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あの日、あの瞬間から思い続けた理想な働き方 宮古島移住2年目だから語りたい 「テレワーク」の本音

きぬ

2019.03.11

みなさんこんにちは! 宮古島在住ライターのきぬです。

去年2月まで東京で働いていて、現在は宮古島に移住し、働き始めて早1年が経ちました。宮古島での環境はとても僕に合っていて、仕事もプライベートも東京にいた頃よりはるかに充実しており、本当にこの1年間あっという間でした!

ちなみに、はじめて宮古島に来たときから言い続けています!

これが宮古島のライフスタイルだ!東京から移住したばかりの僕が語る、沖縄宮古の生活を全力でオススメする理由

僕は、宮古島で仕事すると決めてから移住しましたが、みなさんは沖縄や宮古島移住したいなと考えたときに、「仕事」を心配されることが多いのではないでしょうか。そこで、今回は「宮古島で働く」について、自分の体験談をふまえてお伝えしていこうと思います。

最初に結論から言っておくと、宮古島での働き心地、まじ最高です(笑)。

 

「テレワーク」と出会い、場所に縛られない働き方に憧れて


まずは、僕のこれまでの経歴から。

僕は宮古島に移住するまで、東京のデザイン事務所でグラフィックデザイナーとして働いてきました。

ではどんな仕事だったかというと、ディレクターがクライアントからヒアリングしてきた要望をまとめて、それをもとに僕たちデザイナーが形にしていきます。

とはいえ、ディレクターは外出することが多いですし、指示としては紙にざっと書かれたラフが机に置かれ、デザインチェックや細かい修正指示のやりとりは基本的にメールと電話。印刷会社への入稿データのやりとりもオンライン上で行っていました。

 

だから、当時はほぼ個人作業。会社内の数名でチームを組んで仕事するなら社内コミュニケーションが必要だと思いますが、少人数のデザイン事務所だったので、忙しいときは会社に来ても誰とも会話せずに仕事だけして家に帰ることも。そうなってくると、「この仕事って会社に出社しなくても、家でもどこでもできるのでは!」と感じてきました。

 

あと、デザイナーは専門職と呼ばれていて、作業時間ではなく成果物によって評価されるのが大半。出社しないからといってサボったりはしないですし、エンジニアもそうですよね。

だから、満員電車に乗って朝から疲れて出社し、職場で仕事をする意味って一体どこにあるんだろう、とずっとモヤモヤしていました。そんな気持ちを抱えながらたまたま出会った「宮古島でテレワーク」という働き方

そこからトントン拍子にことは進み、宮古島への移住が決まりました。「宮古島に呼ばれた」といえばかっこいいですが(笑)。振り返ってみても、テレワークで働くことを知ったのは僕の人生を大きく変えるターニングポイントでした。

 

宮古島でITという選択肢

 宮古島に住んでからは、島の仕事事情がわかってきました。主な産業といえば、サトウキビや葉タバコを代表とする農業と、国内有数のリゾート地としてこれからさらなる発展が見込まれる観光業。そしてそれに続く第三の産業として、近年成長を続けているのがIT産業です。

宮古島には大学や専門学校がないため、18歳から島を離れてしまうようで、実際に僕と年齢が近い人と出会うことが少ないです。だから、人口減少と少子高齢化が進行しつつある宮古島で、新たな産業を根付かせることは大切で、UIターンの移住を促し、雇用の創出にも繋げるという試みが進められているんです。

 

テレワークの推進・サテライトオフィス誘致に力を入れる宮古島

美しい海、観光業で盛り上がる宮古島で、なぜIT産業なのか。離島とITは一見無縁そうに思えますが、離島だからこそIT。IT系の仕事といえば、パソコンとネット環境さえあれば場所を選ばず、どこでもすることができます。

宮古島市はそれに注目し、2016年頃からIT系企業や人材の受け入れを強化。「宮古島市サテライトオフィス誘致活動サポート事業」(テレワークの楽園化プロジェクト)として、企業誘致などの活動を積極的に行なってきて、実際に複数のIT系企業がサテライトオフィスを構えるなどの成果が出ています。

 

また、「宮古島市ふるさとテレワーク推進事業」が、総務省の「平成30年度予算ふるさとテレワーク推進事業に係る採択候補先」に選定され、「宮古島ICT交流センター」などのテレワーク環境の整備も進められているようです。

 

働くための「シェアオフィス」「コワーキングスペース」が続々とオープン

宮古島ICT交流センターは、旧下地庁舎の3階を改修しシェアオフィスやコワーキングスペース、イベントスペースとして供用開始予定で、県外の企業を招いて視察ツアーが行われています。

今後、宮古島のテレワークの拠点となることが予想されるほか、市街地にも去年10月から「シェアオフィス&コワーキングスペースMUGI」がオープンして、移住者を含む8つの企業がシェアオフィスに入居しているなど、たくさんのテレワーカーが宮古島で仕事を行なっています

テレワークにはいくつか種類があって、日本テレワーク協会によると自宅で仕事をする「在宅勤務」、顧客先や移動中に仕事をする「モバイルワーク」、シェアオフィスやサテライトオフィスで仕事を行う「サテライトオフィス勤務」の3つに分けられるそう。宮古島ではこうしたテレワークがそれぞれ誘致されていくようです。

 

いざ!宮古島でテレワーク


僕も、まさにこの大きなテレワーク推進の波に乗る形で、宮古島に来ています。平日は会社員としてデザイナーを、土日や仕事後の空いた時間はライターの仕事をしています。

デザイナーとしては沖縄県外にある本社からの仕事を宮古島オフィスで行う「サテライトオフィス勤務」、ライターとしては家や取材先で仕事を行うので「在宅勤務」と「モバイルワーク」をしていることになりますね。

首都圏なら「もう、テレワークをしているよ」という人もいるかもしれないですが…。だとすれば、自宅やコワーキングスペースで行う仕事を、そのまま宮古島に持ってきたら良いだけです! 会議があってもビデオ通話でスムーズに行える時代ですし、海をバックに「今、宮古島から繋いでま〜す」なんて言えば、お客さんウケも狙えます(笑)。

 

光回線化が進み、通信環境も快適

宮古島で働いた経験を持つ人はまだまだ少ないようで、「離島でWi-Fiなんて入るの?」なんて聞かれることも。

安心してください、宮古島では「超高速(光)ブロードバンド環境整備促進事業」が進められていて、市街地の平良や下地、上野地区でも通信環境が整備され、光回線による高速通信が可能です! さらに、2019年に城辺、2020年には伊良部・池間・狩俣と、光回線化は宮古全域に広がる予定なので、通信による問題はほとんどないですね

テレワークでよく利用されるツールはGoogleハングアウトやFacebookのMessanger、Slackなどのチャットツールと、打ち合わせや会議などはGoogleハングアウトのビデオ通話やzoom、Skypeなど。

僕も、仕事で毎日のようにビデオ通話をしていますが、映像や音声もクリアで、まったく距離を感じないですね。wifi環境のあるカフェでも問題なく仕事ができます。

 

宮古島テレワーカーの存在

これまで、宮古島で僕以外にテレワークをしている人とは何度か出会いました。会社の制度として一時的に来ている人や、フリーランスで観光がてら仕事をしに来ている人など。沖縄県外から移住してきたデザイナーやエンジニア、フォトグラファーなどなど、クリエイターも少なからずいます。

でも正直、宮古島に移住したクリエイターはもっといるものだとはじめは思っていました。テレワークはもう珍しくない働き方だと思いますし、こんなにも良い環境で仕事ができるのに、なぜみんな宮古島に来ないのだろうと不思議です。

ここで、僕なりにテレワークのメリットとデメリットをお伝えしようと思います!

 

テレワークのメリット

通勤がない

僕は、これまで自宅からオフィスまでかかっていた往復約2時間の通勤時間がなくなりました。年間でいえば、平日数を245日とすると490時間。今思うと約20日分を無駄にしていたんですよね。東京にいた頃よりも自由に使える時間が増えたのは、とても精神的な余裕となっています。

通勤時間を有効活用して読書や勉強をすることはできますが、電車内より家で作業した方が効率もよく圧倒的に有意義な時間を過ごせます。時間的・精神的・体力的にも良いこと尽くしですね。

 

好きな土地で仕事ができる

テレワークはそもそも場所を選びません。国内だって海外だって、自分の好きなところで仕事ができちゃいます! 東京に住んでいたときは長期休暇のたびに好きな地域へと旅行をしていました。が、宮古島に住んでからは毎週末リゾート地に旅行する気分を味わえるので、旅行欲がだいぶおさまっています。

僕は、夏が好きで夏の晴れた日には意味もなく外に出たくなるような人間で。宮古島は寒くても10℃を下回ることはほとんどなく、寒くて布団から出られないなんてことがないので、目覚めがかなり良いですね。

しかし前職では、せっかく晴れているのに室内にこもってパソコンをカタカタ。なんてもったいない過ごし方なんだろうと思っていました。せめてカフェのテラスで夏を感じながら仕事がしたい…!

実際、パソコンがあればできるし、むしろ捗るし、どうしてやってはいけないのか疑問で仕方ありませんでした。でも今では、毎日海を眺めながら仕事をしています。あ〜最高、宮古島(笑)。

 

テレワークのデメリット

家を出なくなりがち

自宅でも仕事ができてしまうので、家から中々出なくなります。「せっかく宮古島にいるのにもったいない」と思われるかもしれませんが、住んでいれば行きたいときにいつでも海に行けますし、星空を眺めることができます。

「今、行かなくてもいいや」と思ってしまうためか、宮古島にいるからといって積極的に外出することが1年経つと少なくなってきました。外出が減ったせいか、運動不足になって、僕の体重が増える一方です(笑)。

 

コミュニケーション不足になりやすい

テレワークなら当たり前ですが、オンラインでのやりとりがほとんどです。その中でも、沖縄県外のクライアントや自社のメンバーとはチャットツールを使うことが多いのですが…。

文章だけでは細かいニュアンスや感情が伝わりづらいのと、伝えたい内容を相手が伝わりやすいように文章に起こさなければならないのが結構な手間です。

たとえば、隣の席にいる相手に自分が作業している画面を見てもらいながら

「ねぇ、ここはこうしてもらっていい?」

「OK」

オンラインでは、この簡単な確認さえもスムーズに行かないんですよね。

「ここ」や「こう」の表現は、同じ画面を見ていなければ伝わらないですし。「ここ」や「こう」に該当する部分を「何々の案件のデザインに関して、何ページの何項目、見出し下の余白が30pxになってしまっているから50pxに修正してもらっていい?」といった具合に、相手に専門用語と具体性を交えながら文章に直さなければなりません。

相手とのやりとりが一箇所ならいいのですが、複数箇所になればチャットツールでは事足りません。ビデオ通話で画面共有をしながら話せるとはいえ、画面を共有している間は自分自身は映らないので、身振り手振りや表情が伝わらないなどの細かい問題が出てきます。

また、同じ場所で働いていれば、普段の雰囲気で相手がどういう人間なのかは自ずと伝わってきますが、テレワークだとオンライン上での姿しかわからないので相手の状況や感情もわかりませんし、雑談や相談も気軽にできずコミュニケーション不足に陥りやすいです。

リモートワークでの作業自体に不便はないですが、コミュニケーション的な問題点を考えると、同じ場所で働いている方が仕事しやすいのは事実です。

しかし! 宮古島でテレワークでの働き方を初めてもう1年。自分なりの解決策を考え、実践しています!

 

チャットツールでも積極的に雑談する
業務についての話をしつつも、隙を見て雑談をしています。相手にもよりますが、仕事の話の時でもチャットツールでの喋り方や返事などでふざけてみたり。こちらがふざければ大抵相手もふざけ返してくれるものです(笑)。

 

チャットはほとんど使わずビデオ通話をメインにする
ちょっとした確認や相談をビデオ通話でするようにしています。最初はビデオ通話に抵抗がある人もいるかもしれませんが、ビデオで繋いだ方がスムーズだとわかってくれれば、自然と繋いでくれます。相手の都合もあるので毎回とはいかないですが。

 

一度顔を合わせて関係性を作った中でオンラインに移行する
やはり顔を合わせるのが一番早いです(笑)。

「今度宮古島に遊びにおいでよ!」なんて僕から誘っています! 一度会って関係性を作ってしまえば、その後オンラインでもスムーズに仕事ができます。

 

良いところしかない宮古島

 

何度見ても飽きない宮古島の自然

息苦しい都会から離れて、のんびりした宮古島の雰囲気の中で過ごせているせいか、ほとんどストレスがありません。心に余裕が生まれて、自然とポジティブな気持ちになれるのでやる気もどんどんと沸きますし、自分でもわかるほどに生産性も上がっています。

自分が市街地に暮らしていることもあるせいか、宮古島の海や自然に飽きるどころかいまだに海や星を見て感動することも。

美しい自然にすぐに触れられる贅沢は、宮古島に住んでいなければ手に入れることはできません。だから、ときにいつもより早起きして、仕事前に海を漂ってみたり、仕事が終わったら浜辺に行き、沈む夕日を眺めながら物思いにふけったり。仕事で疲れていても、宮古島の自然に触れることですぐにリフレッシュすることができます。

 

クリエイター仲間との出会い

宮古島に来てからというもの、島に住む、訪れるディレクター・デザイナー・イラストレーター・エンジニア・ライター・フォトグラファーなど、クリエイター仲間が猛烈に増えました

縁が縁を呼ぶというか、人と人との繋がりで素敵な出会いやお話をいただけることが多いです。東京だと人が多いからこそ浅い関係になりがちというか。宮古島では、ちょっとした出会いから仕事に繋がったり友達になったりします。沖縄県内のクリエイター人口が東京ほど多くないからこそ、その出会いを大切にするのかも知れません。

仲間と出会い、一緒に遊び、仕事を貰い、逆に自分にできない分野の仕事は頼み、クリエイティブで未来のある話をし、それが刺激になってやる気に繋がり…、とにかくいいことだらけの関係性。

東京にいた頃は「友達」はいたけれど、クリエイター「仲間」が全然いませんでした。信頼し、尊敬できる仲間ができたことが宮古島に来た一番の収穫だと思います。

 

ワーク・ライフ・バランスが最高にとれる島、宮古島


自然あふれる常夏の島、宮古島でテレワークなんて我ながら本当に贅沢なことをしていると思います。

離島だからといって働きづらいと感じたことは一度もないですし、むしろ東京にいた頃よりストレスなく仕事ができています。仕事が充実すればおのずと生活も充実するので毎日とても楽しいですし、宮古島に来てからワーク・ライフ・バランスが最高にとれています。

宮古島という素晴らしい環境に加えて島全体でのテレワーク推進。これはもう宮古島に来ない手はないですね!

フリーランスの方はぜひ一度、実際に宮古島に仕事をしに来てみてください!帰れなくなりますよ!笑

photo by Yuki Chinen