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疲れている時は、おいしい食べ物と美しい自然、そして、人の温もりが恋しくなる。そんな要素が全て詰まったイベントがあったら、皆さん行ってみたいと思いませんか。
どうも!新人ライターの黒島ゆりえです。お疲れ気味な心身にアプローチすべく、最近はビタミンCの摂取に勤しんでいます。
ビタミンCといえば…柑橘類!沖縄で有名な柑橘類には、シークヮーサーがありますね。
シークヮーサーを栽培する有名どころの1つに、世界が認める「有限会社 勝山シークヮーサー」があります。
その会社の施設内で、毎月第4日曜日に「勝山軽トラ市」というイベントが開催されていてるのをご存知でしょうか?癒しの要素が詰まり過ぎていて、控えめに言っても最高なのです。
訪れた後には疲労回復、気分爽快!生産者と消費者が笑顔になる憩いの場「勝山軽トラ市」の様子と勝山シークヮーサー誕生の物語を、(なるべく)ギュッと濃縮してお届けします。
勝山軽トラ市の会場に到着!早起きは三文の徳だった
小鳥のさえずりが聞こえてくる、清々しい朝。
イベント会場のある勝山シークヮーサーに到着しました。勝山軽トラ市を攻略するためには、早起きがマストです。なぜなら朝8時30分〜12時まで、3時間半だけの開催だから!
毎月1回この短時間のために、多い時には約20台の軽トラックが、ところ狭しと並びます。このイベントを運営する皆さんの並々ならぬ熱量を、感じずにはいられません。
「新鮮 軽トラ市」と書かれたのぼり。新鮮な軽トラの販売…??
そんな疑問を抱いた人は、野菜のイラストにご注目ください。つまりは「新鮮な野菜を軽トラックに乗せて販売している」ということです。笑
勝山軽トラ市のブログをチェックすると、新鮮な野菜や加工品の販売、体験コーナーetc…と盛りだくさんな内容。すでに期待が高まっています。
約20台のトラックがずらり!北部の農家が集結して野菜を販売
軽トラックに野菜を乗せてやってきた農家さんたちが、穏やかに寛いでいますよ。
お顔立ちが瓜二つな、比嘉兄弟のブースです。黒ニンニク、冬瓜、カーブチーなどを販売し、「どこから来たのー?」と気さくに声をかけてくれました。そして、黒ニンニクの入った発泡スチロールをパカッ。
「甘いぞー。一個食ってけ」
試食を進めてくれました。ごちそうさまです。(食べてばっかりですみません…笑)
こちらは、やまかわ農園の山川夫婦のブース。主に、青パパイヤを販売しています。
毎回、約20〜25個の青パパイヤを持参して、ほぼ完売して帰るそうです。この日もイベント終了1時間前の時点で、ラスト5個という好調の売れ行きでした。
カーブチー、生姜、サツマイモを販売する、渡嘉敷さんのブース。「何の取材ねー?」と興味津々のご様子だったのでお話を伺ってみました。
いつも何人くらいのお客さんがいらっしゃるんですか?
さん
毎月400名くらいは来るよー。
400名!?午前中だけなのに?凄いですね。軽トラ市に参加するのは楽しいですか?
さん
楽しいよ。お客さんとお喋りするのが、一番楽しいさ。最近は中南部からも、お客さんが来るようになったよ。
おお。このイベントが知れ渡ってきてるんですね。生産者さんとの会話を楽しめるのも、このイベントの醍醐味。(生産者さんとの楽しい会話はプライスレス!)
イベント限定のオリジナルパンや加工品のジャムも販売!
東江親子が笑顔で迎えてた、こちらのブースでは、パンや衣服を販売中。黒島お目当の1つが、このイベント限定でしか買えないシークヮーサーやカーブチーを使用したオリジナルパンです。
地元の老舗パン屋「リンドン」さんにお願いして、勝山軽トラ市のためだけに製造してもらっている「シークヮーサーあんパン」と「カーブチークリームパン」は、各130円(税込)です。
限定の文字にすこぶる弱い私は、もちろん2個とも購入しました。各70個の限定販売なので、会場に到着したら、即購入をおすすめします。
オリジナルのパンに加えて、手作りのジャムもいかがでしょう?
安里農園さんが生産しているフルーツを、自家製のジャムに加工して販売しています。
「食べてばかりだから、ここは一口だけ…」
そんな私にはお構いなしに、どんどん食パンを渡してくる安里さん。ローゼル、マンゴー、グヮバ、パイナップル、レンブの5種類のジャムを、見事に完全制覇しました。笑
「こうして加工することで、付加価値をつけて工夫しているんだよ」
安里さんの言葉に耳を傾けながら試食をしていると、ジャムがより一層美味しく感じる…。恐るべし安里さん。販売上手です。
会社の設立と軽トラ市を始めた経緯を、代表の安村さんにインタビュー
軽トラ市を楽しんでいると、生産者さんと楽しそうに談笑する、代表の安村弘充(ヤスムラヒロミツ)さんの姿を発見!
そこで、有限会社 勝山シークヮーサーの歴史と勝山軽トラ市を始めた理由について伺ってきました。
農業生産法人(有)勝山シークヮーサーはいつ設立されたんですか?
2003年ですね。
なぜ会社を立ち上げたんですか?
理念は3つあるんだけど、まず第一に「お客様に沖縄県産の本物のシークヮーサーを届ける」という使命がありますね。
本物…?つまり、偽物もあるんですか?
ちょうど会社を設立した時期、見た目がシークヮーサーに類似した柑橘類が海外から輸入されて、沖縄にたくさん入ってきたんですよ。それは四季柑(しきかん)という名前だったから、もちろんシークヮーサーとは呼べないんですね。
なるほど。だからそこは、区別する必要があるんですね。
2つ目に「生産者がシークヮーサーの栽培だけで食べていける地域の基盤づくり」を目指しています。昔はシークヮーサーの価格が安すぎた。1キロあたり大体50~60円でしたからね。
1キロで!?それは、安すぎますね…。
でしょ。それでは、生産者が農業だけで生活費を確保していけない。そうすると、後継者も出てこない。だからシークヮーサーの価値を上げたかったんです。夢と希望の持てる農業にしたかった。
そして3つ目の理念は?
消費者を裏切らない。我々が農家として稼いでいくためには、まずは、シークヮーサーという商品を愛してもらわないといけないから、消費者の皆さんに安心して食べてもらえる、おいしいシークヮーサーを届けていきたいんですよね。
勝山軽トラ市は、2017年から始まったそうですね。なぜ開催しようと思ったんですか?
勝山って地名があまり知られていないから、地域を知ってもらうためにやろうかってね。
なぜ地域の認知度を上げたいと思ったんですか?
地域を知ってもらうことによって、勝山のシークヮーサーを使った商品を広めていきたいと思ったんです。それを楽しみながらやっていこうと、シークヮーサー生産部会で話し合って決めました。
仕事は楽しく!ということですね。
あとは、自分たちで作ったものが、目の前で購入されていくのは嬉しいからね。顔を合わせてお客さんと話ができるのはいいよね。
普段のお仕事では、お客さんと直接関われない分、余計に嬉しいんですね。
ヤギとのふれあい体験に軽トラックの販売まで!?軽トラ市の魅力はまだ続く
なんでもやります、軽トラ市。お客様を喜ばせるためならば、ヤギのふれあいコーナーまで設けちゃいます。柵の中に入って、直にヤギの餌やりを体験できます。しかも、無料です。
ここからは、安村さんのガイド付きで、軽トラ市をお伝えしていきます。
ヤギは会社で飼育しているんですか?
違う違う。このイベントのために、連れて来てもらっている。
軽トラックで運ばれてくるってことですか?
そうそう。イベントが終わったら、乗せて帰って行くよ。
(軽トラ市の気合いを感じる…)
あと、こっちも来てごらん。
ほら。軽トラックも販売しているんだよ。
本当ですね!まさか軽トラックまで販売しちゃうんなんて。笑
もちろんですよ。だって、軽トラ市ですから。笑
ちなみに過去に売れたことはあるんですか?(いや、ないだろうな…)
ありますよ。1台売れましたね。
え、あるんですか!?(これは大変失礼しました…)
【来場者特典】シークヮーサージュースが飲み放題!世界が認めた味を、思う存分ご堪能あれ
無添加無着色の勝山シークヮーサー100%果汁「sea-sun 勝山シークヮーサー」。2011年度から2013年度まで、モンドセレクションの「ビール及び水、ソフトドリンク、ノンアルコール飲料部門」にて、3年連続銀賞を受賞しています。
勝山シークヮーサーに来場すると、シークヮーサージュースが飲み放題なんですよね?私そろそろ喉が乾いたところで、飲んでもいいですか?
どうぞ、どうぞ。何杯でも飲みなさい。
このシークヮーサージュースは、モンドセレクションで3年連続銀賞を受賞されているんですよね?
そうです。あとは、世界の味のオリンピックとも言われる、国際味覚審査機構(iTQi)の飲料部門にて、8年連続で最高賞の三ツ星を受賞!
それは凄いですね!
2018年には、7年連続受賞ということで、ダイアモンド賞も受賞しました。これは世界で30社、国内では9社しか受賞していません。シークヮーサー業界では初です。
そんな素晴らしい飲み物が、無料で飲み放題だなんて…。優しい…優しすぎる…。
「軽トラ市は親孝行」地域のコミュニティとして成り立っている
「軽トラ市をやっていて、嬉しかったことがあるの」
そう話すのは、安村弘充代表の奥様である利江さん。この軽トラ市への想いを聞かせてくれました。
いつも親子で来るお客さんがいるんだけど、その息子さんが「このイベントのおかげで親孝行できてるんです」って話してくれたの。
親孝行?どういうことですか?
「お母さんがこのイベントを楽しみにしているから、いつも僕が車を運転して母の足となってここに連れて来ることが、毎月の親孝行なんです」って。
素敵なお話!それは嬉しいですね。
とっても嬉しかったですよ。あとはイベントの回数を重ねるごとに、各ブースにリピーターがつくようになりました。私たち生産者とお客さまが、互いに会話を楽しむ憩いの場になっていますね。
このイベントが、地元のコミュニティーとしても、成立しているんですね。
イベントをもっと良くしようと工夫したり、皆で助け合ったり。そういったチームワークが生まれていることも含めて、軽トラ市をやって、本当によかったわ。
あっという間にイベント終了。最後は生産者の皆さん揃って「お疲れ様でした」
正直に言っていいですか…!全てのブースを吟味するなら、3時間半じゃ足りません。お喋りの時間も換算すると、あっという間に時間が経っていました。
「まだあの野菜買ってないのに…!」と後悔しても、時すでに遅し。さすがは、毎月やっているだけのことがあります。最後は運営の皆さんで集まって、お疲れ様のあいさつを交わしていました。
そして、ムダのない撤収の速さよ!圧巻の一言です。
くう〜あっという間に全てが撤収されている。
「遠くからありがとう。また来てねー」
爽やかな笑顔で手を振り、取材班を見送る優しい安村代表。勝山の人たちは、どこまでも優しい人種であることが、証明されました。
勝山軽トラ市というオアシスを見つけた私は、これからもきっと、お世話になることでしょう。笑
疲れなんぞは、何処へやら。心身共に満たされて、爽やかさが増した黒島なのでした。(なぜか仁王立ち…)
開催日時:毎月第4日曜日
時間:8:30〜12:00
場所:(有)勝山シークヮーサー
住所:沖縄県名護市勝山9
駐車場:あり
お問い合わせ:0980-53-8686(担当:安村)
https://plaza.rakuten.co.jp/katsuyamakeitora/
(編集・撮影/OKINAWA GRIT みやねえ )