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こんにちは、ライターの真崎です。
長年パートナーがいないためか、東京から移住する際に友人たちから「きっと沖縄でいい人見つかるからな!希望を捨てるな!」と謎の激励をもらっています。なお希望を捨てた覚えはない。
沖縄でのパートナー探しに希望を繋げるべく今回お話を伺ったのは、「ナイチャー(県外からの移住者)」と「ウチナンチュ(沖縄県民)」同士でお付き合いされている大樹さん&島子さんカップルです。
東京から移住した男性と、沖縄で生まれ育った女性。
文化や価値観の違い、家族の理解など、おふたりの間にはもしかしたらいろんな障壁があったのではと勝手に想像して打ち震えています。
そこで今回は、おふたりの出会いから、付き合う上で大変だったこと、さらにはすでにご婚約されているおふたりの両家ご挨拶事情まで、非リアを盾に根ほり葉ほりお聞きしました。
●登場人物●
大樹さん
東京生まれ東京育ちの28歳。2013年3月に沖縄移住。県内でフリーでデジタル・アナログ双方のクリエイティブの企画・制作ディレクションを行う。また「おきなわマグネット」の編集者。県内企業への転職を機会に沖縄へ移住。県内企業でディレクターとして経験したのち、独立。
島子さん(仮名)
沖縄生まれ沖縄育ちの29歳。県内の大手企業に勤めるOL。寄生虫と人を食う動物が大好きで、寄生虫博物館に行くためだけに東京を訪れる行動派。スーパーサバサバ系の美人さん(真崎主観)ちなみに写真の似顔絵は島子さんご本人作(笑)
付き合ったのは、出会って1~2時間後
まず、おふたりの出会いのきっかけを教えていただきたく。
きっかけは、僕がやっていたブログですね。彼女がそのブログを読んでくれていたみたいで、Facebookで友達申請とメッセージをくれたんです。
島子さんはなんで大樹さんに連絡しようと思ったんですか?
「沖縄の女性の男を見る目が良くなれば、沖縄の経済も良くなる。」っていう記事に賛同しすぎて(笑)。沖縄に関するいろんな記事の切り口が面白かったので、メッセージを送ってみました。
軽く炎上したりしちゃってましたが・・・(笑)最初は「読んでいただいているのですね。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。」程度でメッセージを終えたのですが、僕がFacebookに投稿する内容に、彼女がリアクションしてくれることが多かったので、「この人どんな人なんだろう?」と興味が湧いて、Facebookで繋がってから1か月後くらいに僕から「会ってお話しませんか?」ってメッセしたんですよ。Facebookで繋がってから、なんとなく直観で「この人と価値観合いそうだな」と思って。そしたら「私も話したいと思っていました」って返事が来ました。
私も彼に興味があったというのもあったし、ちょうどその時期に転職を考えていて、彼が転職系のサービスを仕事で運営していたみたいだったので「相談してみようかな」ってちょうど思っていたところだったんです。
最高のタイミングすぎる。
それで初めてお会いして、話し始めてから1~2時間くらいかな。僕から「付き合いませんか?」って言いましたw
早い。なんでお付き合いしたいと思われたんですか?
彼女といろんなことを話したんですよね。恋愛観とか、仕事観、どんなことに興味があるかなど、これまでやってきた経歴も面白かったです。彼女、寄生虫とか人を食う動物が大好きなんですよ。恐竜とかサメの話をするときの顔がめっちゃ本気。その無邪気で目を輝かして、寄生虫や恐竜やサメの話をしているところが、変態な感じがして、すごくいいな~って思ったんです。僕も多趣味だし、結構いろんなことに熱中するタイプなので、一緒にいたら面白そうだな〜と思ったわけです(笑)
(インタビュー時はサナダムシという寄生虫の話を画像を見ながら真剣に語ってくれた島子さん。「あの子たちは無害なんですよ!」と熱弁を振るわれた)
変態な感じが良かった、と。
そこだけ切り取ると僕が変態みたいですね。
突然告白されて、島子さんはなんとお返事されたんですか?
「あ、いいですよ」ってお返事しました^^
こっちも早い。
ちょうど相手もいなかったですし、まあ合わなかったら別れたらいいかなって。あんまり深く考えずOKしました。
きっちり彼氏とのんびり彼女、衝突はどう乗り越えた?
東京育ちの大樹さんと沖縄育ちの島子さん、お互いの文化や価値観の違いでぶつかることってありますか?
はい!はい!(挙手)
はい、島子さん。
1番覚えているのは、台湾旅行に行くときの喧嘩です。
あぁ(笑)。僕はたぶん結構細かい性格で、旅行でも空港の集合から現地での行動まで細かくスケジュールを立てるんですよ。
そして、そのスケジュールを私が全部乱すんです。
ぶっ。
那覇空港集合の時点で彼女すごくギリギリで、しかもなぜか財布まで落として。「最初からそれは勘弁してくれよ」って、その時はわりと僕がイライラ感出していましたね。
私には、なんで彼がそんなに怒るのか分からないんですよ。私は超のんびりした性格で細かいことは気にしないし、旅行も全然プランを決めずにその場のノリで動くのが好きで。
わー、私めっちゃ島子さん派です。きっちりするの無理。
時間に合わせて電車に乗るっていうのも我慢できないので、私は東京に住めないんですよね。スケジュールとか時間に縛られるのが本当に嫌。沖縄にいると時間の縛りってあんまりなくて、それが合っているんです。
わりと正反対な性格な気がするんですけど、その後は大丈夫なんですか?
話し合ったよね。「私はこんな性格だしどうにもならないけど、どうしますか」「何時までにこうしなきゃいけないってきっちり決めてくるところだけ嫌いです」って(笑)。
ストレート。その話をして、どうなったんですか?
彼が折れてくれました^^
いい男!
「きっちりしなきゃいけない」と思っているわけではなく、僕も細かく計画を立てる癖がついているだけなんですよね。逆に、デートのとき計画通りいかなくて僕が焦ったとしても、彼女は全然平気そうな顔をしているから、僕も「まぁ大丈夫か」って引き戻されるんですよね。僕にはない彼女の魅力だなって思っています。
実際、彼のきっちりした性格に助けられることもいっぱいあるんですけどね。
極端な言い方ですけど、「お前のそういう沖縄っぽいのんびりした性格は直したほうがいい!!」とか言う人じゃなくて良かったですよね。
もちろん、みんながみんなで、そうではないと思うんですけど、内地から移住してくる方たちって、やっぱり県外で様々な経験もされてるし、いろんなものを見てきていますよね。そんな方たちから見た沖縄って、「もっとこうしたらいいのに」って思うことが沢山あると思うんです。でも、私のように沖縄が地元でそこで育ってきた側からすると、長年これでやってきたから、いきなり変化を求められても、なかなか難しいですし、いろいろ言われると、やっぱり「良い気持ち」にはならないですよね。
うん。それは気持ち良くないですよね。
でも、彼はそういうところが一切ないんですよね。
移住者側からすると、もちろん東京よりも不便なところは、探せばあると思います。でも東京にない沖縄の魅力も同じように沢山あると思うんですよね。それによく言いますが「郷に入れば郷に従え」ですよね。僕も移住したての時に「よそ者は嫌われる」というのイメージを多少なりと持ってたりしてましたが、沢山の地元の人たちや、移住後に入った会社の同僚にいろんな沖縄のことを教えてもらったり、助けてもらったりしたので、「沖縄って素敵だな〜」って思って、スムーズに地元のかたたちと打ち解けることができました。あとは、彼女と同じで、のんびりしたところも含めて「これが沖縄の魅力だな」って感じることはたくさんあります。満員電車でサラリーマンの舌打ちとかも聞かなくなりましたし(笑) それに、なんだかんだでユルいのは大好きですから(笑)。ただゆるいんじゃなくて、時間に追われない余裕を持つことで、結果、生産的に仕事をできるというのも沖縄の魅力だなって感じてますよ。
結婚に反対したのは、親御さんではなく友達だった
もう両家の親御さんへのご挨拶も終わったとお伺いしましたが、ご両親はそれぞれ全然違う土地の人と結婚することに反対されたりしなかったですか?
僕の親はまったくなかったですね。母はずっと娘がほしかったらしくて、彼女のことめっちゃ可愛がっていました。
私の親も全然大丈夫でした。でもそれは「彼が沖縄に移住していて今後もここにいる」って分かっていたからです。もし彼が私と一緒に東京へ行くつもりだったら、こんなに早く結婚の話はできなかったと思います。
ご挨拶のときに僕から「会社もこっちで登記するので、彼女を連れて東京に戻ることはないです」ときちんと伝えました。あとは僕の仕事柄、沖縄とか関係なく収入とか心配されそうだったので、ポートフォリオのようなものを持っていきましたね(笑)
大樹さんにめっちゃぶっこんだこと聞いていいですか?
はい(笑)
沖縄って、親族一同が集まる行事とか沖縄特有のしきたりとか、いろいろありそうじゃないですか。結婚するにあたって、そういうのちょっと億劫だな~って思ったりしないんですか?
あー、あんまりないですかね。
たぶん、私の家がちょっと特殊で。確かに、沖縄はしーみー(※1)やお盆に親族みんなで集まるんですけど、私の家はしないんですよ。他にも、沖縄の家には必ず仏壇があって、それは長男(長女)が必ず守っていかなくちゃダメとか。地域にもよりますが、やっぱり沖縄にはいろんな伝統があります。ただ、うちはそういうのが全然ない。沖縄でもかなり特殊だと思います。
(※1:先祖のお墓に親戚が集まり、お線香や重箱料理をお供えして供養をする祭。時期は4月)
両親よりも、むしろ私の友達とかが「大丈夫なの?」って心配したり反対したりしたかも。
へぇーなんでだろう。
友達の中でも、反対する人は、県外の人がお客さんで来るお店の店員とか、あとは移住者の方が多い地域に住む人たちかな。移住者の方とのトラブルで良くない想いをした人って結構いるんです。エイサーの時期に移住者の方から「うるさい」とクレームを受けたとか、そういう問題があったりその噂を聞いたりして「移住者はイヤ」と思ってしまう人もやっぱりいるみたいで。もちろんトラブルは地元民同士でも起こらないわけではないですが、どうしても「よそ者」というほうが目立ってしまいますよね。
それは、移住者の身としてはちょっと悲しいですね。
だから、お母さんは「私が選んだ人だから大丈夫」っていう視点で見てくれるけど、友達には「東京の移住者なんて絶対合わないから辞めたほうがいい」って言われたりしますね。
そう言われて、大樹さんへの気持ちが揺らいだことは?
ないですね(即答)
ステキ。
結局「移住者だからこう、東京・沖縄だからこう」っていう話じゃなくて、個人の性格や価値観のすれ違いで起きている問題なんですよね。それを何か起きた時に「住んできた土地や文化が違う」というところを理由にしがちになってしまうのは、僕ら移住者もそうだし、地元の人もそうなのでしょうね。でも、やっぱり寄り添っていくのは、他の土地から移ってきた僕たち移住者なんだろうな。って日頃思いますね。どの土地もそこの魅力がたくさんあるので、それを本当に好きになれば、まず地元のひとに嫌われることはないんじゃないですかね(笑)
確かに。本当は個人間のトラブルだから、「ナイチャー」「ウチナンチュ」みたいなフィルターを外していけたらいいですよね。おふたりの間にはもうなんのフィルターもなさそうです。
(ここからおふたりが素で話し始めました)
1つ憧れがあってさ。沖縄のおせちみたいなやつあるじゃん? あれ家族で食べたりもしないの?
あれは食べるよ。
よかったー。あれいつやるの?
お正月としーみーと旧盆。
その時期スーパーとかで売ってるけど、量多いしひとりで食えないじゃん。親戚とかで集まってみんなで食いてーなーって思って。
たいちゃんが食べたいなら作るよ。
え、作れんの?
お母さんがよ。
だよね(笑)。
私が作るわけないじゃん(笑)
(笑)
(ごちそうさまでした)