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沖縄の作家たちへのピュアな応援から始まる 那覇空港新ターミナルからクラフト産業の起点をつくる「Dear Okinawa,」

水澤 陽介

2019.05.30

皆さん、こんにちは!
沖縄に暮らしはじめて6年目、移住歴がまあまあ長くなってきたライターの水澤です!

みなさん、沖縄ってポテンシャルが凄いと思ったことありませんか?

沖縄に訪れた観光客数が、2018年度は過去最高の999万人(ゾロ目!!)。世界でも有数な観光地「ハワイ」の観光客数を70万人ほど超えたそうで。

わたしにも、沖縄に遊びにきた県外の知人が「沖縄いいわ〜」「IT産業が盛り上がっているよね」 と教えてくれるほど。日々、ポテンシャルの高さをひしひしと感じています。

沖縄に暮らしているだけで、切望のまなざしでみられるなんて、魅力のひとつですね。
沖縄さん、ありがとうございます。

さらに、2019年3月13日には沖縄の玄関口「那覇空港」に新ターミナルが完成しました。

 

これまでバスで向かう必要のあったLCCターミナル移転し、新ターミナルとして国内線ターミナル、国際線ターミナルの間にできたことで、全てのターミナルの行き来が屋内でできるようになりました。

ピーチ航空やバニラ・エアを利用するかたもアクセスしやすくなりましたね。

いや〜。 沖縄は完璧、最高。もう来るしかない!!

 

・・・ と終わらないのが今回のテーマです。

 

5月20日に、文化庁から沖縄の「琉球料理、泡盛、芸能」の3つが日本遺産と認定されたのはご存じでしょうか。

観光客が増えても課題のひとつと挙げられるのが、沖縄産業と観光との接点、そして産業を担う働き手をどう育てていくのか。

琉球時代から続く文化が価値として認められて、その次といえば…

 

ものづくり! クラフト産業!! 

そして、ターニングポイントとなるのが、那覇空港新ターミナル内に3月18日にできたクラフト・ショップ「Dear Okinawa,」ではないでしょうか。

Dear Okinawa,公式サイトより(https://dearokinawa.com/)

沖縄で暮らし、沖縄にゆかりのある作家の作品を、しかも空港で出会える場としての役割。

「沖縄に着いたらまず、立ち寄りたい」

そう思ってもらえるような作品の販売はもちろん、沖縄に住む若手クラフト作家を育てていく土壌、その登竜門となる場をもつくる「Craft Gateway Okinawa」を企画しています。

お先にわたし、水澤がこれからの沖縄のものづくり、作り手の可能性を探っていきます。

琉球時代から続く 「ものづくりの縮図」

職人の手で作られたものって、どうしてこうも人の心を動かすのでしょうかね。

Dear Okinawa,の本題に入る前に、「なぜ、クラフトなの?」そう思われた方もいますよね。

沖縄といえば何百年前からものづくりとの縁が深く、過去をたどると琉球時代から続く琉球ガラスやちむんと呼ばれる焼物もそう、今も体験レッスンとして楽しめますよね。

 

おきなわマグネットでも、ライターや編集者が沖縄観光としてシーサーの色付けなど遊びにいった思い出があります…懐かしい。

  • 遊び
  • バスツアー
  • 日帰り
  • 観光バス
魅力たっぷり観光スポットを回る「おきなわマグネット1周年バスツアー」をカスタムオーダーしてみた。

 

沖縄県中部にある読谷村「やちむんの里」では、クラフト作家、そして19の工房が集まる地があったりと、いわば沖縄は「ものづくりの縮図」といえます。

とはいえ時ははかなくも過ぎ、観光とものづくり、観光で訪れる人たちが「この作品、欲しい」と買ってくれるまで結びつかず、作家たちの幸せにつながっていないそう。

さらにいえば、インターネット上での作品の販売を継続している作家はそう多くはありません。

心を動かすものは尊いはずなのに。観光として求められる沖縄とミスマッチが起きているかもしれません。作家を増やしていくために、生計を立てられる仕組みを。Dear Okinawa, は三方よしのプロジェクトなんです。

 

クラフト・ショップの枠をこえる 「リアル」と「オンライン」の可能性

ここで、いよいよ「Dear Okinawa,」の登場です。

 

Dear Okinawa,では、これまでに30年間、工芸の企画流通を行なってきた「ゆいまーる沖縄株式会社」と地域マーケティングを行う「ネイティブ株式会社」が共同運営するクラフト・ショップ。

オープニングイベントでははじめに、ゆいまーる沖縄代表の鈴木修司さんから沖縄全体のクラフト市場を広げていくために。Dear Okinawa,にかける思いを語ってもらいました。

 

オープニングイベントで挨拶を行う、ゆいまーる沖縄株式会社 代表取締役社長・鈴木修司さん(左)

鈴木さん

私たちはオープンするまで、沖縄の各地域に足を運び、空港では手に入らなかったアイテムを、作家さんの思いと商品への願いを一人ひとり聞きながら厳選してきました。

それは、単に沖縄に住む作家さんの商品を販売したいからではなく、工芸の新しい商品開発や観光と工芸を追体験できる工芸ツーリズム、そして工芸の枠を広げることを実現したいからです。

水澤

業界の枠を広げた先に見えるものとは…?

鈴木さん

たとえば、沖縄の旅で見つけた大切なもの。それは、自分自身や誰かの暮らしをほんの少し変える力が宿っていて。それがクラフトの可能性です。

水澤

作家自身のそばに寄り添ってきた鈴木さんならではの深みを感じさせますね。

Dear Okinawa,では、店舗運営と一緒にクラフト産業を加速させる仕掛けとして、インターネット上にセレクトされた情報をも届けて、広げる取り組み「Craft Gateway Okinawa」を発表。

ネイティブの倉重宜弘さんからは、「若い作家さんたちへの登竜門になれば」と期待を込めます。

 

「Craft Gateway Okinawa」について構想を語る、ネイティブ株式会社 代表取締役・倉重宜弘さん。

倉重さん

沖縄全体のものづくり産業の発展を考えるならば、今までに沖縄へ移住してきたセンスが良い作家との関係性はもちろん、沖縄でクラフトをつくってみたい、関わっていきたいという作家の卵を育て、かつ国内外から自然と作り手が集まってくるような土壌が必要なんです。

その土壌をつくるために、作家同士のコンテスト開催や、本日集まってくださった企業とのマッチング支援サポートなどの仕組みをつくっていく必要があったのです。

水澤

協力しあう企業ってどこだろう?

 

Craft Gateway Okinawaに賛同する4社(左から、GMOペパボ株式会社 代表取締役社長・佐藤健太郎さん。株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役副社長・高畑哲平さん、沖縄セルラーアグリ&マルシェ株式会社 代表取締役社長・國吉博樹さん、ネイティブ株式会社 代表取締役・倉重宜弘さん)

 

KDDI ウェブコミュニケーションズ


世界で2000万サイト、国内で170万サイトの実績を持つ、誰でも簡単に無料でWebサイトを作れる「ジンドゥー」に出店されている「紅型だいたい」「ギャラリー森の茶家」「照屋林助三線店」「工房ぬりトン」「島藍」を販売。

GMOペパボ

約50万人の作家が942万点以上の作品が出店する国内最大のハンドメイドマーケット「minne」に出店されている「ZAORIC」「Laphus」「クマゲラ工房」「フレマテ」「closer-okinawa」「Hande und Stitch」「岡田敏幸」「グローリーandアース」を販売。

 

沖縄セルラーアグリ&マルシェ


観光情報サイト「沖縄CLIP」やECサイト「沖縄CLIP-マルシェ」に出店される「琉球ガラスとアロマディフューザーリフィルセット」「シークワーサーボタニカルスキンケアセット」を販売。

 

 

Dear Okinawa, が表現する沖縄らしさ、作家や働く人にも伝播するかたち

ここからは、Dear Okinawa,の展望をそれぞれの企業やスタッフから伺っていきます。まずは、KDDIウェブコミュニケーションズの高畑哲平さんから。

 

高畑さん

もともと、2018年秋ごろからDear Okinawa, にお声かけさせてもらって。私たちは、即決でやろう!と決めましたね。

水澤


大きなプロジェクトだと思いますが、すぐに決められたのですね。

高畑さん

2017年から、沖縄の地方創生プロジェクトとして「Cloud ON OKINAWA」を進めてきて、沖縄在中の作家さんにも「ジンドゥー」を利用してもらっています。そのなかで、作家さんともお話して思うのが、ピュアにすごくいい商品なんですよね。

水澤

純粋に良いものづくりをなさっている人が多い、と。

高畑さん

だからこそ、純粋に成功すべきだし。でも、作家個人で観光客の窓口となる那覇空港で店舗を持つことなんてむずかしい。だからこそ、私たちを通して届けたいお客さんに届けられた、と。

水澤


それは、海外の人も含みますか?

高畑さん

はい、台湾や中国から沖縄に訪れるインバウンドのお客さんについても同じです。クラフト産業の人気は海外でもあって。だから、沖縄には日本産工芸だけではなく、沖縄産工芸もあることから、まずは知ってもらえたらなと思います。

その次に、沖縄のグルーバル化につなげていきたいですよね。たとえば、Dear Okinawa, で販売する作品のうち、台湾などの空港では動物検疫の関係上、皮の商品がNGなんです。残念ながらね。

 

すこしずつ、すこしずつ。お互いのことを知りながら、ルールをよくするのが沖縄とグルーバルとの接点をつくっていく上では大事なんです。

クラフトを海外へ。続いて、ネイティブの倉重さんがDear Okinawa, の沖縄らしさについて伺いました。

 

倉重さん

私たち、Dear Okinawa, を立ち上げるとき、ゆいまーる沖縄の鈴木さんと、「そもそも、沖縄らしさってなんだろうね」と二人で議論を重ねてきました。ここが一番、大変だった(笑)

行き着いたのがロゴにも込めている、4つの沖縄らしさ。それは、「文化」「時間」「自然」「平和」。

(右から)花笠をモチーフにした「文化」、夕日が暮れる様を表現した「時間」、芭蕉布の葉っぱをイメージした「自然」、「平和」のシンボルであるシーサー。

鈴木さん

沖縄らしさを因数分解して、導かれた要素こそが沖縄にしかないものだからね。Dear Okinawa, では基本理念として、ここでしか出会えない、沖縄らしさを持ち帰って欲しいんです。

そして、作品をセレクトしてきたネイティブ 商品プロデューサー・田畑あす香さんから大切な作家の思いを語ってもらいました。

 

田畑さん

正直、オープンするまではむずかしいことがたくさんありました。作家さんによっては、作品を知らない人が代わりに商品を売ることに抵抗があるかたもいます。大切に扱ってもらえないかもしれないとか。それはそうで、作家にとって作品をつくることは子どもを産むようなものですから。

わたしたちはその作家たちの不安を解消しながら、きちんと背景を汲み取って、Dear Okinawa, だから関わりたいと思ってもらえる場にしていきたいと思っています。

沖縄に来てくださった人が、クラフトという(作家の)子どもたちと出会い、育てていきたくなる場をつくっていかないとねと話していました。他にも、Dear Okinawa,で働くひとには、オープニングに合わせて、沖縄へ移住した方もいるほどです。

 

Dear Okinawa, で働くスタッフの皆さん。

沖縄らしさを残る作品とインターネットをかけ算をしていくために。Dear Okinawa, が起点だったよねと言われることがそう遠い未来ではないかもしれませんね。

Dear Okinawa,
〒901-0142 沖縄県那覇市鏡水150那覇空港際内連結ターミナル 2階
営業時間:7:00-20:30
公式サイト:https://dearokinawa.com/
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