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こんにちは、ライターのナガハマです。大人になるに連れて、無意識のうちに自分を”枠”に閉じ込めて可能性を潰してしまうことって…あるよね。そしてその諦めが、誰かの笑顔を作り損ねていること…知ってる?
今回の記事はそんなあなたに向けたメッセージとなりうるでしょう
この物語は「普段なかなか外出できない介護福祉施設の利用者のみなさんに回転寿司をお届けし、笑顔になってもらいたい」という一人の男が手作りの回転寿司の装置を持ち込み、介護施設で回転寿司屋をオープンさせるハートフルストーリーである。
このウルトラ企画をぶち上げたのは、渡久地隆道(とぐち りゅうどう)さん。普段は沖縄県宜野湾市にある「鮮魚と魚の唐揚げ琉球&酒と海鮮料理サーディン from 琉球」というお店の大将です。
会場となったのは、沖縄県読谷村にある『ヴィラージュせなは』。
この企画のはじまりはこう。
以前より、ここで行われている交流会で出張握り寿司をしていた渡久地さん。いつかの飲みの席で、ヴィラージュせなはの施設長である緒方望さんが、ふとつぶやいた一言がきっかけでした。
本当は利用者も回転寿司に連れていきたいんだよね。でも車イスの方もいるし、なかなかねぇ…
でしたら出張で『“回転”寿司』をやります、何とかします!
サービス精神に完全に火が付いたのは良いものの、口から出まかせでGOを出してしまった渡久地さん。
どうしよう…どうしよう…思い悩む渡久地さん。
閃きました渡久地さん!
そうだ、おもちゃのプラレールで回転レーンを作ろう!
なんと、回転寿司の仕組みはプラレールを採用。
子どもの頃には考えられないほどの量を大人買いし、24人掛けのテーブルを囲う回転寿司レーンを作成します。
直線を敷く渡久地氏。テーブルの段差にはしっかりと橋げたを咬ませます。
見事なアールを作っている渡久地氏。
電車の上に皿を乗せて運ぶのですが、ここにもやった者にしか分からないテクニックがあります。
取りやすいスピードや安定感を考えると、4両編成がベスト。あとは…電池がアルカリだと速すぎて取れない!マンガンがちょうど良い!
これは名言出ました。
いざ!!マグロを乗せて走れ!!!
準備も整い、出張回転寿司「隆道くるくる寿し」オープンです!
こんなに豊富な種類を仕込んでいました。食べ放題で、口頭で注文するとレーンに流れて来るシステム。
プラレールで、回転寿司が、出来るんです!
手前で皿を取られ、奥の席にまで到達しないハプニングも。
かと思いきや、注文したのにそれをスルーするというパターンもありました。
職員「いや、取らないんかーい」
お待たせしました!脱線のシーンです。
ここで「渡久地さんに聞いた、今日の人気ネタランキング」をお届け。
3位玉子、2位エビ、そして1位はマグロです!!
今日こんなにマグロ連発されるとは思ってもいなかったです。おじいちゃんおばあちゃんになると、子どもが好きなネタと傾向が似てくるんですよね
なんとこの企画は”ボランティア”でやっているのだと!
この“プラレール回転寿司”家庭で再現しても楽しそうですよね。利用者の方も、この日を楽しみにしている方も多かったそうで。
日常に変化があることで気持ちも高まります。なにより、生活の中でも大切な『食べる』ことを楽しんでくれています
「たくさん食べました!この日を楽しみにしていました」(立山トシコさん/右)
渡久地さんは、この活動を『完全ボランティア』で実施しています。
プラレールなどの備品も、スタッフの稼働も、ネタやシャリなどの食材費も全て無償です。
以前に出張でお寿司を握った時に、利用者の方が相当喜んでくれたのが忘れられなくて。毎日当たり前のようにやっていることで、こんなに笑顔になってくれるんだ〜って。なかなか外出できない方のためにも、握りたての美味しい寿司を食べてもらいたいんです。自分以外にも賛同してくれる人を探して、この活動をもっと広げて行きたいと思っています
ヴィラージュせなはの緒方さんも、この取り組みがさらに広がるよう、一緒になって支援していくとのこと。
気の良い男の、粋な取り組み。やれないことはないという行動力と、自分が培ったこれまでのことを使って、相手の笑顔を生みたいという気持ち。そして何より、人間愛ですよ、人間愛!