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こんにちは、ライターの水澤です。本日は、独立行政法人国立病院機構「琉球病院」に来ています。
本日は、お医者さんに取材するということで、メガネにかりゆし。
「今日も、いい仕事をして、晩酌の一杯を楽しむぞ」
このときは、そう思っていました。
みなさんも、ググッと一杯、飲みたいときはありませんか?
ストレス社会に生きている私たちは、飲みの席で腹を割って話せる上司や友達に悩みを吐き出したい!
だって、お酒を飲めば、「無礼講」と許してくれるから。
でも、
その飲み方は、本当に大丈夫なの?
琉球病院の大鶴卓副院長(左)と栗原雄大医師(右)
沖縄県の飲酒状況について警鐘を鳴らすのは、琉球病院でアルコール依存症の治療に携わる大鶴副院長と栗原医師のお二人です。
琉球病院では、県内に2ヶ所しかないアルコール依存症患者のための専門病棟があり、アルコール依存の評価や「HAPPYプログラム」という早期介入を行っています。
大きな病に直面する前に知っておきたい。「飲んだら、飲まれるな!」、アルコールとの付き合い方を先生と一緒に考えていきます。
今回は、「健康おきなわ21」のPRとしてお届けします。
「健康おきなわ21」とは、沖縄県民の健康づくりを推進するために、「早世の予防」、「健康寿命の延伸」、「生活の質の向上」を目的に、行動計画を立てています。つまり、日本一の健康長寿県を復活させようと県として動いています。
健康おきなわ21が提供する「節酒カレンダーアプリ」では、無料で毎日の飲酒をカンタンに記憶し、飲酒状況を管理ができます。
とくに、お酒の付き合い方について、フォーカスしていきたいと思います。
沖縄では、「若者のお酒離れ」が進んでいない? 全国で最も「肝疾患」の死亡率が高いワケ
本日は、よろしくお願いします。私事で恐縮なのですが、父親から「お酒を一緒に飲めないやつは、信用できない」と耳にたこができるぐらい聞き、育ってきたもので。お酒の飲み過ぎはよくないとわかっているものの……、飲み過ぎたら、どうなるのでしょうか。
そうですね。どうして飲みすぎるのがよくないか、お話ししましょう。まず、飲酒がもたらす病気に関して、大きく「身体」と「心」の2つがあります。
例えば、身体の病気として、肝臓、膵臓、臓器障害、高血圧、糖尿病、生活習慣病、がん、脳卒中、あと急性アルコール中毒、外傷、胎児性アルコール症候群(FAS)などが挙げられます。心の病気は、アルコール依存、睡眠障害、鬱など、頭のてっぺんから足の先まで病気を引き起こすといわれています。
ゾッとしました。でも、若者はそもそも「お酒離れ」が進んでいると聞いたことがあって、世代によって違うかな、と。
沖縄では、そうとも限りません。沖縄県は、若年層における肝疾患(肝臓の病気)の死亡率は、全国ワースト1です。しかも、全国平均の数値は下がっているものの、沖縄の男性は上がり続けています。
肝疾患として多いのは、基本的に「B型肝炎ウィルス」と「C型肝炎ウィルス」。一方で、沖縄ではアルコール性肝疾患が多い。つまり、ウィルスの治療が進んだとしても、沖縄ではアルコールが土台になっているため、件数が増え続けているんです。
琉球大学付属病院の2008年の調査結果によると、日本全体の肝疾患は、B型肝炎ウィルス(13.9パーセント)とC型肝炎ウィルス(60.9パーセント)で、肝疾患の7割近くを占めますが、沖縄だとアルコールが40.9パーセントもあるんです。
お話を聞けば聞くほど、まずいと思うのは私だけでしょうか。
全国とは違う、お酒の問題が沖縄にはあることを知ってほしいです。
「あの日は、飲み過ぎたからしょうがない」 言い訳からはじまる、依存の怖さ
うーん、「タバコ=体に悪い」は誰でも知っていますが、「お酒=体に悪い」についてはあまり認知されていないように感じます。
アルコール依存の方は、自分がそうであることに自覚がありません。もしくは、自分がそうであると認めようとしないんです。
そうそう。「あの日は、たまたま泡盛を飲みすぎたから」と言い訳してしまったり。
その言い訳、お酒好きにはあるあるじゃないですか。
アルコール依存症の典型的な症状は、まず認めたくない。そして、気づいているのに言い訳をしてしまう。これは、病気の基準にもなっています。
確かに、飲みすぎた翌日は、「まあ、付き合いだったし」と正当化していました。
お酒をきっかけに、病気になったり、事件や事故を起こしたりして、このままでは日常生活を送れない。そこで、やっと病院に行き、はじめてアルコール依存症であることに気づきます。実際は、ほとんどは気づかないし、認める方もごくごく一部なんです。
しかも、周りにもどう説明すればいいのか……。ここまでひどくなると、社会的にも影響がありそうですね。
沖縄は、とくに飲酒運転の検挙件数が減らないんですよね。
なんでですか? 歩道橋に、でかでかと「飲酒運転の撲滅」の旗を掲げているから、0に近づいていないんですか?
若干、増えています。「沖縄タイムス」によると、2015年度の飲酒運転検挙件数は、沖縄県は15年連続でナンバーワン。しかも、平均値ではなく、実数として1位、由々しき状態なんです。
東京や大阪に比べて、人口は10分の1程度なのにね。
ここまで、とは。
2005年に、日本中で飲酒運転の厳罰化を強めたことで、検挙数が減ったものの、一定数が残っています。普通の人なら、お酒を飲んでも代行があるし、飲酒運転まではしないですけど。検挙者のなかには、繰り返している人もいる。結果として、全国平均の3倍ほどあるんです。
なぜ、やめられないのでしょうか。
アルコールは、他の依存性薬物の中で、「精神依存」や「耐性(量が増えること)」以外にも、「身体依存」があり、侮れないんです。覚せい剤や、大麻型には身体依存はないと言われているのですが、アルコールにはあることを覚えていてくださいね。
お酒の適正量は、たったのビール中ビン1本!? アルコールから身体を守るために知っておきたいこと
このあと、「晩酌でお酒を飲みたい!」と思っていました。すみません、すみません。
落ち着いてください。対策はいろいろあって、お酒の量を飲み過ぎないことです。
量?
適正な飲酒量として、純アルコール量は男性20g、女性10gです。これは、ビール中ビン1本(500ml)、泡盛だと0.5合といわれています。
*ワインや焼酎など、他のお酒については健康おきなわ21をご覧ください。
えっ!? 乾杯の一杯目で、もう終わりじゃないですか?
本当です。あと、すぐに顔が赤くなる方は、お酒に弱い体質なので、もっと少ない量にしてください。日本人の遺伝子を分析したところ、「お酒が強い人」は53パーセントしかいなくて。残りは、「お酒が弱い人」が43パーセント、「お酒が全く飲めない人」が4パーセント。要するに、アルコールを分解できない人の割合は、分解しやすい人と比べて、半々ぐらいなんです。
なるほど。でも、お酒を飲む前に、「ウコン」を飲めば大丈夫でしょうか?
ウコンは、アルコールを分解する酵素を補助する働きがありますが……。
少しはマシになるかもしれませんが、これらを飲めば大丈夫というわけではない。
「ウコンを飲めば、たくさんお酒を飲めるぞ」と思って、生きてきました。
あくまでも、ウコンは補助する働きで、サプリメントみたいなものだと考えてもらえれば。サプリメントだけで、食事が満たされるわけではないでしょ?
お酒を飲みたい気持ちは、「人間の三大欲求」を上回る!
お酒に対する常識が崩れていく、そんな感じです。
あと、加えるなら「公益社団法人日本アルコール健康医学協会」によると、中びんのビール1本に対して、身体の中でアルコールが消えるまで3〜4時間ほどかかります。2本なら6〜7時間、3本なら9〜10時間、4本なら12〜13時間、アルコール摂取量によって、分解にかかる時間も伸びていくんです。体質にもよりますが、大まかな基準として理解しておくのが良いでしょう。
例えば、会社の飲み会が深夜12時まで続いたとしましょう。朝までアルコールが残っていますね。それが、飲酒運転の検査に引っかからない微量であっても、身体にはアルコールが残ったまま、仕事をしていることになります。
こうした事実は、車の教習所などで習ったような。なぜ、こうした情報が、自分ごとに思えないのでしょうか。
お酒を飲むと、脳内でドーパミンがドバッと放出して、本能を司る報酬系を刺激するんです。あくまでも、お酒は人工的なもので、本来のドーパミンを抑制させてしまいます。お酒が切れると、脳はドーパミンを欲するようになり、お酒を求め、エスカレートしてしまう。ここまでくると、意思が強いと関係なく、細胞レベル、神経レベルの問題になるので、本人でも手がつけられなくなるんです。
脳も、アルコールを覚えてしまう……。
こうした現象を「渇望」というのですが、居酒屋に行かなくとも、特定の場所や音、お酒の臭い、思考のすべてが引き金になります。渇望は、食欲や睡眠欲、性欲、排泄欲といった三大欲求より強いので、人間として制御することは難しい。
「お酒をやめよう」と思って、努力しても失敗するのはそういうためです。お酒を飲み続けることで、身体の中で依存が形成されていく。お酒をきっかけに、人間関係が悪くなっても飲んでしまう。社会的役割が果たせなくなっても、飲んでしまう。厚生労働省の平成25年の調査によると、アルコール依存症にかかる人は、全国で109万人といわれていますが、予備軍は185万人、危険な飲み方をしている人は1,039万人。10人に1人の割合でいるんです。
実感値は、もっと多いかも。
成人男性に限るなら、3人に1人は危険な状況にいるんです。水澤さんの友達を3名ほど思い浮かべてみてください。そのうち、一人は当てはまる人はいませんか。
はい。
その方に、公益社団法人アルコール健康医学協会が発表する「適正飲酒の10か条」を伝えてください。
適正飲酒とは、正しいお酒の飲み方のこと。「談笑し 楽しく飲むのが基本です」「食べながら 適量範囲でゆっくりと」「強い酒 薄めて飲むのがオススメです」「つくろうよ 週に二日は休肝日」「やめようよ きりなく長い飲み続け」「許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み」「アルコール 薬と一緒は危険です」「飲まないで 妊娠中と授乳期は」「飲酒後の運動・入浴 要注意」「肝臓など 定期検査を忘れずに」の10か条を心がけてほしいと栗原さんはいう。
絶対、友達に教えます!
ライター水澤は、アルコール依存予備軍なのか? 「飲酒習慣スクリーニングテスト」を受けてみた!
琉球病院で行なっている「飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)」があるのですが、水澤さんも受けてみませんか?
お願いします!
(ご自身の飲酒の状況が気になる際は、一緒にAUDITを受けてみましょう!)
1.あなたはアルコール含有飲料をどのくらいの頻度で飲みますか?
たぶん、1ヶ月に3度ほど飲む。
2.飲酒するときは通常、純アルコール換算でどのくらいの量を飲みますか?
※純アルコール量が選択肢に当てはまらない場合は、近いものを選んでください。
ビール中ジョッキ5杯は飲むかな。
3. 1度に純アルコール換算で60g以上飲酒することがどのくらいの頻度でありますか?
わからないですね、月に1回かな。
推定でいいですよ。
4、過去1年間に、飲み始めると止められなかったことがどのくらいの頻度でありましたか?
これも、月に1回ほど。
ほほぅ。
5.過去1年間に、普通だと行えることを飲酒をしていたためにできなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか
※お酒を飲んだため車で外出できなかった等も含む
これも、月1。心配だな。
6.過去1年間に、深酒の後、体調を整えるために、朝の迎え酒をせねばならなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?
ないですね。
7.過去1年間に、飲酒後、罪悪感や自責の念にかられたことが、どのくらいの頻度でありましたか?
今月も、おきなわマグネットの飲み会で後悔したばかりです…。
ほほぅ。
8.過去1年間に、飲酒のため前夜の出来事を思い出せなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?
ないかな。
9.飲酒のために、あなた自身がけがをしたり、あるいは他の誰かにけがを負わせたことがありますか?
そこは自制が効いているので、大丈夫です!
10.肉親や親戚、友人、医師、あるいは他の健康管理に携わる人が、あなたの飲酒について心配したり、飲酒量を減らすように勧めたりしたことがありますか?
うん、これもないな。
・・・
・・・・・・
AUDITの結果は、9点(危険の少ない飲酒群です)。
ほっ。
20点以上は「アルコール依存症を疑う」、24点以上は「アルコール依存症の平均点」です。
あと、もう1ついいですか。スーパーやコンビニに売っている缶は350mlですよね。女性の場合、その時点で適正量を超えているようですが、量を飲む以外に、何か良い方法はありませんか。
大鶴
現実的な話をすると、休肝日を2、3日持つこと。きちんと休肝日を持ち、適切な量を続けている人で依存になる人はいませんから。
合言葉は、「量を減らす」と「休肝日を2、3日持つこと」ですね。ありがとうございました。
「お酒との付き合い方が、一番危ないのは誰だ?」 おきなわマグネットの酒豪たちも挑戦!
おきなわマグネットのメンバーたちにも、事前にお酒にまつわる質問をしてきました。大鶴卓副院長と栗原雄大医師からみて、一番危険な飲み方をしているのは誰でしょうか。
■質問内容
Q1. お酒は週にどのくらいのペースで飲んでいますか?
Q2. 一度の飲み会でどのくらいの量を飲みますか?好きなお酒も教えてください。
Q3. 酔っ払うとどうなりますか?エピソードを含めて教えて下さい
Q4.国が定めている適正飲酒量はどのくらいだと思いますか?
Q5. 奥さんまたは旦那さんはお酒の飲み方について何と言っていますか?
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1、鈴木サラサさん(ライター)
Q1. お酒は週にどのくらいのペースで飲んでいますか?
週1〜2です。沖縄移住当初は週5(週2日は休肝日を決めてました)で飲んでましたが急性膵炎であまりに痛かったので今はかなり控えてます。
Q2. 一度の飲み会でどのくらいの量を飲みますか?好きなお酒も教えてください。
膵炎前はワインだと1~1.5本、それ以外だと泡盛5杯+さんぴんハイ3杯くらいでした。甘いお酒と炭酸が苦手なので赤ワインと泡盛が好きです。今は控えてるのでさんぴんハイ2杯くらいです。
Q3. 酔っ払うとどうなりますか?エピソードを含めて教えて下さい
言えるエピソードがないのですが、飲んで吐くのが趣味みたいなところがあったのでひたすら飲んではしゃいでました。なので怪我が多かったです、縫うくらい腕切ったり、全身青あざだらけとか、あと大体カラオケに行きたがってますね。泣き上戸だし笑い上戸だし本当に面倒臭いと言われます。
Q4.国が定めている適正飲酒量はどのくらいだと思いますか?
ワイン2杯くらいでしょうか?
女性のなかでも、サラサさんはかなり飲まれているほうだと。
見事ですね。
ワイン1~1.5本も!?
よかったですね。このままお酒を飲み続けていたら、依存症になっていたかもしれません。AUDITをつけたら、30点はいきますよ。ただ、膵炎にかかった後、さんびんハイを2杯に留めているのは、本人も自覚しているのではないでしょうか。自分自身をコントロールできるギリギリの範疇がここまでと。病気の怖さや、痛かった記憶が理性になってブレーキしているのでしょう。
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2、ナガハマヒロキさん(ライター)
Q1. お酒は週にどのくらいのペースで飲んでいますか?
平均2日ほど。
Q2. 一度の飲み会でどのくらいの量を飲みますか?好きなお酒も教えてください。
ビールをずっと飲んでいられるならずっと飲みたいですが、糖質を考えて泡盛・焼酎にシフトします。ビール2~3杯いって、泡盛2合くらいが最近のトレンドです。二日酔いはしたくないので飲んだ酒の量と同じだけのお冷を飲むようにしています。
Q3. 酔っ払うとどうなりますか?エピソードを含めて教えて下さい
悩みのない人に「本当は悩みあるんじゃない?」と訊き出そうとします。
Q4.国が定めている適正飲酒量はどのくらいだと思いますか?
ビール2杯くらいじゃないでしょうか。
Q5. 奥さんまたは旦那さんはお酒の飲み方について何と言っていますか?
飲み方は特別何もないです。飲んで帰ったときに夜から何か食べようとしているのがバレると怒られたりはしますが食べます。
糖質を考えて、ビールから泡盛や焼酎にシフトしているとのことですが。
大鶴
先ほどもお伝えした通り、あくまでも飲酒量なんです。泡盛や焼酎は糖質が少ないとか、赤ワインはボリフェノールが含まれているとか、僕らからいうと害の中のちょっとしたこと。
焼酎だと不純物がなく、二日酔いが少ないと思っていました。
大鶴
確かに、蒸留酒と醸造酒の違いによって、二日酔いの違いがあるかもしれません。しかし、健康障害からみると関係ありません。他にも、サウナで汗をかくといいとか、それほど効果が期待できません。アルコールの分解は、9割が代謝で、1割が汗や尿として出ていきます。
ちなみに、締めのラーメンとアルコールには関係性がありますか。
お酒を飲んでいくと本能的に、欲望に忠実になってしまう。食べ物しかり、女性関係しかり、欲求を満たそうとするんです。
ナガハマさんは結婚したばかりですからね。奥さんに怒られる前に、飲み過ぎには注意が必要ですね。
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3、粟国社長(おきなわマグネット運営企業社長)
Q1. お酒は週にどのくらいのペースで飲んでいますか?
お酒は週5か6、ほぼ毎日飲んでます。
Q2. 一度の飲み会でどのくらいの量を飲みますか?好きなお酒も教えてください。
ビール1杯、泡盛か焼酎だいたい2合、ウィスキーとかブランデーもそのぐらい
Q3. 酔っ払うとどうなりますか?エピソードを含めて教えて下さい
酔っぱらうと楽しくてたくさん人を集めて、ベロベロになって嫁に叱られる
Q4.国が定めている適正飲酒量はどのくらいだと思いますか?
ビール2杯、泡盛1合ぐらい
Q5. 奥さんまたは旦那さんはお酒の飲み方について何と言っていますか?
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とりあえず飲み過ぎ、家にいない、私はシングルマザーか?あなたがこの家で一番手のかかる子供
失礼ですけど、お仕事に支障はありませんか?
社長なので、仕事量を調節してカバーできると思います。
ここまでくると、週の半分以上はお酒が残ったまま出勤して、お昼かその先まで残っているはず。午前中はお酒の勢いで元気に過ごせるが、お酒が抜けてくる夕方ごろから軽い離脱症状が出てきて、気分が落ち込んだり、手が震えたり。お酒が残っていることが当たり前で、依存に足を突っ込んいると思いますよ。もし、仕事のストレスが増えたら、お酒の量が増え、高い確率で依存症になります。
おいくつですか?
34歳です。
大鶴
一般的に、36歳でお酒の問題が出始めて、40歳でアルコール依存症になる傾向があります。34歳なら、あと6年で身体の中で熟成されていくパターンです。
すぐにAUDITを受けさせます! 粟国社長も、数日間の休肝日が必要ということですか。
大鶴
いや、月単位でお酒をやめてみた方が良いでしょう。AUDITを受けて心配があれば、当院のような専門機関に相談することもできます。
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4、真崎睦美さん(ライター)
Q1. お酒は週にどのくらいのペースで飲んでいますか?
沖縄では、せいぜい週1~2。家で一人酒したり、週末に那覇で友人と飲みに行ったり。
Q2. 一度の飲み会でどのくらいの量を飲みますか?好きなお酒も教えてください。
ジョッキあるいはグラス4~5杯くらい。好きなお酒は、ビール、コークハイボール、ゆず酒などの果実酒(ロック)、日本酒。
Q3. 酔っ払うとどうなりますか?エピソードを含めて教えて下さい。
目が細くなり、気分がよくなり、恐れがなくなってコミュ力が上がり、どんな飲みの場でもそこそこ楽しめるようになり、翌日死ぬ。
Q4.国が定めている適正飲酒量はどのくらいだと思いますか?
飲みの場一回につきアルコール80mlくらい……?
Q5. 奥さんまたは旦那さんはお酒の飲み方について何と言っていますか?
はやく旦那がほしいです。
旦那さんは別にして、私たちが考える「適正飲酒量」は、本来の基準値と全然違いますね。
アルコール80mlは、女性の基準値の8倍です。例えば、この基準が当たり前になってしまうと、「今日は、いつも(80ml)以上に飲み過ぎた」と。ゆくゆくは飲み過ぎが続き、大きな問題につながりますね。
ちなみ、「コミュ力が上がる」というのは、アルコールの影響なのでしょうか。
真崎さんは、きっと日頃から自分をコントロールして、言いたくても言わないところがあると思います。でも、お酒を飲むことで脳の働きが落ちて、いろんな判断ができなくなる。しかも、緊張も取れていくから、コミュ力が上がるのでは。特段、別の本人が出てくるわけではないので。
本当の自分が出てくる頃合いが、そろそろ潮時のサインだと。
ただ、週末だけ飲んでいて、休肝日もしっかり取れているし、健康障害が強く出ることは低い。
話が変わりますが、私や真崎さんは移住者でして。例えば、移住後に友達がいなくなって、一人で飲むことが増える、そんな可能性がありますか。
休肝日を設けながら、人と一緒に飲んで、楽しくなっていくのはいいのですが、移住後、急に一人になり、寂しくて気を紛らわせるために飲む。これこそ、悪循環です。
こうしたパターンは、「自己治療仮説」といい、自分の辛さ、苦しさ、寂しさを紛らわせるために、お酒を飲むパターンです。
大鶴
一方で、粟国さんのように取引先で、ご自身より量を飲む方がいる場合、「あいつも飲んでいるから、俺も」と飲酒量が増え、たくさん飲むことが当たり前になってしまう。周りに流されないためにも、健康おきなわ21を活用してほしいです。
そういうわけで、お酒の付き合い方はいかがだったでしょうか。みなさんも、この機会に、日頃のお酒との付き合い方を考えてみるきっかけになればと思います。
とはいえ、いきなり「お酒を飲まない」というのは難しいと思いますので、まずは健康おきなわ21の「節酒アプリ」を使ってみて、自己管理をしてみるとお酒の付き合い方もちょっと楽しくなるかも。
あっ、今日は晩酌はやめておこうっと。
- 取材協力
- 【病院名】独立行政法人国立病院機構「琉球病院」 http://www.ryu-ryukyu.jp/
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