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沖縄で会社員をしながら、ライターとして活動している照屋美久です。
浦添市で一人暮らしをしている私にとっての強い味方!それは、浦添市沢岻にある「ナカハラストアー」です。お店の外には所狭しと野菜や果物、苗木などが並び、このスーパーは24時間営業なのです。深夜に訪れてもお惣菜やおにぎりが充実し、「今夜はご飯を作るのが面倒だな…」と思った時に利用しています。
沖縄のまちゃーぐゎー(商店)のようなどこか懐かしく、コンビニや大型スーパーが拡大する中、地元の人々に愛され続ける秘訣は一体何なのか。今回は、浦添市のローカルなスーパー「ナカハラストアー」さんを取材してきました。
大きい!出来立て!具だくさん!ナカハラストアーのおにぎりが、地元民を魅了する理由
お店に入ると、すぐに「おにぎりコーナー」を発見。この日は、9種類のおにぎりが販売され、まだほんのりと温かい…。
お客様が来店しては、おにぎりを手にレジへと向かい、目を離した隙に鮭のおにぎりが残り1個。早っ!と思っていたら、作りたてのおにぎりをスタッフが並べては、また30分後に売り切れて…を繰り返すような状況です。
おにぎりの特徴は、「大きい」「出来たて」「具だくさん」。お客さんが次々と訪れては、おにぎりを手に取り、1個110円(税込み)という嬉しい価格な上に食べ応えがあります。
「ああっ!お目当てのおにぎりがない!」
そんなときでも大丈夫。かわいらしいポップをご覧ください。売り切れていた場合、店員さんに「鮭マヨが食べたいんです…」とお願いすれば、厨房で握ってくれるのです。出来立て熱々のおにぎりを購入でき、しかも基本は、24時間対応しているとか…(えええっ!?)
ナカハラストアー最大の特徴は「おにぎり」でしょう。
いつでも欲しいおにぎりが手に入る!小さいスーパーだからこそ可能なサービス。お客さんに喜んでもらいたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。ナカハラストアー手作りのおにぎりは、お腹だけでなく心も満たしてくれるのです…。
中でも人気なのが「鶏そぼろ」だとか。これはおいしそう…。
おにぎりを割るとたくさんの具が…。甘めに味付けされた鶏そぼろがご飯とベストマッチ。店頭に並んだ途端、すぐに売れていき、さすがの人気商品です。オーナーの仲原さんによると、鶏そぼろは若い方がよく買っていくんだそう。
スタッフさんが厨房でおにぎりをにぎる様子。
湯気が立つ熱々のご飯を手の平にのせ、ペースト状の梅を入れて、素早く握っていきます。とても熱いはずなのに、何食わぬ顔でおにぎりを握るスタッフさん。さすがプロだ!
おにぎりを綺麗な三角に整えて海苔を巻いていきます。上にも具をのせることで、何味かがわかる。あっという間の作業時間で驚きました。あぁ~、このままかぶりつきたい…!
ナカハラストアーでは、おにぎりが一番の人気商品。おにぎりのお供にぴったりな揚げ物もありますよ。
どんどん増えていく揚げ物…その数なんと40種類以上!
揚げ物コーナーを見回してみると、ドラムチキンやコロッケなどが並び、ポップの多さが目を引きます…!
カニクリームコロッケ110円、海鮮団子80円、白身フライ70円、うずらの玉子60円、メンチカツ100円などなど。なんと「紅芋コロッケ」がひとつ38円です。安い!
厨房のスタッフは揚げ物の調理に大忙し。厨房と惣菜コーナーを行ったり来たりして休む暇がなさそう。店長さんに「なぜこんなに揚げ物の数が多いのか」と伺ってみました。
それぞれに好みが違うお客さんの「こんな揚げ物が食べたい!」という要望を聞いているうちにどんどん種類が増えて、気づけば数多くの揚げ物がそろっていったとか。また、揚げ物は老若男女を問わず、気軽に買う人が多いことに気づき、種類を増やせば客も増えていくだろうと考えたのだそうです。
お昼前の11時頃には、40種類以上の揚げ物がずらーっと並びます。何を食べようかと迷ってしまう。たくさんの中から選べる楽しさで、「次はこれを買いに来よう」と思わされてしまう罠。お客さんの声を大切に生かしたサービスが、お店の人気に繋がっているんですね。
取材中、トレーにモリモリとのった揚げたての衣をつけてフランクフルトがやってきました。今回は特別に店内で試食させていただくことに。
本来は、店内での飲食は禁止です。
大事なことなので二度言いますね。
真似しないようにね。
サクサクの衣に包まれ、串に刺さったフランクフルトをガブリとほお張ると、熱々だし、これは何個でもいけちゃいそうだ…。
ナカハラストアーのオーナー仲原さんにお話を伺ってみた
取材で訪れたナカハラストアーでは、社長・仲原英雄さんから開口一番に「まあまあ、お菓子でも食べて。差し入れだから、遠慮しないでね〜」とお茶菓子を勧められました。
初めてのインタビューで緊張していたため、緊張がほぐれて思わず笑みがこぼれました。
「この店のオープンは大体35年前だったかね~」と話しだすオーナーの仲原英雄さん。実は、浦添市沢岻にある「ナカハラストアー」は3号店とか。以前は1号店から6号店まであったそうです。
社長の仲原さんは大阪のスーパーで10年ほど働き、沖縄に帰ってきたあと叔母にまかせていた30坪のお店を引き継いで、1982年に1号店をオープンしました。
商店などの古い店舗を居抜きで買い取ることによって、初期費用をかけずにお店を運営して経営が軌道に乗り出すと、那覇市内に4店舗、浦添市に1店舗、宜野湾市に1店舗と店舗数を拡大していきました。
当時は小さい商店が賑わっていた時代です。
仲原さんは競合店との差別化を図るため、お店の営業時間を延長することにしました。朝6時から深夜1時までお店を開けることにより、多くのお客さんが店に訪れて売り上げが伸びていったそうです。
そんな経営が順調にいっていた矢先、24時間営業のコンビニが沖縄に初進出する話を聞きつけます。ナカハラストアーも24時間営業に切り替えました。しかしコンビニの勢いに推されて、お店の売り上げが悪くなり、3号店の「ナカハラストアー」以外は閉めるほかありませんでした。
そこで、1店舗だけ残したナカハラストアー存続のため、仲原さんはコンビニと差別化をはかることにしました。沖縄の重要な行事であるシーミー(清明祭)や旧盆のオードブルを提供し、クラブ活動の集まりや病院などに、おにぎり・お弁当の配達を行うことにしたのです。
その結果、配達を利用した人たちから次々と口コミが広がり、新たなお客さんを確保できるようになりました。今では土日になると店内での販売と配達も含めて、1000個~1500個ほどのおにぎりが出るそうです。
また、深夜に訪れても出来たてのおにぎりを食べられて、沖縄そばが店内に並んでいるナカハラストアーは、タクシーや運転代行の運転手の間にも広まり、次第に浦添市外からもお客さんが訪れるようになったそうです。
そんな苦しい時代を生き抜いてきた「ナカハラストアー」は、コンビニや大型スーパーができないことに力を入れてきたからこそ、浦添市民に愛されるスーパーへと成長していったんですね。
「ナカハラストアー」が生き残っていくためにも、今後は配達数を増やしていきたいと話す仲原さん。私も応援しています!
沖縄定番の100円そばあり!サイズは大中小、スープはセルフ方式の量り売り
デリカコーナーでは、量り売りの沖縄そば出汁、スープ、手作りカレーが並んでいます。
今回並んでいたスープは3種類。クリームスープ(100g/80円)、豚汁(100g/100円)、たまごスープ(100g/60円)。日によってたまごスープがベジタブルスープ(100g/80円)に変わります。
180g用と380g用の2種類のカップが置いてあり、好きなカップを選んで好きな量だけ入れられます。スープ売り場に設置されたはかりでグラム数を計量すると、やっと金額がわかる。
うわ、入れすぎました〜
具だくさんの豚汁は、ニンジンやごぼうがゴロゴロ入り、私のような野菜不足の一人暮らしにおすすめです。食べるだけで健康になれそう…。
とりがら、豚骨から取った本格的なそば出汁は、調味料少なめの味付け。大280円、中200円、小100円の大きさから選べるのが嬉しく、そばをがっつり食べたいときは「大」を注文。お弁当のお供に少しだけそばが欲しいときは「小」を注文したい。
おにぎり、お弁当、惣菜、そば、いろんな組み合わせができて、毎日買いに来てもお客さんが飽きないように工夫されているんですね。
そばの出汁は自分で入れるセルフ方式です。
まず、ポットにあるお湯でそばを軽く湯がきます。湯がいた後は、そばがこぼれないようにお湯捨て専用のバケツに慎重にお湯を捨て、このひと手間でそばを一段とおいしくいただけますね。
こぼさないように、そば出汁を入れます。ふたを開けると出汁のいい香り。熱々なので火傷に注意して器に入れましょう。
お好みで紅しょうがを入れたらフタをして完成です。このままレジに持っていき、会計を済ませます。熱々の内にいただきましょう!
沖縄そばは、もずくそば(220円)、よもぎそば(220円)、イカスミそば(250円)もあり、選べる沖縄そばって楽しいですね。今度イカスミそばに挑戦してみたい。
ちなみに、私のおすすめは…
・鶏そぼろおにぎり
・ささみチーズカツ
・クリームスープ
この3つの組み合わせです。300円少々で満腹感を得られるって素晴らしいな。
皆さんは、どんな組み合わせが好みですか?
色とりどりの丼もたくさん。ん?…これは何丼だ?
常連のお客さんから「私は夜でも昼でも来るよ〜。ここはお弁当がおいしくて、おにぎりも最高よお~」と言われて、どれどれお弁当も見てみよう!とお弁当コーナーへ移動。
お弁当の種類はスーパーと比較すると多くはないですが、端から端までよく見てみると…
なんじゃこりゃ?
値札には「丼」との文字。メニュー名が「丼」って聞いたことあります?
しかも、「丼」と書かれたお弁当が数種類並んでいます。
なぜお弁当名が「丼」なのかと店長さんに確認してみると、「厨房のスタッフが忙しくて、何丼か明記してる暇がないからね。笑」とのご回答。そして「丼」で統一されてしまったのか…。
写真のお弁当は「バラエティ丼」だそう。ゴーヤー、スパゲティ、コロッケなどが具だくさん。「丼」という名前のお弁当に、皆さんは何を想像しますか?
このユルさが沖縄っぽいですよね。
「丼」を次々に手に取ってみました。
左上は親子丼?いえ、カツ丼かもしれません…。ハンバーグと目玉焼きが入った「ロコモコ丼」のような丼。この説明、合ってますか?中央下の島豆腐が入っている丼は、なーべーらーです。そう、沖縄県民が大好きなヘチマのことですね。
よく観察しないと何丼かがわかりません。
「丼」と書かれたお弁当を手に取り、あーだこーだと言いながら楽しんでください。
値段はオール350円。でーじ安い!
でかでかと金額が書かれたポップが貼られ、文字が大きく字が綺麗!いや、老眼の方でも読めそうです。(なんて親切なんだ…)全てスタッフが手書きしたポップだから、何だか温かみを感じます。
24時間営業の市民の味方は、沖縄のスーパー「ユニオン」やコンビニエンスだけでなく、浦添市にはナカハラストアーもあるのです。常連客と楽しそうにゆんたく(おしゃべり)しながら、てきぱきと仕事をこなすスタッフさんらのフレンドリーな接客も、ナカハラストアーの人気の秘訣かもしれませんね。
ナカハラストアーに、また来よっと。