働きやすい取り組み、それによって得られた「時間と場所からの開放」について登壇してもらった。

ヤフー社員とのコミュニケーションを生み出すコワーキングスペース「LODGE」

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ヤフーが運営する「LODGE」は、ヤフー社員とコミュニケーターをつなげる場所です。交流したり、来てくれたお客さんの課題解決をする場所にもなっています。食事が作れるキッチンや、スタジオがあったり、ほぼ毎日イベントがありそこも無料で開放しています。

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ヤフー社内では、時間・場所に関して、個人に与えられる裁量が他の企業よりも多い。結果として生産性が最大化されているのだという。

 

植田

10年前は、定時勤務で固定席になっていて、特にエンジニアは自分の城を構築しているようなデスク環境で、隣同士でもコミュニケーションが取りにくい状況でした。デスクトップPCで作業をしていたので、会社に来ないと仕事ができませんでした。それが今では、デスクをわざとジグザグに配置されていて、人がぶつかりやすい作りにしています。ヤフーではたくさんのサービスを運営しているので、顔を合わさない人も多い。そこで会話とコミュニケーションが産まれ、アイデアが生まれていきます。

ヤフーでは『場所から開放』として、全館フリーアドレスを採用している。

 

植田

役員フロアを含めて、社員はどこで仕事していても良いんです。上司が部下の場所を把握してないといけないので、居る場所はIPアドレスで捕捉できるようになっています。オフィス外での業務も認められており、『どこでもオフィス』という制度は、月に5日、自宅やリゾート地などでの業務が許可されています。社員の性善説に基づいて成り立っている制度です。

 

通勤手当の充実により、多拠点での生活を会社がサポート

業務をする場所の他にも、居住地に関しても手厚くサポートをする。

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新幹線通勤上限15万円を支給しているので、富士山の麓や群馬の田舎から通勤しているかたもいます。「働く場所は東京、そして暮らす場所は自然豊かな地域」というような生活を送ることも可能です。

 

コアタイム5時間+自由な3時間で個人に合わせた働き方、そして週休3日制

『時間からの開放』に関してはどうか。

植田

フレックスタイムを導入しています。8時間勤務のうち、10時から15時はコアタイムなので業務を行わないといけませんが、その他の3時間は社員個人が決められます。7時~16時の勤務でも10時~19時の勤務でもOKです。以前に『ヤフーが週休3日』という話題が出ました。本来ですと“週休3日で給料据え置き”が理想なのですが“週休3日で給料を多少減額”が現状です。ただ、介護や育児をやっている社員からすると待ち望まれていた制度だったようで好評です。今後、単調な作業の自動化や、AIによる効率化などを測り、給料据え置きのまま週休3日を目指していきたいと考えています。

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誰かのための時間に使うことのできる『課題解決休暇』

休暇取得も大局観的な視点で奨励する。

植田

『課題解決休暇』という、地域行事やボランティア自分以外の誰かを助ける場合は休暇を取って良い制度があります。ヤフーの6000人の社員が3日間会社に来ない、というのは大した問題ではなく、むしろ6000人の社員が多様な経験をすることが重要で、普段やらない活動で気付きを得て業務に活かしてもらう狙いがあります

植田氏本人も、来たる年末年始には1ヵ月間東京のオフィスに行かずに仕事をこなすプランを画策しているという。

植田

制度をフル活用したら、年末年始休暇・どこでもオフィス・課題解決休暇を組み合わせて、会社員でありながら1ヵ月山奥に籠りながら働くことができる。ただし、自由な制度活用と責任はセットなので、意識付けもしていく中で、大きい会社で自由な働き方が実現できているのだと思います。

 

山田一誠氏「沖縄で作る多拠点居住~沖縄市のリゾートワーク都市宣言~」

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山田 一誠氏 / 
沖縄市観光物産振興協会 事務局長

新卒で入ったリクルートで人材系を10年、販売促進系を6年、観光系を2年経験後、2005年に退職。その後、東京にてネット系企業を数社経験後、東京に本社を置く上場企業の新規事業責任者として沖縄に赴任。若年者ジョブトレーニング事業責任者・沖縄県キャリアセンター責任者を経験後、現在は沖縄市観光物産振興協会の事務局長として6月1日に着任。沖縄市に新しい観光スタイルを創出する為、家族を横浜に残して単身移住中。

このあとすぐに那覇空港に行かなければならない」という超多忙な山田氏。10分間と濃縮した中でのゲストスピーチとなった。

山田

まず、人には優先順位があると思います。時間的・経済的・人間関係・精神的・専門性、それぞれの豊かさを求めて、みなさんもいろんなお仕事に就いていると思います。この求める豊かさは世代で違ってくると思うんです。よって今、豊かさの優先順を見直すことが大事なのだと感じています。

山田氏は自身の経験と照らし合わせて、語り掛けるように続ける。

山田

私は、若い頃はお金を稼ぎたくて仕事選びをしました。その後は良い仲間と働きたくなり、人間関係の豊かさを求めました。沖縄に移住したのは時間的な豊かさを求めたから来たんです。東京で働いている時は、往復3時間満員電車に揺られ週の半分は地方出張。沖縄県もクライアントだったので、東京と沖縄の二拠点生活をしていましたが、東京に引き揚げを命じられた時に『またあの満員電車の生活に戻るのかぁ』と思ったらブルーになってしまいました。だったら沖縄に残ります、ということで会社を辞めてフリーランスになり、6月からは沖縄市の観光協会の事務局長もやらせてもらっています。

 

観光に携わって行く中、そこで一定期間暮らして仕事までするような土地の味わい方を、推奨している。

山田

ひと昔前は、観光バスに乗せられてお土産物を買わされてというものが観光といったイメージでしたが、今は沖縄市の農連市場にわざわざ観光客の人が青果を買いに来るように、生活に溶け込むような観光が主流になっているように思えます。沖縄市は、県外から『来て』『宿泊して』『仕事をする』人に対し補助を出して支援しており、「リゾートワーク都市宣言」を出しています。

最後に「今後とも沖縄市とスタートアップカフェコザをよろしくお願いします!」という言葉でゲストトークは終了した。

トークセッション:持続可能な多拠点居住の作り方

 

質問:ブログを書いて世界を旅しながら稼ぎたいのですが、そのために必要なスキルはありますか?

伊佐

旅しながら働く方法はブログ以外でもあると思いますが、いきなり世界一周ではなくて、まずは日本国内はいかがですか?

柿次郎

旅人が旅先で記事を書いて、それを買いとる『SAGOJO』というサービスもありますからね。スキルで言うとまずは代表作を作ることじゃないですか。これは抜けている人けっこう多いですよ。自分しか書けない記事を出せるようにすることですかね。

相葉

移住した時って、意外と仕事がなかったりしますし。東京からの仕事を持ち込んで来て生活できている人はいるのですが。

伊佐

東京の仕事をノマド化してしてやるのと、地域の仕事を取って行く人の二極化していますよね。

柿次郎

ゼロの状態で浅瀬で溺れていると人は助けたくなる。圧倒的に能力があるか、行動力があるバカな若者を拾いたいおじさんはたくさんいますよ。『こいつ、よくやるよなって』ところまでいかないと。絶妙なところで溺れるスキルです!

相葉

地域のキーマンに好かれることが大事かもしれないですね。

柿次郎

旅に出ても、1周目で稼ごうとしない。種まきをして関係を作って、2周目で稼ぐみたいなやり方が良いと思います。

 

相葉

多拠点居住に関しては改めてどうお考えですか?

植田

仕事はどこでもできるかもしれないけど、暮らすという部分では踏み込みにくいですよね。

柿次郎

基本的には家族の意見が大事じゃないですか?僕は全国で仕事して各地で友達作ってって発散できますけど、妻はそうはいかない。長野の拠点の話は2年間かけて説得しましたもん。

伊佐

ご飯を作る、掃除をする、その地域の人と仲良くなるって大事です。拠点なく動いていた時期があって、その時に『疲れたなぁ、帰りたいなぁ』って思った時に帰る所がない。暮らすって大事ですよね。ましてや、家族がいたら拠点に対する考え方は全然違ってきますよね。

柿次郎

やっぱ人が暮らして営みをするって一つの家があって、そこから連鎖するものなので、やっぱみんな無理しているなぁと思いますよ。

伊佐

(笑)ただ、今はネットのおかげで、それが実現しやすい世の中になって来ましたよね。これが人生のゴールなのかって考えたらまた疑問が生まれそうですけど。

沖縄という環境を活かした多拠点居住の形とは

相葉

参加されているお客さんも感じているかと思いますが、沖縄って給与水準が全国的にかなり低いですよね。また、IT・WEBなどの制作の仕事においては「上流工程は東京」でやって、「下流工程は沖縄」で行うという仕事が多いので、沖縄の人の仕事への価値観って(傾向として)『キャリアアップ』『夢の実現』というモチベーションではなく『お金を稼ぐため』という風になっているような感じがします。自身の技術やキャリアを上げるものではなくなっているのではないかと。

柿次郎

まあ沖縄に移住する人に関しては、海に憧れてとか、そういうライフスタイルで決めている方が健全だと思いますね。仕事は何でも良いくらいの感じの人の方が続く気がしますけどね。

伊佐

沖縄って、実はバンコク便が一番安いんですよね。タイや台湾から沖縄に行って東京に行く、みたいな過ごし方ができますよね。二拠点としてはかなり良い条件が整っていると思います。

植田

沖縄は、海外向けのサービスを作る最初の出発点にしやすいかなと思いますね。サービスを始める拠点になって来ると思うので、沖縄で働くモチベーションが今後大きく変わっていくと思いますね。

相葉

沖縄では仕事と遊びも、良い意味で公私混同させていける環境が作れると思ってます。早起きしてサーフィンやダイビングをし、9~10時には仕事を開始。山田氏に宣言いただいた「リゾートワーク都市」という働き方が進み、東京で暮らし、働いている方々(企業を含む)が拠点のひとつとして沖縄で少し気分を変えて働く。そんな環境がもっと増えていくと、さらに盛り上がっていくのではないでしょうか。

仕事と居住。持続可能な理想的なライフスタイルを実現させるため、登壇者のみなさんにはそれぞれの仕事人としての立場、また自らの経験から語って頂いた。
決して一筋縄ではいかない「多拠点居住」というテーマではあるが、どの登壇者からも感じ取れたのは「自分に真摯に生きる」ということ。多くの聴衆者にとって、それぞれの人生の選択に少しでもヒントが与えられたことを望みたい。

 

《取材協力》

【店名】スタートアップカフェコザ
【電話】080-3963-3355
【住所】沖縄県沖縄市中央1-7-8【営業】
1F 12:00-21:00(相談受付は19:00まで)
2F(教育/コワーキンク゛) 12:00-21:00
※平日・土日祝も同様
【ホームページ】http://startup-cafe.okinawa/

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