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ハイサイ!ライターの具志堅です。
今回は、沖縄移住を考えている方に向けて有意義な情報を発信していこうと思いまして。
東京から沖縄へ移り住んだ夫婦をインタビューさせて頂きました。
沖縄移住の「酸いも甘いも」知り尽くした、先輩移住者の体験談を鮮度抜群ピッチピチで南の島よりお届けします!
今回、インタビューさせて頂くのは、金井亮輔さん、えりさんご夫婦です。
沖縄に移住して13年目。もう立派なうちなーんちゅ(方言で沖縄人と言う意味)です。
金井亮輔さん(東京都出身)、金井えりさん(栃木県出身)
2003年、沖縄県の北部名護市に家族で移住。
2004年、沖縄県今帰仁村にて「atelier cafe bar 誠平」をOPEN。
「atelier cafe bar 誠平」は、今帰仁村の自然の中に隠れた予約制のレストラン。
メニューはなく、その日の仕入れや、シェフのえりさんのコンセプトによってメニューは構成されます。
フレンチをベースに、沖縄の食材をふんだんに使った料理が味わうことができ、併設されてる宿で宿泊可能なオーベルジュスタイル。
今では、雑誌に、テレビとひっぱりだこの人気店。
えりさんの美味しい料理に合わせて提供される、亮輔さんのお酒のコレクション。
夫婦が繰り出す抜群のコンビネーションでお腹も心も満たされます。
(左から、一緒に誠平を運営する仲間SHIGEさん、えりさん、亮輔さん)
移住、出店、出産、育児と沖縄で激動の年月を重ねて来たお二人。
「沖縄の暮らし」についてお伺いしてみました。
今日は、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さっそくですが、お二人が沖縄へ移住を決めた理由ってなんですか?
海が好き、山かが好きとかって言う事じゃなくて、単純に親父の病気の療養場所を探してたら沖縄に辿りついた。初めは、家族みんなで移住したけど、沖縄の病院じゃどうしようもなくなっちゃって。結局、親父は東京の大きい病院に戻ったんだよね。
なるほど…沖縄への憧れではなくて、必要な選択としての移住だったんですね。
地方を回って、鹿児島から船を使って沖縄まで車で来たんだよ!笑
アクティブっすね!(笑)海が見えるわけでもなく、人通りが多いわけでもない。どうして今帰仁村のこの場所に店をOPENしたんですか?
直感だよね。近くに知り合いができたり、土地を探していたら、タイミング良く古民家を貸してもらえた。日頃考えている事や、思ってた事が、いろんなタイミングで点と点で繋がってインスピレーションが降りてきたんだよ。今帰仁村に誘われた感じ。
直感…インスピレーション…今帰仁村に誘われる…
はじめはトトロ、トトロって騒いでたよね。(笑)
ジブリの様な世界って事ですよね?わかります。(笑)今帰仁村の景色みて、僕もそんな風に感じてました。(笑)
今帰仁村は沖縄の北部の村。
那覇空港から、車で北へ約1時間30分の場所。
「ぬーんねんしが今帰仁村」のキャッチフレーズを持つ村で、「ぬーんねんしが」とは沖縄の方言で「何もないけど」と言う意味。
ショッピングモールや、大型娯楽施設はないけど、手つかずの自然や、昔ながらの沖縄の風景が残っているよ。と言うのがフレーズに込められた想い。
ガチで何もないわけじゃなくて、世界遺産もあるし、コンビニもあります。
でもやっぱり、来た人を魅了するのは残された沖縄の文化。
古民家や、さとうきび畑、フクギの並木道だったり。
村の雰囲気は独特で、昔ながらの景色が広がっています。
移住のきっかけとか?土地の魅力?インタビューで言えば軽いジャブ的な入りだよね。
今帰仁村の説明も済んだところで、私、具志堅はそろそろ確信に迫りたいと思います。
実は、インタビューするにあたって、金井夫妻を紹介してくださった方からの情報によると、若くして移住してきた二人。
右も左もわからない土地に住み、店を開き、「色々と苦労してきたと思うんだよね」との情報を小耳にサンドイッチ。
先輩移住者のキラッキラのエピソードも良いけどね。
苦労話や、失敗談も貴重な情報です。
人間ってさ「人の苦労話が三度の飯より大好物よね」ニヤッ…
沖縄に移住して色々あったと思いますが、一番苦労された事ってなんですか?
苦労はないね。(即答)
そうですよね!ないですよね!アハハ!でも、知らない土地で若い夫婦、一つくらい苦労された事はあるんじゃないですか?
苦労ねー…ないねー
…
…
…
あう…
…
…
あるよね。あるはずなんだよね。あるよ。絶対ある。
「あるよね あるはずだよね にんげんだもの ぐしを」
でも、この二人は言わないね。絶対言わないなって空気出てた。
車で沖縄まで来るアクティブさ、直感とかインスピレーションで土地決めちゃう感じとか、インタビューの中で感じるのは二人の人間力。芯の強さ。
「苦労なんてものは、沖縄じゃなくても地元でも、どこにでもついてくるものだから。それは人に話すような事でもないんだよ。苦労なんてあって当たり前だから、苦労とは言わないんだよ。」的な潔さが見えて、全然苦労話ひきだせなかった2016年今帰仁村の夏。(笑)
ならば切り口を変えて育児事情について話を聞いてみました。
お二人には小学一年生になる最愛の息子「加実諭」(かみゆ)君がいます。
苦労話は、無いと言う事で…子供の事、育児はどうですか?
沖縄と言う範囲で話をすると広すぎるから、今帰仁村で話をするね。
子供が生まれた時、母親として色々と不安で勝手に一人で抱え込んじゃって落ち込んだ時期があった。でも、沖縄って、島自体が家族みたいになってるとこがあるから。他県に比べて兄弟が多かったり、先輩、後輩の繋がりがしっかり出来ている。みんなで子供を育てる事、子供でさえ、自分より小さい子の面倒を見るって言う意識、スキルがすごく高い。だから何も一人で背負い込む必要ないんだなって救われた。
移住すると、近くに頼れる家族や、友人っていないですからね。そこにおせっかいな近所のおばちゃんがいたり、一緒に遊んでくれるお兄ちゃん、お姉ちゃんがいると助かりますね。
田舎の良さは、ゆりかごから墓場までの世界だから、家族以上に家族になれるって言う事がある。
人と人との繋がりが強い、今帰仁村のような地域が残っているんですね。それって都会では味わえない魅力だったりしますね。
都会との違いで言うと、家と家が遠かったりするね。
子供同士の家が遠いから、どうしても親の協力、車での移動が必要になってくる。その中で、母親同士の繋がりや、家族ぐるみのコミュニケーションは必要だよね。
今帰仁村でも場所によるが、比較的に家が密集している地域や、畑の中に、ポツポツと家が建つ地域などを見かけた。村の子供の人口は多くない。クラスメイトが近所にいると言う確立は少ないようです。
大人にとっては喧騒の届かない静かな田舎暮らしが、子供にとって必ず良いとは限らない事も多い。
大人に比べてツールをもたない子供の暮らしを考えると、今の文明社会に置いて「便利」さの選択肢が少なくなると言う事もあるかもしれない。
豊かさとか、幸福と言う言葉で計りきれないものはあるが、さっきの「苦労はない」と言う凛とした言葉と、幸せそうなお二人、スクスクと育つ加実諭君を見ていると、なんとなくこの家族は、正解みたいなものを、この土地で手探りで導きだしている気がした。
ちなみに、この日のインタビュー中、加実諭君はずっと寝ていた。寝る子は育つ。微笑ましい。
理由は、「YouTubeを見すぎて夜更かししたから。」
さっき、文明と離れる事で子供の便利さの選択肢少なくなるよね。ってかっこつけてまとめた横でのYouTubeを使いこなす子供の出現!
伏せたい!移住メディアで田舎の良さを語ってる側としては伏せたいところ!でも伏せない!
最後になりますが、沖縄への移住を考えている方へ、先輩としてアドバイス、伝えたい魅力があれば聞かせて欲しいです。
沖縄は、島と言っても市町村一つ一つが国のようなもので個性豊かな場所。最初からここだ!と決めるより、仮住まいをしながら自分にあった場所を探す事をおすすめするかな。あとは、郷に入れば郷に従えとまでは言わないけど、自分達の価値観ばかりを押し付けないで、何百年もそこで培われてきた文化を受け入れていく事が大事。すぐにはわからない事かもしれないけど、住めば見えてくるモノがある。
魅力と言えば、聞いてくれる人がいっぱいいる。島の人は良い意味でナチュラルに世話焼きだから、県外から来た人間をなんとなく遠くから見守っててくれる。しっかり発信すれば誰か必ず聞いてくれる人がいる。
発信する事はすごく大事で、日本の文化に『言わなくてもわかる』と言う部分がある。その言わなくてもの温度差って場所によってすごく変わる。京都でも、大阪でも、東京でも全然違ってくる。本音と建前は抜きにして、自分が沖縄でどういう生活を送りたいか、何を考えているか、何を大事にしているかを表現できると良いよね。そうすると、優しい島の人達は紹介して繋げてくれたり、案内してくれる。せっかくガイドしてくれる人がいるならガイドしやすいように、自分を理解してもらう為に露呈していく。正直に生きる事が秘訣だと思う。どんなダメな奴でも救い上げようとするのが沖縄の人達の本質。さらけ出す事で、そこで生きる覚悟を決めるんだよ。覚悟がある人間は根をはろうとする。根をはろうとすると周りの人間が気にかけてくれる。気にかけてくれると、そこから物語がはじまるんだよ。
文化も習慣も違うわけですから、感覚的なものは、言わないとわからない事が多いかもしれませんね。聞く気持ちはあるけれど、沖縄の人って意外とシャイだから、話かけてくれないと深いコミュニケーションは始まらない。説得力のある経験に基づくお話、本日はありがとうございました。
当初、なんとなく予定していた僕の中のインタビューとは全然違う回答のオンパレードだった。
「沖縄に移住したら絶対!海の側に住むって決めてたんだ」とかじゃなくて…
直感…
「いやー小さい時から思い描いていた景色が目の前に現れたんだよね」は無くて
インスピレーション…
「言葉も通じないし道もわかんない!毎日迷子!もう人生の迷子さ!」とかは通り越して
苦労はない…
インタビューさせて頂いて思ったのは、清々しいくらいたくましい二人。
質問に対して返ってくる言葉はポジティブで洗練されていました。
移住するにあたって、土地や、気候、いろんな不安要素に対しての予備知識はもちろん必要です。
それも踏まえ金井夫妻からは、知らない土地で0から始める、心意気の部分や、大事な事を教えて頂いたきました。
移住を考えている方は、下見もかねて、金井夫妻が営む「atelier cafe bar 誠平」を訪ねてみるのも良いかもしれません。
ここでは書ききれなかった、移住者だからわかるディープな沖縄を、きっと教えてくれると思いますよ。
美味しい料理に、美味しいお酒を飲みながら、楽しい未来の夢を見てください。
『atelier cafe bar 誠平』
営業時間 19:30~24:00
定休日 不定休
住所 沖縄県今帰仁村仲尾次825
電話番号 0980-56-5565
駐車場 有