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「価値観の違いを自然に受け入れるために」 沖縄にあるインターナショナルスクールが行う仕掛けとは?

水澤 陽介

2017.03.12

I have a pen. I have an Apple. Ah

 

なんていって、ウケているのは欧米ですよね。私、ライター水澤も小学校のときは、はじめての英語の授業でわくわくしながら、上記に似た単語を復唱した記憶があります。ええー、それから使った試しはありません。

さて、ここから本題。

私が沖縄に移住をした2013年当時、「子どもの教育」がクローズアップされていました。なぜなら、2007年から2013年の6年間連続で文部科学省が行う全国学力テストで沖縄が最下位だったから。

「青い海や南国らしさには憧れるけど……、子どもの教育を考えるとね」と、根強く心配する親も少なくありません。

でもね、奥さん!

沖縄に、国際基督教大学(ICU)・早稲田大学・上智大学といった名門大学に入学できるほどの教育を受けられる学校があるとしたら通わせたいとは思いませんか?

今年、2017年に設立60周年を迎える、「沖縄クリスチャンスクールインターナショナル(以後、OCSI)」に答えがありました。

東シナ海を一望できる読谷村にキャンパスを構えます

私、1人だと心持たないため、今回は一般のご家族とともに、学校内を見学(オープンハウス)に行ってきましたので、その様子を子ども目線でレポートします。

生徒たちが自主的にやる気になる秘訣とは?

 

2017年3月某日。

僕、武琉(5歳)は未知のせかいに出会ったんだ。

はじまりはね。

みずさわ、というおじさんが「インターナショナルスクールに行きたい!」と言ってね。読谷まで僕とお母さんを連れていってくれたんだ。

おぉー。

もそもそ、と動く。ピピッ、と鳴くね……。

「このロボットは、R2-D2(アールツーディーツー)といってね。僕が内部を作ったんだ」

「学生たちにも、ものづくりの楽しさを感じてほしくて、3Dプリンターを使って、ミニカーなどを作ったりするんだ。自動的に動くようにプログラミングもしてね」

もう、びっくり。

これから、OCSIに通う高校生のお兄さん・お姉さんたちに学校を案内してくれるんだって。

「私たち、生徒会に入ることで、オープンハウスで学校を案内するなどの活動に関わるために授業のお休みをもらえます。学生たちのやる気を尊重してくれるからうれしい」

あっ!

生徒会は成績が優秀な生徒さんが選ばれるみたい。

僕と同じ年の子は、先生がいなくても黙々と勉強しているよ。

「OCSIの生徒(3歳から18歳)には、それぞれMacのIDをもらえます。そのため、学内のパソコンを使って勉強もできますね」

「こんにちは」

先生たちも、僕と同じ目線でお話ししてくれるんだ。恥ずかしかったけどね。

「先生によって授業の内容はもちろん、机や椅子の配置、レイアウトも違います」

友達と一緒に勉強したい子は机を囲んで、もくもくとやりたい子は1人でやってもいいんだって。

「畳を敷いて、お昼寝してもいいクラス。

宿題が終われば、あとは自由時間のクラス。

先生たちが、子どもたちの様子を見ながら、オリジナルで決めています」

(・・・僕にはどんな授業をしてくれるのかな?)

あとね、授業とは別にプロジェクトがあってね。自分たちのやりたいことをやってもいいんだってさ。

「この部屋にある、ロッカーと椅子に書かれたイラストとデザインは、私たち、みんなで考えて、先生にプレゼンしました。先生とは、資料や宿題をGoogleドライブで共有しているので、企画書や予算案なども自分たちで作って見せることができます。

あと、学内のカメラを使って、1年間の学校行事をまとめたイヤーブック(Year Book)をPhotoshopで作ったり、自分たちで売店をはじめて、集めたお金を修学旅行費に回したり、いろいろなプロジェクトを行うことができて楽しいですね」

インターナショナルスクールには、日本人の子どももいっぱいいたし、一緒に遊びたかったな。

新しい世界で、もうドキドキ。でも、こんな学校もいいな。

武琉くん、ありがとう!

 

 

ここからは、OCSIで学校長のアシスタントを行なってる、ノヴァック キオミさんにお話を伺った。

東京のインターナショナルスクールに通い、中学からアメリカで暮らす。その後、2016年に沖縄移住。現在はOCSIでは学校長のアシスタントをしている。

水澤水澤

正直、僕がOCSIに入り直したいぐらいでした。

キオミさんキオミ
さん

ありがとうございます(笑)

水澤水澤

案内してくれた高校生のお二人も、日本語で対応してくれてわかりやすかったです。

キオミさんキオミ
さん

私たちの特徴でもありますが、生徒たちの割合として日本と海外、それぞれ半々。生徒たちも、相手によって日本語で話したり、英語で話したりと、相手に伝わる言葉で話している節がありますね。

キオミさんキオミ
さん

ただ、OCSIの基本として「英語を勉強する」ところではなく、「英語で勉強する」ところ。だから、英語を1つの科目として見ている子どもには厳しいと思います。

水澤水澤

どのように子どもたちの適性を見ているんですか?

キオミさんキオミ
さん

入学希望の子どもたちは、入学テストを受けてもらったり、私たちや校長先生とのインタビューがあります。そこで、1日中英語で学ぶ環境において、ストレスを感じないかなどチェックしています。

キオミさんキオミ
さん

親御さんによって、1年前から入学を希望しているかたも。ただ、子どもの適正によっては、お互いに不幸になってしまいますから、ここは慎重に見極めています。

水澤水澤

費用はどのくらいかかりますか?

キオミさんキオミ
さん

私たちは学校内に幼稚部・小学部・中等部・高等部が一緒になっていまして、料金は以下の通りになります。

Kindergarten(幼稚部) :
¥638,500
Elementary(小学部) :
¥740,500
Middle School(中等部) :
¥791,000
High School(高等部) :
¥816,000

その他、費用についてはホームページからご確認ください。
詳しい料金表はこちら

水澤水澤

東京にあるインターナショナルスクールの費用相場が100万円から200万円なので、かなり安いですね。

キオミさんキオミ
さん

沖縄、しかも読谷にありますからね。私もはじめて来たときは、「なんて、でかいキャンパス!」と驚きました。あと、目の前に広がる海と自然は、何にも変えられないものだと思います。

水澤水澤

下は3歳から、上は18歳まで。お互いに挨拶しあったり、一緒に遊んだりと仲が良いなという印象でした。

キオミさんキオミ
さん

上の子が下の子の面倒をみることは、文化として代々引き継いでいます。その根幹には、「自分とは、違う価値観がここには当たり前にある」ことなんです。

キオミさんキオミ
さん

同級生がそうですし、先生たちの授業スタイルもまったく違いますよね。学校内のルールはありますけど、子どもたちを箱に閉じ込めるのではなく、はみ出してもいいんだよと伝えています。

水澤水澤

OCSIはスポーツにも力を入れていて、海外遠征に連れていってくれると学生さんに教えてもらいました。

キオミさんキオミ
さん

子どもの好きなものも、一人ひとり違っていて当たり前ですよね。私たちは、きちんとそれを汲みとってあげること。そして、好きなことを伸ばしてあげられるような先生たちを揃えています。

授業の1コマで、プロカメラマンとして活躍する先生が写真や映像の撮り方を教えています

水澤水澤

子どもたちにどんなことを教えればいいのか、親も悩んでいると聞きます。

キオミさんキオミ
さん

沖縄に限らず、親御さんによっては「インターナショナルスクールに行かせているから、もう大丈夫」と思う親もいる。でも、私たちは、親御さんと一緒に学んでいけたらと思っています。子どもたちの接しかたや叱りかたなど、答えは1つではないはずですから。

水澤水澤

子どもたちの教育を、学校や親御さん、片方に押し付けるのではなく、一緒に育てていく、と。

キオミさんキオミ
さん

はい。親も一緒に子どもの宿題を見てあげたり、先生とお話したり、当校のイベントに来てもらい、他の外国人の親御さんとコミュニケーションしていく中で、教育は作られていくと思います。

水澤水澤

御校の60周年は、そういった積み重ねが強みになっているのですね。

「子どもの教育」をきっかけに、私たちも成長していく

子どもの教育水準をあげることは、簡単なことではありません。ただ、OCSIの取り組みをみて、教育の礎を築くためには積み上げていくこと、そう感じました。

まずは、私たちが子どもたちに授かった、さまざまな価値観の違いを認めることからはじめてみませんか。そして、私と一緒に学校内を回ってくれた武琉くんの未来に対して、良いきっかけになってくれるとうれしく思います。

OCSIのいいところ(まとめ)

①首都圏のインターナショナルスクールに比べて、学費が断然に安いこと。

②生徒の割合が、日本人と外国人が半々なので、小学校・中学校から入学しても友達が作りやすいこと。(中学生から入ることもできます)

③先生たちのスキルが高く、子どもたちにベストな教育を提案してくれること。

④3Dプリンターや撮影スタジオなど、最新の技術にもふれることができること。

⑤とにかく子どもたちがかわいいこと。

 

沖縄クリスチャンスクールインターナショナル
住所:沖縄県中頭郡読谷村字座喜味1835
TEL:098-958-3000
E-mail:
WEBサイト:http://ocsi.org学校見学(オープンハウス)は、毎年3月に開催しています。その他、随時イベントなども行うため、Facebookページ(https://www.facebook.com/ocsiconnect)もチェックしてみよう!