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みなさんこんにちは!
いきなりこんな、カマキリと睨めっこのボヤけた写真で登場してしまい、すみません。泡盛じょーぐーライターのクダカです。
今回は、泡盛でもグルメの取材でもなく、移住を検討している方にぜひ知ってもらいたい沖縄の自然アクティビティをご紹介したいと思います♪沖縄での初夏に、自然の中をガイドと一緒に探検するエコツアーに出かけてきました!
ちなみにエコツアーとは、自然を娯楽として楽しむだけではなく、観察したり体験しながらその仕組みを学んだり、生き物や自然環境を保護する活動に参加したりすることで、保護や保全への関心を高めることを目的とするアクティビティのことを指します。
本記事は、沖縄の分譲マンション・コンフォートシリーズ「株式会社東豊」の提供でお届けします。
沖縄はサンゴ礁に囲まれた島であり、3割が森林地帯となっている自然溢れる場所
と、エコツアーに出かける前に、改めて沖縄の自然について調べてみます。1年を通して温暖で、年間降水量が2,000ミリを超える亜熱帯気候の沖縄。夏になると「カタブイ」と呼ばれる、いわゆるスコールのような雨が降るなど、日本本土の気候との違いに驚いたことがある方もいるのではないでしょうか。
カタブイの様子。右奥のところがスコールになっています
沖縄の代名詞ともいえる海に注目してみると、遠浅のサンゴ礁のリーフが広がっていたり、石灰岩が切り立った崖になっていたり、と独特な地形になっています。
豊かな海の中では、小さな魚からザトウクジラまでいろんな生き物が共存。「イノー」と呼ばれる、陸地とサンゴ礁に囲まれた浅いおだやかな海が広がり、干潮時には小魚や貝・海藻など、海の幸が姿を現します。
一方、陸には国有林の約3割を占める亜熱帯気候特有の森林が広がり、マングローブ群が数多くあるのが特徴。沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる地域や西表島の森林には、豊かな原生林が残っています。ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなど貴重な動物が生息していることでも知られていますね。
沖縄の自然の中をアカデミックに探検する「キュリオス沖縄」へ
今回は、「沖縄でマニアックな動植物トリビアを聞くことができる魅力的なエコツアーがある」という噂を聞きつけ、「キュリオス沖縄」の宮崎悠さんにガイドをお願いしました!
宮崎さんは、大学院の博士課程で「八放サンゴの分類学」を専門に学んだという、正真正銘の生物学ハカセ!もともと小さな頃から自然が好きで、植物から昆虫・爬虫類までいろいろなものに興味と知識を持っており、自然に関するアカデミックなトリビアを次々と繰り出してくるハイスペックガイドさんです。
そもそも「キュリオス沖縄」って?
宮崎さんが代表を務めるキュリオス沖縄の公式サイトを覗いてみると、やんばるや南部の山林を観察するハイキングツアーや、潮が引いたサンゴ礁の海で暮らす生き物を観察するツアーなど、様々なツアーがあります。
そう!キュリオス沖縄では、沖縄の自然が持つ「本当の魅力」を伝えるようなエコツアーやネイチャーツアーを提供しているんです。
大学で生物学の博士号をとった宮崎さん。研究室に残ってそのまま研究を続けることより、「一般の方に自然の面白さを伝える仕事がしたい」とキュリオス沖縄を始めたそうで、以下のようなコメントもいただきました。
沖縄って海とか山とか自然が観光資源だって言われているわりに、その自然について詳しく知ろうっていうツアーがあまりないんですよね。大学で専門に学んだ人材が自然をじっくり見て回るツアーを案内することで、より楽しんでもらえるんじゃないかと思っています。
東京から参加された川口さん一家と一緒に森ツアーに出発!
6月某日、東京から旅行で沖縄に訪れた川口さん一家とともに「がじゅまるの森コース、ハカセと行く南部の自然観察ウォーキング」ツアーに参加しました。
このコースは、那覇空港から車で約30分とアクセスが良い南部地域の森が探検スポットになっています。その中でも今回は、八重瀬町役場旧出張所の前に広がる「八重瀬散歩道」で約2時間半の自然観察を堪能。
散歩道に向かう道中、リュウキュウキノボリトカゲに遭遇しました!奄美・沖縄諸島に分布する南西諸島固有の珍しい爬虫類なのだそうで、さっそくの“オオモノ”に宮崎さんも嬉しそう!まるで恐竜のようなその迫力ある姿にみんな大盛り上がり。幸先の良いスタートです♪
ツアー参加者はファミリーが多いそうですが、若い女性のグループや大学生の旅行、シニアで植物好きな方、元々沖縄にルーツがあるけど県外に住まれている方が申し込むことも多いのだとか。五感すべてを使って自然を感じることができるなんて、子どもの知的好奇心を育むのにぴったりなアクティビティですよね。
川口さん一家は、お父さんの影響で昆虫が大好きな長男くんを含めた5名での参加。普段、家の近所でも昆虫を観察するそうで、沖縄の森でも素手でガンガン虫と触れ合っていきます。
私、クダカも川口家の長男くんに促されるまま恐る恐る…タッチ!
この枝のような細い胴体の昆虫は、フダマキモドキ、エダナナフシ。
まるで木の枝に6本の脚が生えたような体型の昆虫で、木や葉にくっついている状態だと見逃してしまいそう。気づかないだけで、市街地の近くでも生息しているそうですよ。
ツアーの間、一番多く見かけたのがナナホシキンカメムシです。南西諸島にしか生息しないキンカメムシで、金緑色のきれいな光沢が特徴。腹部全体を覆う小楯板には6〜7個の濃紺色の紋があります。
宮崎さんがまるで虫の目のようにいたるところで様々な昆虫や綺麗な植物を見つけてくれ、沖縄の自然をわかりやすく紹介してくれます。
こちらはシリケンイモリ。しっぽがありますが、カエルと同じ「両生類」の仲間で、よく見ると前あしの指が4本、後ろあしの指が5本になっています(トカゲの仲間はたいてい両方とも5本)。
森の中の池や小さな流れ、湿地などに見られますが、雨が降っていたり、森の地面が湿ったりしていると、水場から離れたところでも見られます。沖縄本島とその周辺の島々だけにいるそうですよ。
こちらはサクラランの花。サクラランは石灰岩の森に多いつる性の植物で、まるでソフトビニールのような感触の厚くて硬い葉をもっています。
サクラランのつるはは石や樹の上を根っこでくっつくながら成長しますが、花はつるがぶ垂れ下がった場所にしか咲きません。サクラランの株はたくさん見つかりますが、咲いているのにめぐりあうのは結構な幸運です。
このようなツアーには初めて参加させてもらったんですが、実際に触れたり、写真を撮ったりと充実の2時間半でした。
宮崎さんはツアーの間中ほぼしゃべりっぱなしで、びっくりするほどの知識量!なのに「今日のお子さんはじっくり話を聞くというより、動き回って実際に見るってタイプだったので少ない方でした。お客さんに合わせて、もっとうんちくを話すこともあります」と笑顔で言ってのけました。圧巻です!
自然大好きハカセに聞く、沖縄自然のおもしろさ
ツアー参加後、宮崎さんに沖縄の自然の面白さについてあれこれ質問してみました!
沖縄の自然の見どころについて教えてください。
まずはやっぱり、本土と沖縄の自然の違いを感じてほしいと思います。
山や森に入ると、気候の影響もあって生えている植物が違うので、景観がずいぶん違います。
あと実は、那覇の街中に咲いているハイビスカスやブーゲンビリアなど“沖縄らしさ”を感じる花々はもともとは沖縄になかった植物なんですよ。だから沖縄の山の中には街中とは全く違う種類の植物が生えていることも感じて欲しいです。
特に沖縄原産のユウナ(オオハマボウ)は必見です。
ハイビスカス科の黄色い花で、海岸や街路樹に多く見られます。散る直前に色が変わる点が大きな特徴で、ハート形の葉っぱは大昔お尻を吹くために使っていたとか。沖縄の文化に根ざした植物です。
本土と沖縄に生息する昆虫を比べてみると、アブラゼミとリュウキュウアブラゼミのように、一見本土のものと同じようでもちょっと違う種類がいたり、たとえば先ほど登場したナナホシキンカメムシなど、本土とは全くちがう南方系、熱帯性の種類がいたりします。
今回のツアーのコースで見られる昆虫で特に面白いのは、シロオビアゲハですね。黒色で後翅に白色の斑紋列がある、奄美諸島以南に分布する南方系のアゲハチョウです。
シロオビアゲハのメスには、普通の模様の個体のほかに、後翅の中央に白色の大きな紋と外縁沿いに赤色の斑紋列をもつ「ベニモン型」と呼ばれる個体がいて、毒をもつジャコウアゲハやベニモンアゲハに擬態して自分を守っていると言われています。
模様は全然違うのに、シロオビアゲハのオスはベニモン型のメスにもちゃんと求愛します。
海で考えても、そもそも本土にはサンゴ礁がないので、岩の形や生き物が全然違います。
特に見て欲しいのは、ウデフリクモヒトデです。サンゴ礁や岩礁の隙間にすんでいて、潮が満ちてくると口側を上向きにして5本の腕のうち3本を隙間から出し、手招きするように激しく振って餌を集めるんです。
家族連れにもオススメ!ガイドがなしでも手軽&安全に楽しめる沖縄の自然スポット3選(森、サンゴ礁、マングローブ)
とってもユニークな沖縄の自然のおもしろさを伺っていると、あなたもおでかけしたくなったのでは? お話の途中ですが、特別コンテンツとしてここでは宮崎さんがオススメするお手軽で安全な自然スポットをご紹介。
このように手軽に楽しめる自然が身近にあるのが沖縄の大きな魅力です。
1.名護城公園
沖縄本島北部の玄関口、名護市にある広大な自然公園。名護岳のふもとの西側が、まるごと公園になっています。桜の名所としても有名ですが、園内には森林の中を通る遊歩道がいくつもあり、やんばるの草花や樹木、昆虫などを探すことができます。
チョウやセミなどは簡単に見つかりますが、その他の昆虫は、ただぼーっとと歩いていてもなかなか見つかりません。でも草むらを探したり、樹の葉の表や裏をのぞいたりといった、いわゆる「ルッキング」がしっかりできれば、いろいろなものを見つけることができるでしょう。
サンダルは避け、運動靴、トレッキングシューズ、長靴などを履きます。蚊も多いので虫除けはしっかり。スプレー式の虫除けは、不必要に虫を殺さないため、なるべく森に入る前に使うようにしましょう。
くれぐれもハブには注意。足元の見えない草むらなどには立ち入らないように。
住所:沖縄県名護市名護 名護5511(MAP)
2.残波ビーチ横の海岸
潮が引いた後のサンゴ礁の自然観察に最適な海岸。遊泳エリアになっている「残波ビーチ」のすぐ隣(北側)です。近くに残波岬公園の広大な駐車場もあり、トイレも自販機も揃っているのでとても便利です。
潮が引いた時に行けば、生きたサンゴをはじめ、さまざまな魚やナマコ、ウニ、春先ならウミウシなどを見ることができます。
手をケガしないように手袋(軍手ではなくゴム張りの作業用手袋がオススメ)、靴は運動靴か、できればフェルト底のマリンシューズ(サンダルやクロックスは危険)、熱中症予防のために帽子と飲み物を必ず持っていきましょう。引き潮の時間と潮位を事前に調べていくのも忘れずに(潮位は最干潮時40cm以下くらいが目安です)。
「ガイドなしでも」と書きましたが、沖縄のサンゴ礁で自然観察をする場合、危険生物に関する最低限の知識は必須です。襲いかかってくるような生き物はいませんが、毒の棘を持っていたり、歯が鋭かったりして、うっかり踏んだり掴んだりすると痛い目に遭う、どころか中には命に関わるものもいます。住所:沖縄県中頭郡読谷村宇座1933(MAP)
3.水鳥湿地センター
沖縄県豊見城市の那覇市寄りにある、マングローブ林が手軽&安全に観察できる木道を備えた施設です。平成15年5月に環境省によって設置されました。
汽水域の泥の中に根を下ろすマングローブの樹木をはじめ、干潮になるとシオマネキ類をはじめとして様々なカニの仲間、ミナミトビハゼなどが観察できます。また水鳥の有名スポットでもあります。カニの観察は暖かい時期がオススメ。ほかに施設内に水槽やジオラマなどの展示物もあり、また定期的に専門家によるイベントも行われています。
木道なので靴も服装も普段のもので大丈夫です。カニやトビハゼの観察は、双眼鏡を持っていくと面白いでしょう。夏場は熱中症にだけ注意しましょう。
住所:沖縄県豊見城市豊見城982(MAP)
キュリオス沖縄が目指す「ほんとの魅力に触れるエコツアー」とは?
やんばるで有名な北部ではなく、今回のツアーは八重瀬町ですが南部にもこれだけ豊かな自然が残っていることに感動しました!
うれしいです!もしかすると最近はどこの地域でもそうなのかもしれませんが、沖縄の自然については、なかなか地元の方が大きな興味を持っていない状況があると思います。
もちろん好きな方もいるんですが、もっともっと「沖縄の自然ってすごい」と考える方が増えてもいいんじゃないかと思っていますね。
国立公園にもなっているやんばる地区に比べて、南部の方はあまり注目もされていなくて、このままでは海が埋め立てられ山が切り開かれていく可能性もあります。
まずはこの面白さに触れてもらって、自然を楽しむツアーを沖縄の魅力として発信していくことで「観光資源が増え、観光客や移住者も増えることで経済が活性化するキッカケになりえるんですよ」と地元の人たちや子ども達にも伝えていきたいなと思っています。また、これらの自然に魅力を感じてくれて移住を決める方も増えてくれば、とっても嬉しいですね。
「子ども達に」という言葉が出て来ましたが、お子さんが参加する時にはどんなことに気をつけているんですか?
子供の時、図鑑で見て昆虫などを好きな子は割と多いと思うんですが、実物を見て「昆虫や自然ってこういうものだよ」って知ったうえで大人になるって大切だなと思うんです。
というのも、自然を守ったほうがいいってみんなわかっていると思うんですけど、実際に自分の身近にある自然がどういうもので、どういう生き物がどんなものを食べて暮らしていて、どういう風にすると壊れるのかっていうことは意外と知らない。
「珊瑚を守らなきゃいけない」って言っても、珊瑚ってどんな手触りのどんなものかって知らなかったりして。専門家じゃなくても「あそこで見たゴツゴツしたものだ」って実感として覚えているってすごく大切なんですね。さもないと、すごいトンチンカンな自然保護をしてしまったりするんです。
大人になって全然関わってなくても、小さな頃に自然に触れたことがある方はリテラシーが高くなったりするので、自然の中で遊んだり探したりする中で「自然ってこうやったら危ない」とかを伝えることを目指しています。
最近、やんばる(沖縄本島の北部地域)では世界自然遺産を目指そうという動きがあって、注目されていますね。
そうですね、盛り上がっていますね!もちろん世界自然遺産ってすごくいいことなんですけど「自然遺産になったから行こう」ではなく、「沖沖縄の自然って面白い」というところにもっと注目が集まるといいなと思います。
そうでないと、一時的に人が増えても、その楽しみ方を知らないまま山に入って面白さを感じられなくて「こんなもんか」となってしまうと思います。そういうことが繰り返されて、一過性のもので終わってしまったら残念ですよね。
例えば、私は那覇に住んでいるのですが、そこでおすすめのネイチャースポットはありますか?
那覇だと「末吉公園」はとてもおすすめです!市街地のすぐ近くにあるんですが、今日紹介したような昆虫や植物はほとんど見られるので、ぜひ出かけてみてください。
僕らは、やんばるの秘境とかを案内することはないんですよ。あくまで身近なところで楽しんでもらう中で、自然に触れておもしろさを伝えることによって自然を守って行きたいですね。
※末吉公園は蛍や一夜だけ咲き、夜明けとともに散ってしまうことから幻の花と言われるサガリバナが有名です
最後に、この記事を読んでくれた方々にメッセージをお願いします!
沖縄の海は綺麗なので、もちろん見て楽しむのもいいんですけど、沖縄にいるからにはそこにどんな生き物がいるのか、どんな生態系があるのかって興味を持つともっと面白くなるんじゃないかと思います。
沖縄だけに限らないんですが、よくある公園でも意外にユニークな自然が広がっていたりするので、そういったところに興味を持ち始めると普段から自然との繋がりができますよね。
あと、なれていない方だと、どれが危ない生き物が分からないから心配だって意見を聞くこともあるんです。そういう不安も取り除くことができるので、ぜひ一度ツアーに参加してみてください!
宮崎さん、ありがとうございました!
沖縄の自然を楽しく学べるエコツアーに参加してみて
今回は、キュリオス沖縄の宮崎さんに沖縄の自然の魅力を教えてもらいました。
「沖縄の自然」とひとくちに言っても、海と川でも違うし、北部と南部、離島でも全く違うということもわかりました。決して大きい島ではないにもかかわらず、それだけ豊かな生態系が育まれているのを感じます。せっかくこのような場所に住んでいるので、それぞれの場所で生息する生物や植物に触れながら、見るだけでは感じられない豊かな自然の良さにもっと気付いていきたいなと思いました。
亜熱帯気候の沖縄では、夏だけでなく年中観察できるのもいいですね!ぜひみなさんも、宮崎さんの豊富な知識を聞きながらのエコツアーに出かけてみてください。沖縄のディープな自然は大人はもちろん、子どもたちの成長に活かされることもマチガイナシですよ。
山はもちろん、海にも囲まれている自然のたっぷりの沖縄。ぜひ一度ご家族でその自然を体験してみるのはいかがですか? この記事は沖縄県内のデザイナーズマンション コンフォートシリーズの株式会社東豊のご提供でお届けします。
※観光客や移住者もさらに増えてくる沖縄にとって、自然を楽しむ上でのルール/マナーとても重要です。自分さえよければという考えの行動によって立ち入り禁止になったり、その地域の生態系に深刻な被害を及ぼしてしまうこともあります。マナー良く、事故ゼロでみんなが楽しめる沖縄の自然を末永く一緒に守っていきましょう。