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「しょうらいのゆめはしゃちょうになることです」から数十年…あなたのその野望、叶っていますか?それもそうですよね!「起業」と聞くと、大人でも怖気づいてしまうもの。しかし!アイデアは頭の中にあるうちは無です。形にして初めて有になるのです。
今回は、その‘大人のもじもじ’を突破したアクティブな児童・生徒・学生を紹介します!
「なんじょうらぶSHOP」親川明日香さん(中1)/親川茉莉花さん(小4)
南城市を盛り上げたい!という想いで、商品開発から販売までを一貫して手掛けている『なんじょうらぶSHOP」ネット販売を始めたのは、まだ二人とも小学生だった2016年でした。
主力商品は『ヘチマを使った置型芳香剤』です。
さん
小学校の途中まで関東で暮らしていたので、ヘチマは食べるものという沖縄の常識に驚きました。種採り用で廃棄されるはずの乾燥ヘチマは充分に使えると思い‘南城市らしい’商品開発にまさにうってつけでした。
ヘチマと一緒に固められたアロマ入りソイワックスが、香りを室内にゆっくりと放出します。空洞がある乾燥ヘチマにアロマを垂らし込むことで香りが復活する優れものです。
さん
商品をこれも南城市の特産である月桃の葉で包み、ムーチーをイメージした仕上がりにしました。見た目の馴染みやすさだけではなく、認知症予防の効果もあります。流通過程で月桃の葉を良いコンディションに保つにはどうしたら良いのか、苦労しました
起業のターニングポイント
キットでアクセサリーを作るのが好きで、たくさん作りすぎてしまった姉妹。母親が先駆けて運営していたネットショップで出品できないか持ちかけたところ「まずは自分たちでショップ作ってみたらいいよ!」とアドバイスを受けたことが、起業のきっかけだったそう。
「オリジナル商品を開発するなら、住んでいる南城市のカラーが出せるものを作りたいと思いました。この商品がどんな人のどんな家で使われて、どんな楽しみ方をしているのかと思いを巡らせるのがネットショップのおもしろいところです。写真や文章でたくさん魅力を伝えるために、他のショップを見て研究をしています」
2018年の夏には、「らぶSHOPマルシェ」と題してイベントも主催。
声かけをして出店店舗を集め、さらにはイベント全体の協賛企業も自分たちで募ったそうです。
さん
商品を買ってくれた方との触れ合いが嬉しかったです。イベントの途中でレイアウトを変更してみたり、急遽キャンペーンを打ったりしました。
現場で判断してどう動けば良いかを学べた経験が積めたのは大きかったです。
姉妹が見つめるその先は…
最後に、なんじょうらぶSHOPが見据える未来を訊いてみました。
さん
最終的には仕組みを作っていきたいです。このヘチマを使った置型芳香剤を福祉施設でOEM(委託ブランド製造)してもらうことで雇用を創出し、本来廃棄するはずだった乾燥ヘチマを提供してもらうことで環境保全にもつながる。新たな特産品になれば観光にも貢献できると思っています!
思ってた以上の壮大な答え!地域の循環まで意識しているのは脱帽です。
「姉の明日香は真面目にたんたんと積み上げていくのが得意で、妹の茉莉花は発想力や勢いが持ち味。この二人でお互いを補って前に進んでいけることが、このショップの強みだと思います」
と話す母。これから、なんじょうらぶSHOPはどう加速していくのか…今後の展開に注目です。
「はらぺこBOX ちゅる」古波津のえるさん(大学2年)
小学校の向かいにある愛嬌たっぷりのお菓子屋さん「はらぺこBOX ちゅる」
手作りのクッキーやスコーンが並び、子どもたちのために手頃な駄菓子やくじ引きも用意。店先には「ちゅるだより」と題して、道行く人に季節のメッセージまで添えてくれ、温かさを感じます。店舗名と相まって、ここの店主は人が好きなんだということが一目で伝わるお店です。
おやつ時には近所の方が3時茶を楽しみ、放課後のチャイムが鳴ると子どもたちが走って店にやって来ます。ガラス越しに手を振られる光景もしばしば見られ、間違いなくハートフルな空間です。
「お母さんにはいくら使って良いって言われたの?」と子どもたちに訊く姿は、店員さんを超えて、もはやみんなのお姉さん的存在。のーえーの愛称で親しまれています。
高校卒業直前に決意!店舗造りはDIY!
さん
高校3年の2月に開店準備を始めました。もうすぐで高校を卒業するという時期でしたね~。内装など3か月かけて仕上げたので、ちょうど大学入学と重なっていました。準備に、授業に、自練に…なんでこのタイミングにしたんですかね~!
改装をしている時から応援しているお客さんは、今では常連さん。
身内も一緒に楽しみながら作り上げていった店舗は相当な愛着です。
当時若干18歳。お店を始めようと思い立ったきっかけは何だったのでしょう。
さん
もともとは漠然と『定年したら第二の人生でお店や~ろう』くらいで考えてたんですよ!それが偶然が重なりタイミングが訪れてしまったんです…
60歳で設定していた人生設計を、一気に40年以上も縮めてしまった大事件とは何だったのかっ。
さん
いきつけのたこ焼き屋さんが閉店してしまったんです!!!
いきつけのお店が閉まってしまう経験、僕にもある!この記事を読んでいるあなたにもあるはず!そんなに決断を早める出来事だとは到底思えないが、続きを聞こう。
さん
閉店の知らせを聞いて寂しくて寂しくて…。そのお店が他人の手に渡ってしまうのはいやだなぁと思って、それなら私で引き受けようと決意しました。
…たこ焼き屋さんをそのまま継ぐことは考えなかったのか、ですか?あ、それは全く思いませんでした
ズコーッ!これはズコーッであります。
たこ焼き屋さんがどうこうではなく、人がつながる場所を無くしたくなかったとの想いからだったんですね。
ちなみに、たこ焼き屋さんは身内ではないそうです。
準備~開店からの大変さ、上回る喜び
そして、気になるのは開店資金の工面。大変だったのではなかろうか。
さん
両親が小さい時に貰ったお年玉や入学祝い、出産祝いまで私のためにって貯めていてくれたんです。両親から背中を押してもらうような形で、それを資金に回しました。初期費用でこれまで経験したことがないまとまったお金を一気に支払ったので、ちょっと吐きそうになりました。
高校在学中にお店をやろう!というバイタリティ。同級生の反応は?
さん
同級生からは『詐欺に遭ってるんじゃん?』とか言われたりしました(笑)いざ始めてみると、アルバイトの経験も無いまま勢いで始めたので大変なことだらけですよ。壁にぶち当たってその都度学んでいく、という感じです。お客さんがみんな優しくて…周りの優しさで支えられているお店です。
開店前に毎日作る焼き菓子
ドリンクは100円からと良心的。店内にイートインスペースもあります。
さん
人と出会うことって凄いことだなぁって思うんです。毎日開店するときは『今日は誰が来てくれるのかなぁ』ってワクワクしています。
今後はフットワークを軽くして、いろんなイベントに出店して自分から出向いて行きたいと思っています。
みんなが気軽に遊びに来てくれるようなお店を目指してやっていきます。大学を卒業してもお店続けたいです。楽しいですから!
ポストに入っていたという、達筆な文字が書かれた応援のお手紙。
のえるさんのモットーは「優しさのリレー」。巡る優しさを胸に、今日の目の前の人を笑顔に…
【住所】宜野湾市普天間1-7-3
【営業】15:00-19:00(月・木・金・土) 13:00-19:00(日)
※オーナーの大学の授業により変動あり
【定休】火曜・水曜
【電話】070-3800-4005