厳選企業のみ掲載!
会社を選ぶ求人メディア

沖縄移住応援WEBマガジン「おきなわマグネット」

沖縄仕事応援WEBマガジン

沖縄で好きなことを仕事に!北谷の人気ビアパブBeerRizeオーナーから聞く、 沖縄移住からのチャレンジとこれからの野望について

シロマユウノスケ

2018.03.24

こんにちは。ビールが大好きなことをこのサイトのプロフィールに書いている僕にとって、記念すべき10回目にして初めてのビール記事。

独特なスタイルの飲食店が増え、盛り上がりつつある沖縄の飲食業界。県外では見られないほどのスピードと独自性で急成長を遂げるその背景にはいったいどのような理由があるのだろうか。

今回は、クラフトビールをきっかけに地域ごと盛り上げるクラフトビアパブ「 BeerRize 」のオーナー待鳥(まちどり)大介さんとスタッフの千葉勇希さんにお話を伺った。

1.沖縄移住とお店の立ち上げについて

右:待鳥大介さん 左:千葉勇希さん

Beer Rize
2012年オープン。ビールとフードの”マリアージュ”をコンセプトに、日本全国から厳選したクラフトビールを11種樽生常備し、季節ごとの自家製の料理を楽しめるクラフトビアパブ。
住所:沖縄県中頭郡北谷町宮城1-464 1F
TEL:098-911-2278
MAIL:d-machidori@beerrize.com

移住から沖縄を代表するビアパブを作り上げるまでを、オーナーの待鳥さんに伺った。

キッカケは旅行、友だちと軽い気持ちでサクッと移住

待鳥さん

沖縄にきて初めの1ヶ月は海のそばに車を泊めて寝泊まりをしていました。朝日の暑さで目覚めて、海で体を流して、少し読書をしたら家を探しにいくっていう、夢のような過ごし方でしたね(笑)。

待鳥さんは、旅行で訪れたことがきっかけで大好きな沖縄への移住を決めたのだそう。2年くらい住んでようかという軽い気持ちで、フェリーに車と親友を乗せて何の準備もなしの弾丸移住。海、外国的な雰囲気、人の温かさという沖縄のライフスタイルにハマり、「好きな土地で自分のお店を開く」と決意し永住を決めた。

待鳥さん

沖縄には人の温かさがある。沖縄の人は世話好きで、心から『大丈夫?』って言ってくれることが住みやすい理由のひとつかもしれない。お金ではない裕福さでしたよね。

沖縄に移り住むためにフェリーに乗っている時からすでに人との出会いに恵まれたのが印象的なのだそう。住む家どころか、今日寝るための宿すら確保せずに九州から沖縄に渡ってきたということを、フェリーで知り合った人に話すと沖縄在住の友人を紹介してくれて、そこに一週間ほど滞在させてもらい沖縄の人の温かさに驚いたとのこと。

それからも何度も助けてもらい、何度力を貸してもらったか分からないこの地に、恩返しをしたいという思いでチャレンジを続ける。

沖縄で最初のキャリアは米軍基地内でのバーテンダーから

もともと移住前からバーテンダーをやっていたため、沖縄に行くなら違う環境でバーテンダーをやりたいと決めていたこともあり、米軍基地内でバーテンダーとして働くことに。英語も話せなければ、もちろん沖縄や基地の環境についてはほとんど無知ながら、「とりあえずチャレンジできるなら!」と、基地内での仕事を決めた。

待鳥さん

そこにはグローバルスタンダードがあった。カクテルメイクは、正直日本人の方が上手いです。でも、システムやオペレーションが違うし、バーテンダーとしてのスタイルも違います。

これまでバーテンダーとして『当たり前』だと思っていたことを疑うようになり、堅い頭を柔らかくしてくれた。あの時チャレンジしていなかったら、俺はただのバーテンダーで終わっていたと思うんです。今は、経営者としてもその経験が活きていますよ。

外国人やその文化に囲まれて暮らせる環境、そしてチャレンジできる環境が、沖縄に定住することを決めた大きな理由の一つと言える。

自分の「好き」を詰め込んだ夢のようなビアパブ

待鳥さん

感動した。美味すぎる。あの一杯は、ビールってただぐびぐび飲むものじゃないと気づかせてくれました。

クラフトビールのお店を開こうと思ったきっかけは、Beer Rizeと同じ北谷町で営む「I’s Public Ale House」で飲んだ、一杯のクラフトビール。これまで「地ビール」や「クラフトビール」と呼ばれるものを飲んだことはあったけれど、徹底管理された全国で名だたるビールの美味しさは全くの別物。

待鳥さん

バーテンダーであるからには何かのお酒に長けていなければいけない。どんなお酒でもいいけれど、俺はクラフトビールを追求してやろうと思ったんです。

その感動の一杯は、バーテンダーとしての待鳥さんをクラフトビールの道へと進ませた。その後、北谷にお店兼自宅を購入し、念願の自分のお店を始めることを決意。

待鳥さん

沖縄が大好きだから、この地に根ざしたものが作りたかった。お店の前を散歩している人がフラーっと入ってこれるようなパブ。この北谷というエリアのそんな店があったら喜んでくれるだろうなと、このお店を開きました。そして、やるならもちろんクラフトビールだろうと。

待鳥さん

『BeerRize』というのもドイツ語で”ビール紀行”という意味の”Bier Reise”からとったもので、地物を楽しんでほしいという意味を込めています。そんな思いから、うちでは日本の最高のビールしか基本的に入れていないし、地物のお食事を用意しています。

あくまで、地域に根ざしつつというのがBeer Rizeのスタイル。

待鳥さん

うちに入れているビールは、ブレがないビール。ビールは、醸造するタイミングの環境によって味が変わりやすいもの。でも、毎回飲んだ味が変わっているとお客さんは困惑してしまいます。

だから、飲み手に最高のビールをお届けすることが使命の僕らはブレないビールだけを提供する責任があります。仕入れるたびに自分で飲んでみて、毎回の味を厳しく見極めるようにしています。ブレがあったとしたら、入れないこともありますよ。

妥協せずにしっかりと選んで、全てオーナーの好きなものだけを提供する。こんなにオーナーの趣味が反映されているお店は他にはないんじゃないかと、待鳥さんは苦笑いを浮かべる。

2.沖縄で飲食店を経営することについて

多くの移住者が沖縄で飲食店を持ってみたいと思っているはず。しかし、何も知らない土地で新しいことにチャレンジするのは誰だって怖いもの。そこで、沖縄で飲食店を営む楽しさと、新しいことに挑む際の環境について伺った。

飲食でチャレンジするなら沖縄しかない。

待鳥さん

沖縄で飲食店を経営するのは、県外よりも絶対に楽しい。今の沖縄は一番自由で、レベルも高くて、しかもチャレンジを受け入れてくれる人が多い。俺は今の沖縄の食文化は最高だと思います。飲食店をやるなら、沖縄で好きなことをやった方がいい。尖ったやつを受け入れてくれますからね。

インタビューの中で、これまでの数々の挑戦や驚くほどのこだわりを、まるで子供のように楽しそうに話す待鳥さんを見ると、誰にだってワクワクや情熱が伝わる。

待鳥さん

去年の社員旅行の最終日に「ナイトロコールドブリュー」という淹れ方のコーヒーを飲んで、うちでもやってみようってなって。

沖縄はコーヒー文化が熱くて、サードウェーブ系のすごくいいコーヒー屋さんがいっぱいあって。そんなお店も一緒にイベントに出てて。これ、俺らが沖縄でやったらもっと美味しくできるんじゃないかって思いました。で、ここからが早かったです。

飲んでいるその場でコーヒーに詳しい人に連絡して、「今日の夜飲みませんか?」って呼び出して、飛行機降りたらすぐに会いました(笑)。 するとすぐにプロジェクトのキーマンにつながってすぐに始められた。しかも、その人はコーヒーの焙煎技術の日本一になった人で、レベルもお墨付きで。出来上がったものは狙い通り、すごく美味しいものが出来ましたよ。

このスピード感とレベルの高さは、沖縄ならではのものと語る。レベルと志の高いものどうし集ってイベントや勉強会をすることも多いそうで、それが実現できるのも尖ったアイデアを受けれる環境のおかげだろう。レベルの高さがつながりを作り、つながりがさらに高いレベルを生み出すような、正のサイクルが沖縄にはあるようだ。

待鳥さん

本土から沖縄へ視察しにくる人も結構多いんだけど、みんな落胆して帰っていく。あ、これは本土では出来ないなって感じで。もちろんBeer Rizeも沖縄だからできるし、できているのが不思議なくらいです。

こんなに趣味を入れ込んだかっこいいお店っていうのは、内地でやろうとしたら、まず金銭的に無理。場所の値段もそうだし、食材も。需要と供給が合わないんです。本土の方が人口は多いけど、やっぱり妥協するところと、趣味を入れるところのバランスを考えないと経営できないですから。

場所や食材の安さや、来てくれるお客さんのレベルなどを考えると、沖縄で飲食店をやるにはメリットが多い。

待鳥さん

そんな趣味みたいなことを入れ込んでるっていうのは、やっぱり飲食店を目指しているオーナーさんの理想や夢。だから沖縄でやった方がいい。夢を形にできるっていうのが素晴らしいと思います。

3.走り出した沖縄のクラフトビール業界

待鳥さん

すごいことに沖縄はクラフトビールを作るブルワリーが8つもあります。まだまだ沖縄のクラフトビール業界は始まったばかりだけど、県外のブルワリーさんと交流して学ぶ機会を作れているし、学ぶ意欲もあるんです。

こんな風にオープンに学び合うというのは、日本のクラフトビール業界の素晴らしい文化なんですけど、沖縄でもしっかりと浸透している。これだけをみても、今後レベルが上がっていくことは見えていますよね。

沖縄のクラフトビール市場はまだまだ駆け出しの段階なのだそう。それでもしっかりと味わいや製法を磨き上げる姿勢は、沖縄の飲食業界と同様に正のサイクルが生まれてくるだろう。飲み手の環境に関してはこのように語る。

待鳥さん

うちみたいなお店が、クラフトビールはただ高いビールということではなく、多様性のあるビールだというイメージを作っていく必要があるんです。ただただ美味しいビールを出すんではなくて、美味しくて当たり前だけれどもその値段をどれだけ下げられるのかとか、食事と合わせてクラフトビールの味わいを上げられるかとか。

クラフトビールだけでなく何かキーワードが必要。クラフトビールだけじゃなくて、それと食事と合わせる文化を作っていくこととか。そういったものがあるとブームって起こりやすくて。流れを作ってとにかく多くの人に飲んでもらって、クラフトビールとただのビールを分けて認識してもらえる状況を作りたいです。

まだまだ沖縄ではクラフトビールが一般に浸透しているとは言えないのが正直なところ。飲み手とブルワリーを繋ぐ役割を持つ待鳥さんは、クラフトビールを楽しむハードルを下げることで、クラフトビールを一般化することに挑戦している。

4.世界レベルのビールイベントとビールサーバー

Okinawa OctoberfestのFacebookページより

Beer Rizeについては、沖縄最大級のビールイベント「OKINAWA OCTOBERFEST」と世界初のキャンピングカーを改装したビールサーバー「BEER RIZE 2ND AVE」を抜きには語れない。

オリジナリティ溢れる挑戦には、どのような思いがあるだろうか。

世界一笑顔が溢れるビールイベントを

Okinawa OctoberfestのFacebookページより

待鳥さん

俺は内地も含めて色々なビールイベントに行くし、そこで飲むのですが。ちょっと嫌なものがあって。クラフトビールファンはコアな人が多くて、ソムリエさんのようにみんながビールの香りを嗅いで飲んでいるんです。

確かにその飲み方も間違いではないし、その人たちの評価も素晴らしい。でも、そのビールってクイっと飲んだほうが美味しいんじゃないかな?とか思っちゃうんですよ。難しい顔して評価しながら飲んでいるような人たちがえらくて、何も知らないって人には、道が閉ざされているような感じが少ししますよね。

ワインやクラフトビールなど、ちょっと敷居が高いように思えるお酒は、多くの人にとっては入りづらい世界なのかもしれない。ましてや普通のビールと比較されやすく、それより値段の高いクラフトビールは「上流階級のもの」というイメージを持たれやすいだろうし、確実にハードルとして存在していることは否めない。

待鳥さん

それを変えたかった。ビールはもっと楽しくあるべきだと思いますから。海外とかは特にそうですが、クラフトビールが美味しいビールというのは当たり前で、それをみんな笑顔でガンガン飲んでいます。

香りを嗅いで評価をする人なんてあまり見かけないですよ。俺は、『ビールはそれでしょ!』って思います。だから『日本一笑顔の絶えないビールフェストをやってやる』って思って、それがオクトーバーフェスト。

OKINAWA OCTOBERFEST」は、沖縄中、日本中、さらには海外からも優秀なブルワリーを集めて行われる、紛れも無く ”クラフトビールのイベント”であるが、そこによく言われるようなハードルは感じられない。

待鳥さん

「OKINAWA OCTOBERFESTは、人種も関係なく、みんなが相席で横の人と笑顔で乾杯しながらぐびぐび飲んで、美味しい食事を味わってっていうのをやってもらいたいです。難しいことは抜きで『笑顔で乾杯する』っていうのがOKINAWA OCTOBERFESTのテーマですね。

色々な国籍の人が集まる環境が好きと語る待鳥さんらしい考え方なのかもしれない。多国籍な人々が住む沖縄でこそふさわしい、最高のビールイベントの仕掛け人の頭の中は、「ビールで人を笑顔にすること」でいっぱいだ。もちろんクラフトビールを多くの人に伝えるバーテンダーとしての役割も忘れない。

待鳥さん

オクトーバーフェストは、食事と大手ビールメーカー、クラフトビールのブルワリーを合わせて出店してもらっていて、まさにクラフトビールの枕役のイベントだと思ってもらえると嬉しいです。

クラフトビールと食事のマリアージュだったりとか、ぬるくなっても美味しいクラフトビールの味わいを体験してもらってファンが増える、そんな火付け役になればいいなと思っています。

5.ビールイベントがキッカケで移住を決意

Beer Rizeのスタッフで、OKINAWA OCTOBERFESTの実行委員の一員でもある千葉勇希さん。沖縄移住を決めたきっかけは、たまたまボランティアスタッフとして参加したOKINAWA OCTOBERFESTだったのだそう。

千葉さん

沖縄に移住する前は大阪で働いていて、そこで10月に長期休暇をもらえまして。クラフトビールやビールイベントが好きだったから、この機会に参加できるイベントを探していたらOKINAWA OCTOBERFESTを見つけてボランティアとして参加しました。

あくまで趣味として参加したビールイベントに人生を変えられるとは思いもしなかっただろう。

千葉さん

外国人の参加者の割合もすごくて独特だし、出してるビールのラインナップとか、フードベンダーが県外に比べてレベルが高いし、みんな全力で好きなことをやっていて。そのクオリティが高いおかげか、イベントとしての完成度も高かったです。

それで驚いて、どんな会社がやっているんだろうって気になって打ち上げ行ったら、『このビアパブのオーナーさんがやっているんだよ』っていうことを知りました。まだまだ連休があったから、待鳥さんと一緒に飲んだりして、沖縄のクラフトビール業界は面白いことをやっているし、自分もクラフトビールに特化していきたいと思って移住を決めたんです。

そんな勢いで決めた移住だが、沖縄のライフスタイルが想像以上に良かったという。

 

千葉さん

はじめの頃、給与とかを調べてみると本土と比べてすごく低いと感じました。やっていけるのかなと少し不安になったけど、暮らしみるとお金がかからないんです。生活も遊びも。

給与は大阪で働いていた時の方が良かったけど、あの頃感じていた虚しさが無くなって、前よりも充実しているなと感じます。ランニングをしていても、すれ違う外国人のランナーが笑顔で合図をしてくれたり、知り合いとの物理的な距離が近いからか、ご飯に行っても知り合いに会うことが多くて。なんか温かいですよね。

よく言われることではあるが、沖縄は経済的に豊かとは言えない。しかし、生活の中での豊かさというのは、人によっては本土のそれ以上に感じるのだろう。

元気と笑顔を届けるビールサーバー

オーナー自身の好きとこだわりを詰め込んだBeer Rizeの2号店は、驚くことにエアーストリームというキャンピングカー。正確にはキャンピングカーを冷蔵車にして、丸ごと移動式の大きなビールサーバーとしている世界初の試み「BEER RIZE 2ND AVE」だ。

2号店を出したいなと思った時に考えたのが移動式の店舗にしたいということ。それに合わせて色々とアイデアを練って、こだわりを詰め込む形で「BEER RIZE 2ND AVE」が生まれた。

待鳥さん

どんなものでビールサーブされたら一番いいかなと考える中で、あのシルバーの光り輝くエアーストリームが一番いいなと思ったんです。

冷蔵車にするという手もあったけれど、実際に店舗として動くことを想像すると、これからビールがサーブされるなんてこんなに楽しいことはないだろうっていう。あの銀色からビールがサーブされるイメージがすごく良くて。

待鳥さん

『そんなのついてるの?』、『10タップものめるの?』、『こんなビールも繋いでるの?』っていう驚いた反響がお客さんから出たのが嬉しかったです。

待鳥さんの思惑通り、驚くほどの反響があった。おそらくBEER RIZE 2ND AVEを見るすべてのひとがこんなサーバーを見たことはない。

お客さんより予想以上の反響だったのは、スタッフだった。

待鳥さん

2ND AVEで働くスタッフがみんな笑顔なんですよ。その時に辛いことやきついことがあったりしても、前日も遅くまで働いて翌日早かったりしても、2ND AVEで営業し始めると、みんなが生き生きとしているんです。

そこで働く喜びを持ってくれているようで、それがやっぱり一番嬉しかったです。それくらいのものを作れたんだっていう。作るためのお金はかかって当たり前なんだけど、それを今後きちんと使っていくっていうためにも、働いてくれる人が有意義にやってくれるのが一番嬉しいですね。

Beer RizeのFacebookページより

こだわりや好きを詰め込まれているという点、最高品質のクラフトビールを提供するという点ではBeer Rizeと同じだが、BEER RIZE 2ND AVEの役割は真逆だった。

待鳥さん

Beer Rizeは日本のビールをお出ししてますが、2ND AVEでは優れた日本と世界のビールの両方をブルックリンスタイルで提供するスタイルです。そして、僕らはBeer Rizeの店舗だと待つことしかできないですが、セカンドアベニューは攻めることができるんです。

人がいるところにあの奇抜なデザインで入り込んで、でも中身はBeer Rizeと変わらない最高の管理で美味しい日本と世界のクラフトビールを提供するっていうのが2ND AVEのやり方です。まだクラフトビールを飲んだことない人に、見た目の奇抜さから興味を持ってもらって、クラフトビールを飲んでもらって、興味を持ってもらう。それができれば2ND AVEの役割が果たせますからね。

実際にBEER RIZE 2ND AVEが出店する場所は多様で、及びがかかればどこにでも最高のクラフトビールの魅力を届けるキャラバンとなる。

6.沖縄のクラフトビール業界を10年早めてやる!

沖縄のクラフトビールを牽引する存在と言っても過言ではないBeer Rize。北谷の決して大きいわけではないその店舗から生み出される、大きなインパクトについて迫る。

沖縄ビール業界におけるパイオニアとしての立ち位置

待鳥さん

俺らは『クラフトビール業界のパイオニア』になろうと決めています。だからこそのBEER RIZE 2ND AVEという移動式の店舗があるんです。色々沖縄で好きなことや挑戦をしていくなかで分かってきたのが、『パイオニア』という立ち位置でもあるんです。

OKINAWA OCTOBERFESTを開催したり、BEER RIZE 2ND AVEという移動式の店舗でクラフトビールを売り歩いたことで見えてきた自分たちの役割。

待鳥さん

お店や自分の目標は、『沖縄のクラフトビール業界を10年早めてやろう』っていうも。そのためにするべきなのは、イベントやメディアで表に出ること。学者みたいにビールを作るとか、ビールを評価するということは、あまり俺には向いていないと思いました。

あくまで自分の中で感じることですが、沖縄のクラフトビール業界は、海外の人は飲むかもしれないけど、日本人にはそれほど飲まれていないという認識があります。

それなら、俺はもっと広げることをやっていきたい。それで、オクトーバーフェスのように大きなイベントを作ったり、OKINAWA CRAFT BEER MAPを作ったりと、今までクラフトビールを飲んだことない人に飲んでもらってブルワリーやお店を知ってもらうことに努めます。

簡単なことではないけれど、それくらいの気持ちで、パイオニアになるっていうことを目指しています。

クラフトビールを多くの人に知ってもらい飲んでもらうことで、クラフトビール市場を開拓するパイオニアを目指す。

 

待鳥さん

自分がかつてその一杯に出会ったように、クラフトビールは初めの一杯で感動を起こさなければいけないって思ってます。俺は醸造はしないけれど、バーテンダーとしてブルワリーの本気をお客さんに納得してもらうという責任を持ってやっています。。

値段は高いけど、普通のビールとは別物だっていう。だからこそ、最初の一杯を多くの人にお届けすると同時に、徹底した管理に努めるのもパイオニアとして、バーテンダーとしての仕事だと思っているんです。

初心である「I’s Public Ale House」での体験を今でも忘れない。

沖縄のクラフトビール業界の未来

待鳥さん

例えば、ちょっとプロじみたことになるかもしれませんが、ワインだと「シャルドネが美味しいよね」とか「白はこんな味だよね」とか、みんなが銘柄や専門用語で会話をしますよね。

同じように、クラフトビールがお店に並んで、システムも楽になって、それを飲む人たちが「今日はホワイトエールが飲みたい気分だよね」とか「IPAが飲みたい気分だよね」とか、さらっとクラフトビール用語で種類を言ってくれるとかいう状況を作り出したいんです。

匂いを嗅いで論評を繰り広げるとかでなく、食事やその場を楽しんでいて、自然に笑顔で話してくれるようなかたちで。今はクラフトビールはハードルが高いところにあるけれど、そんなのじゃなくて、当たり前にそれを飲んでくれるっていうのが、沖縄のクラフトビール業界の未来でありたいです。

今はまだ走り出したばかりの沖縄のクラフトビール業界。近づきがたいというハードルを取っ払い、「当たり前」を目指す。ブルワリーにも飲み手にも近い、Beer Rizeのようなお店こそ、その役割を担えるのだろう。沖縄のクラフトビール業界は、チャレンジをしていくことが認められる環境の沖縄の中で、さらなる発展を目指す。

あなたも沖縄の地で、チャレンジをしてみてはいかが?

経済的にも、人のつながりとしても、チャレンジのしやすい環境と言われる沖縄の飲食業界。そして、多くの移住者が一度は考えたことのある仕事だと思います。

・自分のお店を持ちたい
・飲食業をやってみたい
・新しいことにチャレンジしたい

以上の3つを考えている人は、沖縄に移住を検討してみてもいいのかもしれません。もちろん全ての人に言えることでないのは明らかですが、熱い環境で刺激をもらいながら頑張れるはずです!

気になる方は一度沖縄へ足を運んでみることがオススメ!その際はぜひBeer Rizeへも足を運んでここでしか味わえない至極のビールを味わってみてください。僕はもちろんこの取材のあと、たっぷりビールをいただきました…(笑)