厳選企業のみ掲載!
会社を選ぶ求人メディア

沖縄移住応援WEBマガジン「おきなわマグネット」

沖縄仕事応援WEBマガジン

「決め手は宮古島に住む人の良さ」 40分にすべて賭ける、宮古島とんかつ 琉宮 篠塚誠一さん

ナガハマ ヒロキ

2019.03.11

日本の「飲食店」は、約60万店以上あると言われているなかで、沖縄では人口当たりで全国1位。飲食店を経営する上で一番の喜びとして挙げられるのが人(お客さん)との触れ合い。同じく飲食店を続けるため大切なことは人(従業員)です。

地域を知り、生産者と顔を合わせ、その土地の食材を頂く。これもまた同じように大切なことではないでしょうか

「時間があったら人に会いに行く」 そう語るのは「宮古島とんかつ 琉宮」専務の篠塚誠一さん。宮古島とんかつ 琉宮は宮古空港ターミナルビルと平良港の間に位置する宮古島で随一の目抜き通りに、ドドーンと店舗を構えます。

地域密着型店舗をテーマに掲げて、地元の方はもちろん、右肩上がりに入域してくる観光客の胃袋も満足させ続けている同店。お話しを伺う前にまずは腹ごしらえ。

 

海老ロースかつランチ(1080円)

肉厚で食べた瞬間、鼓膜に響くくらいのサクッとした音。しつこくなく旨味が前に出る脂が上質なお肉だということを証明してくれます。海老も中身はぎっしりと、おかわり無料のお米とキャベツがどんどん進みます。

 

かつ丼ランチ(880円)

甘旨のダシが染み込んだかつに、ふわふわの卵。選べるお米は、私はあえて白米ではなく黒米をチョイス。箸ですくうこの三位一体を頬張る時間が永遠に続けば良いのに。かつ丼を頼むときのテンションって「がっつり食べたい」ですよね。その期待にしっかり応える満点のボリュームです。

 

「決め手は宮古島に住む人の良さ」 宮古島の変化を見届けたいと決心するまで

ごちそうさまでした。それでは篠塚さんにお話を聞いていきます。関東で様々な業態の飲食店を約80店舗経営されてきたそうですが、宮古島へ出店するきっかけは何だったのでしょう

 

篠塚さん

そもそも、親会社は私の幼なじみが営んでいる肉の卸の会社でして。関東で経営していた店舗では、その企業から肉を仕入れていました。

その幼なじみの彼とは、一緒によく宮古島には遊びに来ていたんですよね。そのうち『宮古島で一緒に何かやりたいねぇ』と言い始めて。『じゃあ何する』となった時に、これまでの培ったノウハウから飲食業だろうと。この店でも引き続き、彼から肉を仕入れる形を取っています。

はじめからすぐに決断できたわけではなく、宮古島への出店を最初は断っていたそう。しかし、40歳を過ぎた頃から大きな決断をしようと会社は完全に切り離す形で、宮古島へ移り住むことを篠塚さんは決めました。

 

篠塚さん

宮古島に住む『人の良さ』が決め手です。お店を出す前から、島の年配の方とお酒を飲みながらこれからについて相談してきました。すると、私が年下だからと見くびらずにいろんなことを包み隠さずに教えてくれたんです。これには背中を押されましたね。

2019年には下地島空港が出来て、港も整備されて、観光客も増えていく。宮古島の経済の伸びしろが凄いですし。この変化をこの土地で見て行きたいという気持ちもありました。


宮古島とんかつ 琉宮の店内は広く、バス3台分のツアー客を受け入れも可能。

 

家族を背負う責任感で人は変われる

若い頃の篠塚さんは、「親が商売をしていることもあり、家業を継げばいいかな…」と、どこか地に足がつかなかったと当時を振り返ります。

篠塚さん

飲食業界に入るまで、私は5年で11回転職を行いました。土建業や運送業などさまざまな仕事に就いては辞め、就いては辞めを繰り返し、いつかは家業を継ぐんだろうし、と考えていたんですよね。

でも、そう親にしがみついている間に、父親を病気で亡くすんです。男兄弟はいなくて、一気に家族を背負わないといけない立場になって、…そこから自分自身が変わりました。

篠塚さんは、ときに自分と重なる人たちに対して理解を示しながら、経験を伝えることもしばしば。

篠塚さん

過去の従業員から今でも相談の電話が来ます。『篠塚さん、関東に帰ってくる時は教えてくださいね』と連絡をもらえたり、嬉しいものです。

宮古島に住む先輩からのアドバイス、そして人の優しさに支えられ、宮古島にいざ出店。しかし必ずしも、現在まで順風満帆なわけではありません。リゾート地ならではの、季節による需要の上下で、必要な人員が変動するなど課題も出てきます。

篠塚さん

長い間、管理に回っていた私も、現在10年ぶりに現場に立っています。これまでは覆面調査員的に、各店舗を回って指摘するという、いわゆる現場をピリっとさせる役割だったのですが、いざ自分が久しぶりに現場に出ると実際難しいんですよね(笑)

商売の基本は人 これに尽きる

食のプロフェッショナルとして、また人を育てる最前線に立ち続けている篠塚さん。仕事の流儀を聞いてみました。

篠塚さん

飲食業は、お客さんがお店に入店してからお会計を済ませるまで、最初から最後までを見届けることができる、気が抜けないお仕事です。このお店、琉宮ではお客さんの平均滞在時間は40分。私たちはこの40分が勝負なんです。

そのために、すべての時間帯で誰が調理しても美味しいものを出す、誰もが気持ちの良い接客をする。作るのも、お客さんと接するのも基本は人、これに尽きます。

 

篠塚さんにオフの時間の過ごしかたを聞いてみると彼自身のこだわりが見えてきました。

篠塚さん

日々をなんとなく過ごすのではなく、時間ができたら常に人に会いに行く。たとえ、用がなくても人と触れあいに行く。『あんた暇なの?』って笑われても行く!

そうすると、1日10人には会えるんじゃないですかね。人と話すことで何が必要で、何を求められているのかを知れるし、ヒントが多いんです。

 

「食文化の交流」を目指して 宮古島の食材を沖縄県外、海外へと届けて繋ぐ

飲食業界は、就職希望者数や定着率など、課題も少なくないと聞きます。そのなかで、篠塚さんの喜びの瞬間とはどこなのでしょうか。

篠塚さん

最近では、琉宮の従業員たちがお客さんにお褒めの言葉を頂く瞬間が嬉しい。『あんたに会いに来たよ〜』なんて声を掛けられて、「ありがとうございます」と心から言ってる姿を見ると、彼ら彼女らはやりがいを感じてくれているだろうな、と。

あと、宮古島が好きな人にとって、もっと好きになってもらえるように地元の食材を現在、関東地方や山陰地方に卸していて、今後はさらに中国にも販路を拡大する予定です。

さらに、私たちは宮古島の「塩もずく」の製造販売をしていますし、宮古島にある黒糖も良い商品だと感じています。宮古島のものを関東に、関東のものを宮古にというように、食文化の交流を促したいですね

 

琉宮で多角的にビジネスを展開することで、一緒に働く人へのモチベーションを高めていき、経験値を積み重ねてほしい。そう篠塚さんは語ります。

 

篠塚さん

宮古島内でも事業を拡大していきます。外食産業では焼肉屋の出店、観光産業では外車レンタカー事業が現在進行形です。でも、事業を支えてくれるのはやっぱり人。とにかく今、一緒に進んでいく仲間が欲しいです。

地元の方や観光客、ここでは毎日人との出会いがあります。あと、いつでも200円で美味しいトンカツが食べられますよ。だから、明るくて元気で気持ちの良い人をお待ちしています。

求人情報

店舗名 宮古島とんかつ 琉宮 (株式会社 大進)
雇用形態 アルバイト・パート
募集職種 ホールスタッフ
仕事内容 接客全般、ドリンク・デザート造り、ホール清掃

接客の流れ
①お客様のご案内
②新客サービス(水・おしぼり出し)
③オーダーテイク
④料理提供
⑤中間サービス(お冷・お茶サービス)
⑥お会計
⑦テーブルセット
等です。

以上の業務を明るく感じ良く、笑顔で行っていただける方を募集します。
勤務時間 12:00〜22:20 シフト制
休日 週休2日制
店舗情報 宮古島とんかつ 琉宮 (株式会社 大進)
沖縄県宮古島市平良字松原551-14