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世界最高水準の研究機関「OIST」を、現役の学生にガイドしてもらったら超楽しかったお話

ナガハマ ヒロキ

2017.07.06

OIST_top

沖縄に、世界トップクラスの教育研究機関があるのをご存知でしょうか。
その名称はおそらく知っているでしょう、沖縄県恩納村にある「沖縄科学技術大学院大学」通称、「OIST」

 

ここが、とんでもなくハイレベルな研究機関で、最先端な研究・教育を行うために世界中から学生や研究者が集まって来ています。

 

2017年6月現在、130名の学生数のうち日本人学生はわずか23名、そのうち2名が沖縄県出身者、それ以外は外国人。入学定員は40名という狭き門…。

 

こんなことを書いてしまうと、その空間自体を、「別次元」だの「劣等感が刺激されそう」だの、あらゆる言葉で遠ざけてしまいそうですが、何てことはありません。OISTの学生や職員のみなさんは、県民の方々にどんどん足を運んで欲しい!という気持ちでいっぱいなんです。

 

学生が研究エリアをガイドしてくれる!

そこで今回企画されたのが、OISTの学生がキャンパス内を案内してくれるという「OIST週末ツアー」

その高尚そうな場所にモジモジしているあなた、難しいことは何もないですよ。沖縄屈指のリゾート地である恩納村の高台にある、まるで一つの街のようなOIST。初回の開催を前に、おきなわマグネット読者にはひとまず先にチラリとお見せしたいと思います!

 

 

今回ガイドをしてくれる学生はこの方々!

左から、お名前と研究内容をご紹介しましょう。

タケシさん(ぺルー出身、微生物)
臼井さん(物理・サルの学習過程)
平良さん(脳科学)
コリンさん(アメリカ出身、太陽電池材料)
堀口さん(生物の進化)

 

これまでも、ガイド付きのキャンパスツアーを企画していたOIST。今回の学生が案内する週末ツアーは、これまでのものとは違い、7月より公開中の研究エリアを敷地内で暮らす学生ならではの生活感のある案内を届けてくれるんです。

 

ロビーから研究棟への入口は一つだけ。このスロープをくぐって入場します。これにより、普段は別の研究をしている教授や学生同士が顔を合わせやすく、コミュニケーションが取れるのだとか。

 

壁には実際にOISTで研究をしている様子が飾られています。フォトジェニックですね〜

 

それでは、今回が初めての開放となる、研究エリアの見学へGO!

 

 

早速目に飛び込んで来た、「世界最高水準の大学院が沖縄にある理由」の一つだろう光景。心身がこんなにリラックスしたらば、良い研究もできますわ。

ご覧ください。

ドーン!!!!!!

 

 

窓の向こう側に見える部屋が図書館。蔵書数が少ないように感じますが、学内のネットワークに繋がっていれば、電子書籍で閲覧することが可能だそうです。言わば、学内全てが図書館。なので、わざわざ足を運ぶ人はそこまで多くはないようです。

 

こちらは、様々なサンプルを精巧に作成するロボット。メキシコ出身の研究員であるアレックスさんが操作しているため、ニックネームは「アレックスJr.」または「ホセ・メンドーサ」と呼ばれています。明日のジョーに登場するメキシコ人ですね。

 

ここでは蟻の研究がされています。近ごろ話題になっている毒蟻であるヒアリの対策にも一役買っているようで、沖縄の研究のトップがこの中にあるんです。現在、沖縄にある4つの港で調査し、そこから外来種であるヒアリが入って来た場合の対策など、生活に直結したシミュレーションもなされているわけですね。それにしてもオープンな雰囲気です。

 

研究が行われているユニットは50以上。通常の大学であれば、研究内容ごとにラボ室で区切られていますが、OISTでは、大きなスペースに複数の研究ユニットが同時に存在しています。意図的に異分野の研究室を近くに置くことにより、分野をまたいだ学際的で柔軟な研究が可能になるわけですね。

 

 

そしてこれを見て下さい!

研究エリア内では、その辺の壁に数式が書かれているのがしばしば。研究者同士で会話をする際に、書いて説明してしまった方が理解が進む、というわけで、当たり前のようにペンを走らせるのだそうです。よって、書いても問題ないガラスボードを所どころに設置しているのだとか。思い付いてしまったら書かざるをえない、まさに天才タイプの集まり!これはドラマ「ガリレオ」の世界!(マル秘数式のためモザイク。読めても理解できないけれど)

 

自然と調和した洗練された空間デザイン

OISTが所在している恩納村谷茶の森には、豊かな生物多様性が認められているので、「科学技術は未来のために使う」という意識から、環境に配慮された建築設計がなされています。元の地形に合わせて建物を造っているので、不思議な形になっているわけですね。

 

 

研究棟をつなげる通路も、眼下の自然を壊さぬようにスカイウォークになっており、その工法も地中に杭を打つものではなく、空中で支えているといった具合です。

 

 

さらには、ガラス張りのスカイウォークに鳥が激突するのを防ぐために、ダミーの鳥の模型を配置するバードフレンドリーっぷり。

 

 

スカイウォークはこんな感じ。ファイナルファンタジーのようです。

 

 

世界50か国から学生や研究者らが集結しているOISTは、沖縄での生活サポートの意味もあり、1年目は敷地内の宿舎で寝泊まりすることが義務付けられているのですが、

 

その宿舎が…

一見、リゾートコンドミニアムを思わせるような造り。家族で滞在する学生・教職員・研究員もいるので、ファミリータイプの部屋もあります。託児所もあるので安心して研究に取り組めますよね。空中庭園だってあります。

 

 

ここまで素敵な環境を見せつけられて、OISTに通いたい気持ちが抑えられない。でも私の頭脳では到底入学ができない…。とうなだれていると、

 

「大学院大学ですから、毎日一般開放していますよ」

 

なんと!なんとなんと!!

 

大学の学食の感覚で入っても良いと言うのだ!散歩を楽しむのも大歓迎とのこと。

 

学内には「Grano」というカフェもあり、高台にあるので眺望が最高!本当に最高。最高も最高。

 

パンも安くて美味しいし、食材もオーガニック。ドリンクバーも300円(ランチセットだと150円)。沖縄に数あるリゾートカフェの中でもトップクラスですよ。なぜここがもっともっと観光地にならない!県外の友人にはここを全力でおすすめしよう。
OISTカフェ「Grano@OIST」

 

そうだ、OISTに行こう

今回、学内を案内してくれた学生のみなさん。

 

臼井さんタケシさん

「ガイドを通じて交流ができ、自らの日本語の学習にも役立つ」

タケシさん臼井さん

「学内はほとんど外国のような環境なので、沖縄の人と関わりを持ちたかった」

堀口さん平良さん

「存在は知られているが、内部は知られていない。通常の日本の大学と違うところを伝えたい」

コリンさんコリンさん

「カジュアルにOISTを知って欲しい。沖縄の人に遠い所じゃないんだよというメッセージを伝えたい」

平良さん堀口さん

「まずは、OISTに来てくれる機会を作りたい」

 

それぞれが研究で多忙な日々を送っているのに、ボランティアでガイドをしています。その源である理由を、彼らはこのように話してくれました。

 

そこにいるだけでアカデミックな気分になれる、沖縄科学技術大学院大学(OIST)。学生による「OIST週末ツアー」で、もっと身近に感じてみるのはいかがですか?

 

 

PS.あまりに気に入ってしまったので取材後日、この記事をOISTのカフェで執筆しました。

OIST(22)

 

「OIST週末ツアー」
【場所】沖縄科学技術大学院大学
【住所】沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919−1
【開催日程】毎月第2・第4土曜日 13:30-14:30
【電話】098−966-2184(受付:平日9:00-17:00)
【定員】20名
【参加費】もちろん無料!
※要予約