share:29
こんにちは。ライター鈴木しの(@shino74_811)です。東京生まれ名古屋育ちの都会っ子なのですが、沖縄に来るとつい「ただいま〜!」と言ってしまうので、前世は沖縄生まれなのかなと思っています。
今となっては沖縄が大好きで大好きで仕方ないわたし。
ところが、ほんの数年前までは「沖縄なんて、二度と来るもんか〜〜〜!」と声高らかに叫ぶくらいには、沖縄が大の苦手でした。
きっかけは、高校の修学旅行。生まれて初めての沖縄だとルンルンしながら那覇空港に降り立ったところまでは覚えているのですが……その後の記憶がどうにも……。
とくに、ひたすら「疲れた……」と感じていたのが首里城の見学。赤い建物を眺めてなんの意味があるのだろうと思っていた、本当にひねくれ者の学生だったような気がします(本当にすみませんでした)。
そんな修学旅行から早7年。ある日、どうしてか、ふと「首里城に行きたい」と思ったんです。大人になった今なら、すごくすごくすご〜〜〜く楽しめるような気がして。
そこで、東京から沖縄へと飛行機で飛び、さっそく行ってきちゃいました!!!
先に結論からお伝えすると……
控えめに言っても、
最高!!!オブ!!!最高!!!でした!!!
今回は、学生時代に首里城に行ったことがあるけれどあんまり楽しいと感じられなかった……ポスト沖縄ホリックのみなさまに、首里城の最高の楽しみ方をご紹介します!
真っ赤な正殿だけが首里城じゃない。「御内原」を楽しみつくそう
「首里城」と聞くと、満場一致で同じ景観が頭に浮かぶような気がします。
…
‥
・
これです、これ。
首里城の有料区域内に入ると、ででんとそびえ立っています。学生時代に見るよりも、大人になってからのほうが感動……しました、正直。「赤い建物を眺めてなんの意味があるのだろう」と思っていた過去の自分が心配になります。
昨年12月に平成最初で最後の塗り直しが行われて、圧巻で鮮やかの一言に尽きるほど美しいんです。正殿を目当てに首里城を訪れても、今なら満足できてしまうかも……!
ただ、今回ご紹介したいのは、首里城「奥」の世界と呼ばれる、御内原(おうちばら)です。
首里城公園にある正殿を始めとした建造物は、どれも復元されたものです。御内原も、2019年2月1日に復元を終えて新エリアとしてオープンしました。琉球王国時代に、国王やその家族、そこに使える女官らが生活したのがこのエリア。いわゆる「男子禁制」の大奥です。
首里城を訪れたら、絶対に絶対に絶対に絶対に、ここまで足を運んでほしいなと思ったので意気揚々と紹介させてください。
南北に長い首里城公園の中でも、御内原は入り口から最も離れた奥のエリアに当たります。先ほどの正殿は公園内の中央に位置するのですが、正殿の裏側へとさらにぐんぐん歩いていくと到着。
まず最初に見える赤い屋根の建造物が「世誇殿(よほこりでん)」です。国王の即位の礼が行われていました。普段は、未婚の王女が暮らす居間としても利用されていたのだそう。
中の様子はこんな感じ。現在は、沖縄伝統芸能の公演を1日3回行なっています。
首里城公園の有料区域入り口からのんびり歩くと、御内原のエリアまでは20〜30分ほどかかってしまいます。坂道や階段も多いので、一休みしながらのんびり、なんて過ごし方が良さそうです。
御内原は、まだまだ奥まで続きます。
手前に見える石造りが「白銀門」です。国王専用の門として使用されていた、とっても神聖な場所。
白銀門をくぐった先にあるのが「寝廟殿」です。何も知らずに訪れると”ただの草の生えた地面”なのですが……首里城公園で最も神聖な場所が、実は白銀門と寝廟殿なのです。
ここには、亡くなった国王の遺体を安置していました。琉球王国時代から”国王が眠り続ける場所”それが寝廟殿なのです。
さて、寝廟殿を通り過ぎると、階段が現れます。
上って……
さらに上っていくと……
じゃん!!!!! 到着しました!!!!!
今回のメインである「東(あがり)のアザナ」です。首里城公園の中で最も高い場所。昔は物見台として活躍していました。
通り過ぎてきた正殿を始め、晴れていれば奥には那覇市内が一望できます。
奥まで見渡す限り、海、海、海。本当〜〜〜〜に快晴だと、久高島や慶良間諸島などの離島まで見えてしまうのだそうです。
ここまで歩いてくるのに、約40分ほど。クタクタになっていたので、この景色はもう癒やしそのもの。ほかのどのエリアよりも長い時間滞在していたような気がします。
写真を撮りながら景色を眺めるのも良いし、写真を撮る隙も惜しんでこの景色を目に焼き付けたって良い。心ゆくまで、思いっきり楽しんじゃってください。
御内原には、ぜひカメラを持っていってほしい
御内原を歩きながら感じたことがあります。それは「写真撮影が楽しくなるスポット」が多すぎる!!!!!
正殿と比較して、御内原のエリアは白を基調とした爽やかな造りです。だからか、ポートレートを撮ってもかわいいかもしれないってときめきました……。
一番はじめに紹介した「世誇殿」は、木の優しい色合いが感じられる造りです。広々とした建物内の窓から、ひょっこり顔を出してみたくなる。
「世誇殿」のすぐ横にある通りは、なんだか城下町を思い出すようなどことなく懐かしい造り。通りそのものがかわいいって、テンションが上がります。
琉球王国時代からの色合いや文様なんかに注目してみるのも、沖縄観光の醍醐味だったりします。この文様は、当時の植物を模して描いたものだそう。べんがら色の瓦、すごくかわいい。
また、石造りもよくよく見てみると不思議。石垣の中でも色がやや黒ずんでいる部分は世界遺産として遺されています。戦争の時代を知る石垣、なんです。
「かわいい!」「ときめく!」とテンションが上がりまくりな傍らで、時代や歴史に思いを馳せてしまうような瞬間も訪れる。それこそが、首里城の魅力なのかもしれません。
【番外編】ときめきついでに伝えたい。首里城公園の新設エリア無料おさんぽコースのこと
東のアザナから見る景色だけでも「首里城公園に来てよかった!」とは感じていただけると思います。が、もうひとつだけ! おすすめの場所を紹介させてください。
それがこの「美福門」です。比較的新しいエリアにも関わらず、あまり多くの方には知られていなくて、その上、美しい。もうおすそ分けせずにはいられないと思いました。
縦構図で撮影してみると、高い空に真っ赤な門がすごく映えてさらに堂々した雰囲気に。「美」しく「福」を呼ぶ「門」って、なんて縁起が良いのでしょう……。
美福門のそばはこんな様子。ほとんど人がいないので、すごくのびのびした空間です。
ところで、なんでこんなに美しい場所なのに人が少ないのか……?
…
‥
・
その答えは、正殿の入り口からはまるで反対の場所だから!!!!!
(※詳しくは首里城公園 公式サイトをご覧ください。)
首里城公園は南北に長いのですが、本殿に向かうための入り口が左下の総合案内所のあたり。一方で、美福門は地図の右上にあります。
地図内に赤い文字で記された正殿や御内原のエリアはすべて「有料エリア」なので左下の入り口から入らなければならないのですが、美福門はなんと「無料エリア」。
有料エリアからの通り抜けができないので、一度入り口まで戻った後に再度ぐるりと敷地の周りを回ってから訪れなければならないんです……。これが、結構遠い……。
たとえば、東のアザナまで上ってから美福門まで戻ってくるとなると、1時間以上はかかってしまいます。これからの暑くなる季節におすすめできる道順ではないのです……。
でもでも、それでも伝えたいほど魅力的でした。言葉ではもう限界があるので、ぜひ直接見てほしい。きっと感動してもらえるのではないかなと思います。
御内原か美福門。どちらかを訪れるルートだって、十分楽しいです。ただ「1日に両方行くよ!」というチャレンジャーな方は、たくさん水分を持って、ゆるりゆるりと。気の赴くまま、壮大な琉球の世界をほんの少し覗いてみてください。
最後に王道ルートを改めてご紹介します
さて、ここまでで「御内原に行ってみたい!」と感じてくださった方に向けて、最後に守礼門からの道のりを紹介しながら、今回の記事はおしまいにしようと思います。
写真の数が多くなりそうなので、駆け足で行きますよ〜〜〜!
これが、到着して最初に出会う「守礼門」です。
首里城公園の中を歩いていくと、とにかく門が多い。もはや門をチェックポイントとしながら歩いていくのが良さそう。
守礼門をくぐってまっすぐ歩くと、左手には世界遺産の「園比屋武御嶽石門」が現れます。その昔、国王が出かけるときに安全を祈願していた場所です。
次が「歓会門」。石造りのがっしりした門で、出で立ちに圧倒されてか、写真を撮る観光客の方がすごく多い印象でした……!
「瑞泉門」は螺旋状の階段の先にある赤い門。ちなみにわたしは、この雰囲気たっぷりの門が一番のお気に入りです。
「漏刻門」。正殿までもうすぐです。
真っ赤な「広福門」をくぐると、
券売所があるので、こちらでチケットを購入してくださいね〜〜!
最後の門「奉神門」です。やっぱり赤いです。奥に正殿がちらりと見えますね……!
くぐった先には……
どどん!!!!!
「赤い!綺麗!大きい!すごい!!!」とありったけの感情が溢れてきました。
その後、さらに奥へと進むことで、前半で紹介した「御内原」のエリアも堪能できます。あまりの美しさに感情が不安定になるので、冷静さを保ちながらゆっくりと過ごしてください……!
今改めて伝えたい。首里城はとっても最高なところでした
首里城を改めて訪れて感じたのは、大人になった今だからこその楽しみ方があること。
初めて訪れたときは、たしか首里城の歴史や建築の背景ばかりをたくさん教えてもらった記憶があります。
もちろん、それも大事なこと。1945年の沖縄戦によって焼失してしまった首里城が、こんな風に復元されて、愛されて、今この地にある。その事実は忘れたくないし、しっかりと覚えていたいなと強く感じます。
でも、首里城の魅力って、それだけではない気がします。新しくできた御内原のエリアは本当に美しかったし、心が高鳴る瞬間ばかりが訪れました。
歴史も景色も雰囲気も、現地に足を運ぶからこそ体験できるもの。
だから、首里城に興味がないって方も、わたしのように「楽しくなかったから……」と思っている方も、新しい楽しみを見つけてみたい方も、ぜひ空が鮮やかな日を見つけて遊びに行ってみてほしいです。
この記事を通して、ほんの少しでも「首里城に行ってみようかな?」と感じていただけたら、とっても嬉しいです。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました〜!!!
…
…
…
たくさん歩いて疲れたあとは、守礼門の近くにある首里杜館(すいむいかん)2階の「カフェ龍樋(りゅうひ)」でおやつを食べるって流れ、最高でしたよ……! そして、首里城公園内は本当に広いので、水分補給は忘れずに!!!