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人の温かさに触れたい人必見!愛と癒しがギュッと詰まった沖縄のイベント「第33回 勝山軽トラ市」に潜入してきた

黒島ゆりえ

2019.12.21

疲れている時は、おいしい食べ物と美しい自然、そして、人の温もりが恋しくなる。そんな要素が全て詰まったイベントがあったら、皆さん行ってみたいと思いませんか。

どうも!新人ライターの黒島ゆりえです。お疲れ気味な心身にアプローチすべく、最近はビタミンCの摂取に勤しんでいます。

ビタミンCといえば…柑橘類!沖縄で有名な柑橘類には、シークヮーサーがありますね。

シークヮーサーを栽培する有名どころの1つに、世界が認める「有限会社 勝山シークヮーサー」があります。

その会社の施設内で、毎月第4日曜日に「勝山軽トラ市」というイベントが開催されていてるのをご存知でしょうか?癒しの要素が詰まり過ぎていて、控えめに言っても最高なのです。

訪れた後には疲労回復、気分爽快!生産者と消費者が笑顔になる憩いの場「勝山軽トラ市」の様子と勝山シークヮーサー誕生の物語を、(なるべく)ギュッと濃縮してお届けします。

勝山軽トラ市の会場に到着!早起きは三文の徳だった

小鳥のさえずりが聞こえてくる、清々しい朝。

イベント会場のある勝山シークヮーサーに到着しました。勝山軽トラ市を攻略するためには、早起きがマストです。なぜなら朝8時30分〜12時まで、3時間半だけの開催だから!

毎月1回この短時間のために、多い時には約20台の軽トラックが、ところ狭しと並びます。このイベントを運営する皆さんの並々ならぬ熱量を、感じずにはいられません。

「新鮮 軽トラ市」と書かれたのぼり。新鮮な軽トラの販売…??

そんな疑問を抱いた人は、野菜のイラストにご注目ください。つまりは「新鮮な野菜を軽トラックに乗せて販売している」ということです。笑

勝山軽トラ市のブログをチェックすると、新鮮な野菜や加工品の販売、体験コーナーetc…と盛りだくさんな内容。すでに期待が高まっています。

約20台のトラックがずらり!北部の農家が集結して野菜を販売

軽トラックに野菜を乗せてやってきた農家さんたちが、穏やかに寛いでいますよ。

お顔立ちが瓜二つな、比嘉兄弟のブースです。黒ニンニク、冬瓜、カーブチーなどを販売し、「どこから来たのー?」と気さくに声をかけてくれました。そして、黒ニンニクの入った発泡スチロールをパカッ。

「甘いぞー。一個食ってけ」

試食を進めてくれました。ごちそうさまです。(食べてばっかりですみません…笑)

こちらは、やまかわ農園の山川夫婦のブース。主に、青パパイヤを販売しています。

毎回、約20〜25個の青パパイヤを持参して、ほぼ完売して帰るそうです。この日もイベント終了1時間前の時点で、ラスト5個という好調の売れ行きでした。

カーブチー、生姜、サツマイモを販売する、渡嘉敷さんのブース。「何の取材ねー?」と興味津々のご様子だったのでお話を伺ってみました。

黒島黒島

いつも何人くらいのお客さんがいらっしゃるんですか?

渡嘉敷さん渡嘉敷
さん

毎月400名くらいは来るよー。

黒島黒島

400名!?午前中だけなのに?凄いですね。軽トラ市に参加するのは楽しいですか?

渡嘉敷さん渡嘉敷
さん

楽しいよ。お客さんとお喋りするのが、一番楽しいさ。最近は中南部からも、お客さんが来るようになったよ。

黒島黒島

おお。このイベントが知れ渡ってきてるんですね。生産者さんとの会話を楽しめるのも、このイベントの醍醐味。(生産者さんとの楽しい会話はプライスレス!)

イベント限定のオリジナルパンや加工品のジャムも販売!

東江親子が笑顔で迎えてた、こちらのブースでは、パンや衣服を販売中。黒島お目当の1つが、このイベント限定でしか買えないシークヮーサーやカーブチーを使用したオリジナルパンです。

地元の老舗パン屋「リンドン」さんにお願いして、勝山軽トラ市のためだけに製造してもらっている「シークヮーサーあんパン」と「カーブチークリームパン」は、各130円(税込)です。

限定の文字にすこぶる弱い私は、もちろん2個とも購入しました。各70個の限定販売なので、会場に到着したら、即購入をおすすめします。

オリジナルのパンに加えて、手作りのジャムもいかがでしょう?

安里農園さんが生産しているフルーツを、自家製のジャムに加工して販売しています。

「食べてばかりだから、ここは一口だけ…」

そんな私にはお構いなしに、どんどん食パンを渡してくる安里さん。ローゼル、マンゴー、グヮバ、パイナップル、レンブの5種類のジャムを、見事に完全制覇しました。笑

「こうして加工することで、付加価値をつけて工夫しているんだよ」

安里さんの言葉に耳を傾けながら試食をしていると、ジャムがより一層美味しく感じる…。恐るべし安里さん。販売上手です。

会社の設立と軽トラ市を始めた経緯を、代表の安村さんにインタビュー

軽トラ市を楽しんでいると、生産者さんと楽しそうに談笑する、代表の安村弘充(ヤスムラヒロミツ)さんの姿を発見!

そこで、有限会社 勝山シークヮーサーの歴史と勝山軽トラ市を始めた理由について伺ってきました。

黒島黒島

農業生産法人(有)勝山シークヮーサーはいつ設立されたんですか?

安村さん安村さん

2003年ですね。

黒島黒島

なぜ会社を立ち上げたんですか?

安村さん安村さん

理念は3つあるんだけど、まず第一に「お客様に沖縄県産の本物のシークヮーサーを届ける」という使命がありますね。

黒島黒島

本物…?つまり、偽物もあるんですか?

安村さん安村さん

ちょうど会社を設立した時期、見た目がシークヮーサーに類似した柑橘類が海外から輸入されて、沖縄にたくさん入ってきたんですよ。それは四季柑(しきかん)という名前だったから、もちろんシークヮーサーとは呼べないんですね。

黒島黒島

なるほど。だからそこは、区別する必要があるんですね。

安村さん安村さん

2つ目に「生産者がシークヮーサーの栽培だけで食べていける地域の基盤づくり」を目指しています。昔はシークヮーサーの価格が安すぎた。1キロあたり大体50~60円でしたからね。

黒島黒島

1キロで!?それは、安すぎますね…。

安村さん安村さん

でしょ。それでは、生産者が農業だけで生活費を確保していけない。そうすると、後継者も出てこない。だからシークヮーサーの価値を上げたかったんです。夢と希望の持てる農業にしたかった。

黒島黒島

そして3つ目の理念は?

安村さん安村さん

消費者を裏切らない。我々が農家として稼いでいくためには、まずは、シークヮーサーという商品を愛してもらわないといけないから、消費者の皆さんに安心して食べてもらえる、おいしいシークヮーサーを届けていきたいんですよね。

黒島黒島

勝山軽トラ市は、2017年から始まったそうですね。なぜ開催しようと思ったんですか?

安村さん安村さん

勝山って地名があまり知られていないから、地域を知ってもらうためにやろうかってね。

黒島黒島

なぜ地域の認知度を上げたいと思ったんですか?

安村さん安村さん

地域を知ってもらうことによって、勝山のシークヮーサーを使った商品を広めていきたいと思ったんです。それを楽しみながらやっていこうと、シークヮーサー生産部会で話し合って決めました。

黒島黒島

仕事は楽しく!ということですね。

安村さん安村さん

あとは、自分たちで作ったものが、目の前で購入されていくのは嬉しいからね。顔を合わせてお客さんと話ができるのはいいよね。

黒島黒島

普段のお仕事では、お客さんと直接関われない分、余計に嬉しいんですね。

ヤギとのふれあい体験に軽トラックの販売まで!?軽トラ市の魅力はまだ続く

なんでもやります、軽トラ市。お客様を喜ばせるためならば、ヤギのふれあいコーナーまで設けちゃいます。柵の中に入って、直にヤギの餌やりを体験できます。しかも、無料です。

ここからは、安村さんのガイド付きで、軽トラ市をお伝えしていきます。

黒島黒島

ヤギは会社で飼育しているんですか?

安村さん安村さん

違う違う。このイベントのために、連れて来てもらっている。

黒島黒島

軽トラックで運ばれてくるってことですか?

安村さん安村さん

そうそう。イベントが終わったら、乗せて帰って行くよ。

黒島黒島

(軽トラ市の気合いを感じる…)

安村さん安村さん

あと、こっちも来てごらん。

安村さん安村さん

ほら。軽トラックも販売しているんだよ。

黒島黒島

本当ですね!まさか軽トラックまで販売しちゃうんなんて。笑

安村さん安村さん

もちろんですよ。だって、軽トラ市ですから。笑

黒島黒島

ちなみに過去に売れたことはあるんですか?(いや、ないだろうな…)

安村さん安村さん

ありますよ。1台売れましたね。

黒島黒島

え、あるんですか!?(これは大変失礼しました…)

【来場者特典】シークヮーサージュースが飲み放題!世界が認めた味を、思う存分ご堪能あれ

無添加無着色の勝山シークヮーサー100%果汁「sea-sun 勝山シークヮーサー」。2011年度から2013年度まで、モンドセレクションの「ビール及び水、ソフトドリンク、ノンアルコール飲料部門」にて、3年連続銀賞を受賞しています。

黒島黒島

勝山シークヮーサーに来場すると、シークヮーサージュースが飲み放題なんですよね?私そろそろ喉が乾いたところで、飲んでもいいですか?

安村さん安村さん

どうぞ、どうぞ。何杯でも飲みなさい。

黒島黒島

このシークヮーサージュースは、モンドセレクションで3年連続銀賞を受賞されているんですよね?

安村さん安村さん

そうです。あとは、世界の味のオリンピックとも言われる、国際味覚審査機構(iTQi)の飲料部門にて、8年連続で最高賞の三ツ星を受賞!

黒島黒島

それは凄いですね!

安村さん安村さん

2018年には、7年連続受賞ということで、ダイアモンド賞も受賞しました。これは世界で30社、国内では9社しか受賞していません。シークヮーサー業界では初です。

黒島黒島

そんな素晴らしい飲み物が、無料で飲み放題だなんて…。優しい…優しすぎる…。

「軽トラ市は親孝行」地域のコミュニティとして成り立っている

「軽トラ市をやっていて、嬉しかったことがあるの」

そう話すのは、安村弘充代表の奥様である利江さん。この軽トラ市への想いを聞かせてくれました。

安村さん利江さん

いつも親子で来るお客さんがいるんだけど、その息子さんが「このイベントのおかげで親孝行できてるんです」って話してくれたの。

黒島黒島

親孝行?どういうことですか?

安村さん利江さん

「お母さんがこのイベントを楽しみにしているから、いつも僕が車を運転して母の足となってここに連れて来ることが、毎月の親孝行なんです」って。

黒島黒島

素敵なお話!それは嬉しいですね。

安村さん利江さん

とっても嬉しかったですよ。あとはイベントの回数を重ねるごとに、各ブースにリピーターがつくようになりました。私たち生産者とお客さまが、互いに会話を楽しむ憩いの場になっていますね。

黒島黒島

このイベントが、地元のコミュニティーとしても、成立しているんですね。

安村さん利江さん

イベントをもっと良くしようと工夫したり、皆で助け合ったり。そういったチームワークが生まれていることも含めて、軽トラ市をやって、本当によかったわ。

あっという間にイベント終了。最後は生産者の皆さん揃って「お疲れ様でした」

正直に言っていいですか…!全てのブースを吟味するなら、3時間半じゃ足りません。お喋りの時間も換算すると、あっという間に時間が経っていました。

「まだあの野菜買ってないのに…!」と後悔しても、時すでに遅し。さすがは、毎月やっているだけのことがあります。最後は運営の皆さんで集まって、お疲れ様のあいさつを交わしていました。

そして、ムダのない撤収の速さよ!圧巻の一言です。

くう〜あっという間に全てが撤収されている。

「遠くからありがとう。また来てねー」

爽やかな笑顔で手を振り、取材班を見送る優しい安村代表。勝山の人たちは、どこまでも優しい人種であることが、証明されました。

勝山軽トラ市というオアシスを見つけた私は、これからもきっと、お世話になることでしょう。笑

疲れなんぞは、何処へやら。心身共に満たされて、爽やかさが増した黒島なのでした。(なぜか仁王立ち…)

【勝山軽トラ市】
開催日時:毎月第4日曜日
時間:8:30〜12:00
場所:(有)勝山シークヮーサー
住所:沖縄県名護市勝山9
駐車場:あり
お問い合わせ:0980-53-8686(担当:安村)
https://plaza.rakuten.co.jp/katsuyamakeitora/

(編集・撮影/OKINAWA GRIT みやねえ